あらすじ
甥のファイサルが女性関係で又、問題を抱えているらしい。惚れっぽい性格のままに、女性に手を出しては飽きていく甥の女性関係の後始末に、ラシッドはほとほとうんざりしていた。
しかも、今回は婚約までしたいと言い出しているのだ。放蕩者である甥に、そこまで言わせる程のやり手の女をどうにかせねばなるまい。
ラシッドは、ファイサルをニューヨークに転勤させ、相手の女性フェリシア・ゴードンを家族ともども親しくなるためにと、クウェートに招待するのだった。
金目当てにのこのことやってくるような女など、空港に到着した時点でロンドンに送り返してやる。
そう思って到着を待っていたラシッドの前に現れたのは、清楚で生真面目な雰囲気を身にまとう華奢で若い女性だった。その容姿は、ラシッドが幼い頃から憧れていた祖母の若き日の姿に似通っていた。 |