シャロン・サラ
傷ついた女性が癒されていく作品が多い。

文庫


夜は別の顔 D-1032 (株)ハーレクイン  発刊:2004.04.05
ヒロイン:アメリア・アン・ビーチャム(図書館司書・ウェイトレス・29歳/偽名アンバー・チャンピオン) ヒーロー:タイラー・ディーン・サヴィジ(農場主)

あらすじ
この辺りに住む女性は、若くして結婚し、産みたいだけ子供を産んだ後、ほぼ間違いなく太り出す。そのことに、何故、夫が不満を述べないのかが不思議だ……。
独身生活を謳歌していたタイラーは、経営している農場で収穫する予定の作物の先物取り引きで、契約が成立した祝いに連れていかれたナイトクラブで理想の脚線美を持つ女性アンバーに出会った。
早速、誘いをかけたタイラーが、アンバーから受け取った答えは「ノー」
どうやらアンバーには何か秘密があるらしい……タイラーは、その秘密を何が何でも探り当てようと決意するのだった。

アメリア(アンバー)の脚線美に悩殺されまくっているタイラーの慌てようが絶品。
早々にナイトクラブで出会ったウェイトレスのアンバーが、お堅い図書館司書のアメリアだということに気付くタイラー。
そして、 誰にもばれてないと思い込んでいるアメリアの純朴さが笑みを誘ってます(タイラーも涙を流すほど笑いこけてます)
アメリアの家族である2人の大おば達との交流の様子や、アメリアの名誉を守るためには喧嘩も辞さない姿勢とかがコミカルに描かれていて、手軽に読める作品。


危険な薔薇 D-1152(『オフィスの花たち』所収) (株)ハーレクイン  発刊:2006.10.05
ヒロイン:クリスティ・アン・サミュエルズ(広告代理店勤務・28歳?) ヒーロー:スコット・ウェイド(シカゴ市警刑事/愛称スコッティ)

あらすじ
1日が始まったばかりだというのに、疲労のせいか、頭痛の前触れがきている。カフェインを吸収しようと席を立ったスコットに上司の呼び出しがかかった。
上司から、「K・サムスン」という女性が、ストーカー被害にあっているとシカゴ市警に訴えてきた件を、調べてこいとのことだった。
クリスマス休暇が始まったこの寒い時期に、その女性が勤める会社にまで出向いたスコットは、思いもかけない人物に出会うことになった。
高校生時代に、深く愛しあった恋人がその会社にいたのだ。

ストーカーもの。恋人同士(兼、幼馴染み)の再会。
クリスティの周囲に怪しい人物を配置した途端、ストーカーの襲撃が始まり、物語は収束に向かってしまいます。クリスティとスコットもあっという間に焼けぼっくいに火がついちゃうし。頁数が圧倒的に足りなかったなぁ。


奇跡の花嫁 PS-49(『結婚はあなたと』所収) (株)ハーレクイン  発刊:2007.12.20
ヒロイン:ハリィ・オグレイディ(童話作家・31歳?) ヒーロー:ジェイク・ミラクル(牧場主・元税関調査官・35歳)

あらすじ
10年前、両親が強盗に殺害されてから、ジェイクの生活は一変することになった。税関調査官としての仕事に満足していたが、牧場を経営していた両親が殺害されたのだ。弟のルークとジョンはまだ16歳と14歳だった。里親に預けようとする児童福祉局のやり方を一喝し、借金だらけだった牧場を黒字に転換させようと、ジェイクは踏ん張った。
末の弟のジョンが出してきた、 観光牧場にすればいいんじゃないかというアイデアを吟味し、収支計算をし尽くした。
あの時の悲劇と混乱からもう10年が経ち、今では引っ切りなしに観光客が訪れ、牧場での体験を楽しんでいく。
ジェイクを惹きつけて止まないハリィもまた、そんな観光客の一人だった。

4人姉妹の長女であるハリィ。ハリィ以外の姉妹は夫と可愛い子ども達に囲まれて生活をしています。そのことを羨ましく思いつつも、童話作家として自立している自分を誇りに思ってます。自分の胸の小ささを気にしている可愛らしい面も冒頭にてご披露。
そして、ハリィの31歳の誕生日に、妹達から贈られたのが2週間にわたる牧場体験の宿泊チケット。もともと、インドア生活らしいハリィは少し躊躇するわけですが、何事も体験だと牧場に向かい、ジェイクと出合うこととなります。
小妖精のようなハリィのことが気になって仕方がないジェイクですが、その2人の仲をかき回そうとするのが、ここ数年、ジェイクをものにしようとうろうろしているジュエルという女性。
少しばかり(?)情緒不安定な彼女は、ハリィの命を奪いかねない愚行をしでかしたりしてます。まぁその行いのおかげで、ハリィとジェイクがひっつく展開へと進むわけですが。


熱いハプニング L-1164(【始まりはいつも…】所収) (株)ハーレクイン  発刊:2005.11.20
ヒロイン:ハーレー・ジューン・ボーモント(保険代理店勤務・27歳/愛称ジュニー) ヒーロー:サミュエル・フランシス・クレイ(消防士・37歳/愛称サム)

あらすじ
ハーレーは由緒正しい血筋を誇る母の一人娘だったから、南部の淑女たるべき規範から外れることのない生活を送っていた……今までは。
ラスベガスで行われた友人の結婚式で、盛大に酔っ払って、とてつもなく羽目を外してしまったようなのだ。そのどんちゃん騒ぎの記憶がほとんど無いのは良いことなのか、悪いことなのか。
大騒動の行き着いた先で、ハーレーはとんでもないことをやらかしてしまっていた。
見知らぬ男性と結婚式を挙げた上に、そのことに関してまるで記憶がないのだ……。

楽しく酔っぱらって大騒ぎしていたハーレーにノックアウトされてしまったサム。
酔った勢いで式を挙げ、熱い一夜を共にし、目覚めてみれば、その間の記憶がないと花嫁は目の前で狼狽中。
その後、ホテルに置いてきぼりをくらうのですが、きっちり追いかけて、自分のテリトリーまで掻っ攫います。
ハーレーの口うるさい母親の攻撃を封じ込めるだけでなく、反撃までして彼女を守ったりして信頼を勝ちとっていく誠実な姿勢がグー。


花嫁の困惑 SB-5「花婿に恋する日」所収 ハーレクイン社  発刊:2005.01.20
ヒロイン:マリリー・キャッシュ(ウェイトレス) ヒーロー:ジャスティン・ウィーラー(牧場主)

あらすじ
吹雪の夜、店の常連客だったジャスティンが宿泊先にあぶれていたのを不憫に思い、自宅に招いたマリリー。マリリーはジャスティンに夕食を用意し、モノポリーをして、誘惑されてベッドを共にした。
2人の関係がここから始まると思っていたマリリー。
何てことをしてしまったんだと、翌朝、声もかけずに家を飛び出したジャスティン。
自分のしたこと、しなかったことを見つめ直すために、再びマリリーに会おうと行動するのに、ジャスティンは6ヶ月もかかってしまっていた。
再会したマリリーは、あろうことか妊娠していて、敵意丸出しだったのは当然のことだった……。

関係を壊した過ちを認めて、誠実に取り組もうとするジャスティンの姿勢に好感がもてます。
どんなことがあってもマリリーの味方だという立場を明確に意思表示しているし。
にもかかわらず、2人の仲を何とか裂こうするジャスティンの両親達(特に母親がしつこい)。一人息子に対する期待と愛情の束縛の現れなんだろうけれど、自立した息子から見ればお節介にしかすぎない代物。
ジャスティンの母親の姑根性が極め付けで、あれだけの仕打ちをしていても、謝れば和解に至ってしまうということに違和感を覚えてしまう私は心が狭いんだろうなぁ。


女相続人ケイシー LS-64 (株)ハーレクイン  発刊:1999.05.20
ヒロイン:ケイシー・ルーバン(大会社の後継者・26歳) ヒーロー:ライダー・ジャスティス(航空機チャーター会社経営)

あらすじ:ジャスティス家三兄弟シリーズ(次男編)(長男編)(三男編
天災による事故なのだから、と誰もライダーを責める人間はいなかった。
けれど、自分が最愛の父を殺したのだ。悪天候の中、軽飛行機を飛ばした結果、落雷に遭った機体は墜落し、父はこの世を去った。
罪の意識に苛まされたライダーは、経営するチャーター会社も放り出し、身をくらませるのだった。
そして、半年以上経ったいまも、現実から逃げている。
場末のバーでただ時間が過ぎるのを待っているライダーの前に、この場にそぐわない上品な雰囲気を身にまとう女性がやって来た。バーに入った途端、怯えを見せた彼女が意を決したようにたむろしている客に向かって、
「わたしには夫が必要なの。一緒にわたしの家族と闘う度胸のある独身男性で、最初に名のりをあげた人と喜んで結婚するつもりよ」

20年前に両親が水難事故で亡くなったあと、ケイシーは父方の祖父に会社経営の何たるかをたたきこまれながら、育つこととなります。
その祖父が亡くなり、遺言状が読み上げられて茫然。それは、ケイシーが48時間以内に挙式をして、1年間結婚生活をおくらなければ、会社は双子でグウタラな異父兄姉に渡ってしまうという代物。
祖父がケイシーに結婚相手にと望んだのは、ルーバン家の顧問弁護士であるラッシュ・マーロウ。
絶対に結婚したくない相手をあてがわれることになったケイシーは、その時点で理性の糸がぷっつんと切れるのでありました。
飛び込んだ場末のバーで、夫となるライダー・ジャスティスを探し出してきたケイシーは孤軍奮闘を開始。まぁ、早々にライダーが味方につき、冷えきった家族関係に大ナタを振るってくれるようになります。
ケイシーひとりが、必死になって働いていることに、憤るライダーが素敵。
メモ:トラックとの追突事故。搭乗予定の飛行機が墜落。あやしげな呪術。


炎のメモリー LS-86 (株)ハーレクイン  発刊:2000.04.20
ヒロイン:デイジー(記憶喪失/ホリー・ベントン・コンピュータ会社経営者の令嬢・27歳 ヒーロー:ローマン・ジャスティス(私立探偵)

あらすじ:ジャスティス家三兄弟シリーズ(三男編)(長男編)(次男編
働き過ぎだと、長兄に長期休暇を申し渡されたローマン・ジャスティスが向かったコテージには先客が……。
身体中が傷だらけの女性が、自分が休んでいたベッドの下に隠れていた上に、彼女には記憶が無かった。
尻ポケットが破れているおかげで見ることになった下着の模様が、黄色の花芯をもつ白いデイジーだったことから、ちょっとした思いつきで彼女を呼びかけてしまった。
「ねぇ、デイジー」

軽飛行機からパラシュートをつけて飛び降りた際に、頭部を強打したために、記憶のないデイジーが、ちょっとした拍子に生活の断片(記憶というより慣習)を思い出していく描写が、うまいです。
彼女に夫なり恋人がいるかもしれないという危惧を抱きながらも、2人は惹かれあっていき
ます。
彼女が誰であるかが判明し、婚約者がいたという事実が2人の間に横たわっても、絶対に互いを諦めようとしない想いの深さ。まぁ、一度はローマンが身を引いてしまうのはお約束のパターンはあるんですが、開き直ったあとはひたすら彼女の側に張り付いてます。
デイジーが所持していた100万ドル近い大金の出所は?を搦めて、ロマンスが展開していくこととなります。


天使を拾った夜 LS-91 (株)ハーレクイン  発刊:1999.05.20
ヒロイン:エンジェル・マリア・コンチータ・ロハス(家政婦兼子守り・元ウェイトレス・25歳) ヒーロー:ロイヤル・ジャスティス(牧場主)

あらすじ:ジャスティス家三兄弟シリーズ(長男編)(次男編)(三男編
最愛の妻だったスーザンが、お産で亡くなったあと、ロイヤルは生まれてきたマディの育児と牧場の仕事で日々が忙殺されていた。
しかし、牧場の仕事は、マディを引き連れてこなすという生活習慣はもうすぐ終わりを告げる予定だった。マディが、幼稚園に行く事になっているのだ。
愛娘の健やかな成長を喜びながらも、一抹の寂しさを感じてしまうロイヤルだった。
マディの存在のおかげで、騒々しいのは当然のことだったが、満ち足りた生活がこれからも続いていくとロイヤルは思い込んでいた。
しかし、毒糸蜘蛛に刺され死の淵をさまよったマディが、おかしなことを口走り始めたのだ。
「きれいなレディがね、天使を送ってくれるって約束したのよ。でもまだ来ないの」

7歳の時に母親が亡くなり、暴力を振るうばかりの父親の元から養護施設に引き取られたのは、エンジェルが9歳の時。
いくつもの里親達の家を転々としていたエンジェルは、一箇所に留まって生活していくのが最大の夢です。それが、雇い主のセクハラが原因で、辞表をたたき付けることになってしまい意気消沈。
土砂降りの雨の中ヒッチハイクをしていたエンジェルを拾うことになったのが、ロイヤルとマディです。
3人の絆が次第に深まっていくことに、互いが有頂天になっている姿が本当にいい感じ。
嬉しそう。
根無し草だったエンジェルが、ロイヤル父娘に拾われて、家政婦&子守りをしている内に、家族の絆が深まっていく作品。
マディにだけ見えている「レディ」の存在と、ヒロインをつけ狙う連続殺人犯の動向を搦めて、ロマンスが展開しています。
メモ:セクハラをしてきた雇い主の股間を蹴り上げる。竜巻に翻弄される。


笑顔の行方 LS-104 (株)ハーレクイン  発刊:2001.01.20
ヒロイン:シャーロット・フランクリン(農場手伝い・シングルマザー/愛称チャーリー) ヒーロー:ジャド・ハンナ(強制休暇中の刑事・33歳)

あらすじ
愛娘レイチェルの姿が見えない。慌てて、家から飛び出てその姿を探していたチャーリーの目に入ったものは、黒い雄牛だった。
あれだけ柵を修繕しろと兄が警告していたのに……隣接する牧場の壊れた柵からこちらに入り込んで来たらしい。
そして、雄牛が突進しようとしている先に、花摘みに夢中になっている愛娘の姿を見た。
レイチェルの名前を絶叫しながらかけ出したチャーリーの目の前で、暴牛がまさに娘に突撃しようとした瞬間、突如現れたジープが救いの手を差し伸べてくれたのだ。
車体を盾にして、車内に娘を救い上げてくれたらしい。
運転席にいた大柄な男性の横に、レイチェルの姿を見た時、シャーリーの瞳から涙が溢れた。

児童虐待&トラウマによる復讐がテーマ。
10歳まで、アルコール中毒の父親にひどく殴られながら大きくなったジャドが抱える心の闇。本人は認識していませんが、かなり深いものがあります。
そんなジャドの満身創痍の心を癒していくのが、チャーリーとその娘レイチェル(2歳)とチャーリーの兄ウェイドたちの愛情が溢れている家族の様子。
愛らしいレイチェルに愛情を注ぐ、フランクリン兄妹の様子に、その輪の中に入りたいと羨望してしまうジャドの心情が切ない。
地域でもあまり尊敬されていない銀行頭取が、誘拐されたあと、全裸で尻に「R」の
焼き印を捺された状態で開放された事件の真相解明をからめて、2人のロマンスが進展。


愛は戯れでなく LS-138 (株)ハーレクイン  発刊:2002.06.20
ヒロイン:アントネット・ハットフィールド(農場主・29歳/愛称トニー) ヒーロー:レイン・マンデー(連邦保安官・39歳ぐらい)

あらすじ:ハットフィールド家シリーズ末っ子長女
ようやく取れた休暇中にレインは、終身刑を言い渡されている犯罪者達の護送の任務に呼び出された。小型飛行機で彼らを運ぶ際の監視役に就くためだった。
順調に航路を飛んでいるかと思われた矢先、黒雲が空を覆い、辺り一帯に稲妻が乱舞し始めている。
「今回だけはなぜかいやな予感がする」
そう思った瞬間、凄まじい音ともに機体に雷が落ちた。墜落炎上するのは避けられない状況の中、レインは囚人達の枷を解くしかなく……。
墜落した機体の中で意識を取り戻したレインは、確認できる限り、生存者は自分以外にはいてないことに戦慄いた。不気味な火花が散っている中、機体から慌てて脱出したレインだったが、土砂降りの雨のおかげで緩んだ地面が崩れ、谷川に飲み込まれた。
無意識の内に掴んだ流木とともに、流されていたレインを救ったのは、驚くことに女性だった。

7人の兄をもつトニーが、荒れ狂う谷川ですくい上げたのは、195センチもの大男レイン・マンデー。トニーは、レインの命を救った上に、療養の場所まで提供することになります。そして、あわよくばベッドを共にすることができれば……念願の赤ん坊を抱くことができる。
結婚をとうに諦めているトニーですが、どうしても赤ちゃんが欲しくてならないわけで、その相手として強く惹かれて仕方がないレインを望んでしまうわけです。しかし、異性とのお付き合いにとんと疎い彼女にはどうやって、そのことをレインに切り出したらいいの〜?
対して、レインはトニーが経営する農場で傷が治るのを待つ間、彼女が抱えている劣等感を少しでも減らそうと口を出し始めます。で、トニーが可愛くて仕方がないし、欲情するわで抑えがきかなくなっていて、とうとう一線を越えることとなるのでした。
行方不明となっている囚人の生死や、数年前にレインの最愛の妻がお産の最中に亡くなったことなどをからめて、トニーとレインのロマンスが繰り広げられていきます。


愛は時空を越えて LS-168 (株)ハーレクイン  発刊:2003.09.20
ヒロイン:メアリー・フェイス・オローク(ブティック勤務) ヒーロー:ダニエル・オローク(弁護士・32歳)

あらすじ
目の前で最愛の夫ダニエルと生まれたばかりの赤ちゃんホープを交通事故で亡くしたメアリーは、この6年間、ただ生ける屍のように時を過していた。二人が事故に巻き込まれる前、ダニエルとメアリーは夫婦喧嘩の真っ最中だった。夫がホープを連れて、車で自宅を出ようとバックした瞬間に、パトカーとカーチェイスをしていたスポーツカーが飛び込んできたのだ……炎に巻き込まれて亡くなったダニエルとホープ。
友人達は、彼女の悲しみを気遣ってくれるが、罪悪感と無力感で押しつぶされそうだった。そんな気遣ってくれる友人の1人との昼食がお流れになりメアリーは、時間潰しにたまたま目に入った骨董店の扉を開けた。隅のショーケースの中で埃をかぶっていた指輪を嵌めた途端、彼女の意識は悪夢が始まる直前へと運ばれたのだった。……最愛の二人を失うきっかけとなった夫婦喧嘩の場面へ……。

メアリーとダニエルの夫婦愛が切々と書かれていて、読ませる作品。メアリーを喪失するかもしれないという状況下におちいるとダニエルがとても涙もろい男性に。メアリーがいない世界では、自分は駄目だ、生きていけないと公言して憚らない姿に、ぐぐっと来るの〜。
車の事故に巻き込まれずに生き残ったことで、ダニエルはメアリーの大切さを再認識。2人の仲に溝ができた理由を頭ごなしに問い詰めるのではなく、彼女の側に立って探さなければと気付くわけで……メアリーを失いたくないからもう必死。
悪夢の結末の事故が回避され、夫もホープも生きていることにメアリーは安堵してこのまま、夢がさめなければいいと願うところで、意識が6年後に戻ってきます。
喪失感につかりかけた瞬間、6歳のホープとダニエルが目の前にやってきてメアリーは、時間の逆行現象に気付き、この現象が少しでも長く続くことを祈るのは当然。でも、気味の悪い事件、その地域で起きている2件の少女誘拐事件の次の被害者にホープがなったかもしれないという疑いがでてきて否応無しに犯人と対峙していくこととなります。
登場してくる子供たち、全てが心打つのよね〜。娘のホープ、誘拐されている少女達。
後半、涙ぐみながら読んでました。


傷ついたレディ LS-204 (株)ハーレクイン  発刊:2004.08.20
ヒロイン:リリー・キャサリン・ブラウンフィールド(牧場住込み料理人・元弁護士秘書) ヒーロー:ケイス・ロングレン(オクラホマの牧場主)

あらすじ
牧童の1人が作る料理にはもう、うんざりだった。ゆですぎたり、黒焦げかで、空ききった腹でさえ食べるのを拒否しそうな料理の数々。ケイスは新聞に載せた
「料理人求む」 に一縷の望みをかけたが、3日経っても問い合わせてくる者がいなかった……。そんな中、真夜中にケイスをたたき起こした電話は、待望の料理人からのものだった。
2日後、牧場にあらわれた女性リリーに、ケイスの心は鷲掴みにされた。

酔っ払いが運転する車に衝突された事故で、リリーは目から口元にかけて傷跡ができてしまいます。婚約者トッドから、2ヶ月後の結婚式に顔に傷のある花嫁はいらないと拒絶を受けます。婚約を破棄し、職場結婚の予定だったため居たたまれなくて、辞職。一時の避難場所として、ケイスが経営する牧場の料理人として働くことになります。
……それにしても、トッドが、登場から退場に至るまで自己中心のサイテー男ぶりをご披露してくれてます。
ケイスは、一目、リリーを見た時から、心惹かれ、彼女への愛をすぐに確信し、一緒にいれば居るほどその思いの深さを再認識という惚れ込みよう。母親が父を捨てて牧場を去ってしまったという過去があるため、リリーに去られたらどうしよう……と不安で不安でならない彼のあたふたぶりも好き。
複数人からの視点の切り替えが多すぎるのが、忙しないなーと。


夜だけの恋人 LS-208 (株)ハーレクイン  発刊:2004.09.20
ヒロイン:デボラ・ジーン・ランダル(ブラウンフィールド家の家政婦・スーパーの元レジ係・27歳/愛称デビー) ヒーロー:コール・ブラウンフィールド(麻薬捜査課刑事)

あらすじ
親友リリーがもう臨月であるにもかかわらず、カリフォルニアの実家に戻ろうと焦っている。事情を聞けば、父親が事故にあって足を骨折して不自由しているとのこと。その看病と家事をするために里帰りをしようとしているのだ。
デビーは、リリーの暴走を押しとどめるために、自分がカリフォルニアに赴く事を提案するのだった。
それに、リリーの実家には彼女の長兄コール・ブラウンフィールドがいてるし……

骨折患者の看病と男所帯の切り盛りをするためにやって来たデビーと刑事であるコールとのロマンス。デビーはコールへの愛情を隠そうともしないのですが、コールの方はかなり後ろ向き。
刑事という職業に就いている自分が、デビーに安心安定をもたらすことはできないと思い込んでいるから。
コールがそのとらわれた思いと、どう折り合っていくのかが、刑事事件とからめて描かれてます。
主役はもちろんのこと脇役に至るまで、登場人物の場面毎の感情説明が余りに詳細過ぎて、想像(妄想)する予知を残してくれなかったのが、残念〜。


愛すれど君は遠く LS-256 (株)ハーレクイン  発刊:2005.09.20
ヒロイン:サラ・ボードリー(トップモデル) ヒーロー:マッケンジー・ホーク(元CIA捜査官・投資家・37歳)

あらすじ
育ての親だったノナ・ホークが亡くなって、自分が、独りきりになってしまったことにホークは気付くのだった。
CIAの潜入捜査官だったホークが愛した女性マーラは彼を裏切り、情報を敵方に漏らしていた挙げ句の果てに、首魁に殺される最期を迎えることになった。そして、マーラが情報漏洩元ではないかと睨んでいたCIAの上層部は、ホークに真実を告げずに彼を囮に使ったのだ。
2重の裏切に嫌気を差したホークは、辞職し、身体の弱っていた養い親の元に戻った。
養い親が亡くなり、ホークの相手は飼い犬だけで、自然の奏でる音以外なにもない静かさの中で生活していた。
その静けさを破ったのは、バイクの騒々しい音だった。
がくりと地面に倒れ込んだライダーを抱え上げた時に、転げ落ちたヘルメットの中からこぼれ落ちたのは、見事なまでに長くて赤い巻き毛だった。

撮影が終了して一息ついていたサラの元に届いたのは、潜入捜査をしている兄ロジャーからの身の危険を知らせる手紙。ホークを頼れと言ってきた兄の助言に、サラは、急遽、ホークを訪ねることとなります。
全然、関係のないお荷物を抱えることになったホークは渋々ながらもサラを受け入れるしかないと、腹を括って対応し始めます。そして、互いに惹かれあう二人のロマンスが動き出すこととなります。
何故、サラが狙われているのか、犯人は誰なのか、というのは、早くに判明してます。
受けてきた仕打ちによって傷ついたホークの心が、どう癒されていくのかが本筋となってます。
サラの盛大な癇癪が、なんだか上滑り……。


永遠をさがして LS-262 (株)ハーレクイン  発刊:2005.10.20
ヒロイン:オナー・オブライエン(レストラン経営・26歳/本名メアリー・マーガレット・マローン) ヒーロー:トレース・ローガン(会社の後継者)

あらすじ
トレースが上司であるJ・J・マローン宛にきた手紙を開封することは本来なら、なかった。
しかし、 J・Jが先日の落馬事故で足を骨折したために、会社での業務の一切合切がトレースの肩にのしかかっていた。
J・J宛に送り付けられてきた手紙には、
「私があなたのお孫さんを連れ去りました」と、書かれていたのだ。
26年前、ベビーカーに乗せられた生後8か月のメアリー・マーガレット・マローンは子守りの女性と公園へ散歩に出かけ、誘拐されたのだ。その後、身代金の要求もなく、赤ん坊の行方は杳と知れなかった。
そのメアリーを連れ去った人物からの手紙?
トレースは、ことの次第を知らせるために、J・Jのいる屋敷へと急ぐのだった。

オナーは、先日、癌で亡くしたばかりの母の喪失感にさいなまれている真っ最中。
そんな中、経営するレストランを訪ねてきた男性トレースに心奪われます。
互いに惹かれあっていることを確かめあうオナーとトレース。
けれども、トレースが何故、レストランを訪ねてきたかを最初に言わなかったため、その仲はこじれてしまいます。 これはまぁ、すぐに修復。
で、オナーがマローン家にやってくるのを阻止したい輩もいるわけで、脅しをかけられたり、命が危うかったりという事件が多発。
誰にもオナーのことを傷つけはさせない、と明言しているトレースですが守れず、不甲斐なさも相まって、怒りのオーラをバシバシと放ってます。
サスペンスの部分がどたばた過ぎて、慌てて読んでるような気分にさせられる作品。


遅れてきた恋人 LS-274 (株)ハーレクイン  発刊:2006.01.20
ヒロイン:ジェシー・ルボー(小学校教諭・25歳/愛称ジェシー・ローズ) ヒーロー:キング・マッキャンドレス(牧場主)

あらすじ
キング・マッキャンドレスは、電話のしつこく鳴る音で起こされた。受話器を取る前から良くない知らせだというのはわかっていた。
曙光前の4時なのだ。
案の定、警察からの電話にキングは顔色を失った。
妹のように可愛がっていたジェシーが、自宅で強盗に襲われたという知らせだった。

12歳の時に父が亡くなり、マッキャンドレス家に引き取られたジェシーは、その家の一人息子、キングを年の離れた兄のように慕って育ちます。
そして、17歳の時に自分がキングに恋してることに気付きます。でもかなわない恋だと思い知って、自活の道を選ぶのでした。
で、4年間、一度も帰郷せず。
強盗に襲われて収容された病院で、駆けつけてきたキングと久しぶりの再会を果たすこととなります。
可愛い妹のように思っていた女の子が、大人の女性になっていたことを気付き出したキング。
4年間離れていたのに、この恋は色あせるどころか益々、深くなっていたと思い知るジェシー。
二人のロマンスの行方と、ジェシーが襲われたのは何故なのか(真犯人は一体誰なのか?)が、絡み合って物語は展開されていくこととなります。
なんというかロマンスもサスペンスも上滑り感が漂う作品……。


きみの声が聞こえる LS-306 (株)ハーレクイン  発刊:2006.10.20
ヒロイン:グローリー・ディクソン(父と兄が経営している農場で一緒に働く・25歳/愛称モーニング・グローリー) ヒーロー:ワイアット・ハットフィールド(海兵隊を退役したばかり・35歳)

あらすじ:ハットフィールド家シリーズ
海兵隊員としての生活しかしてなかったワイアットのことを、妻が見限るのは当然のことだった。別れ間際に妻から、投げつけられた非難の言葉は、今、思いだしても身がすくむほどつらいものだった。
ますますひどくなっていく雪嵐の中、タイヤがスリップするのを辛うじて制御していたワイアットの目前に、巨大なトラックが横滑りしながら向かってきた。
側面衝突されたワイアットの車は、道路から飛び出し崖の下に転がり墜ち、何本の木立に衝突した後、大きな松の木にぶつかってからようやく止まった。
崖の下から救助され病院に担ぎ込まれたワイアットの全身は、傷だらけで、何よりも大量の出血による死が目前に迫っていた。
その上、運の悪い事に彼の血液型は「AB型のRHマイナス」で、こんな田舎町の病院の血液バンクにストックがおいてあるのを期待する方が間違いだった。
そんな騒然としていた救急治療室に、救急隊員に急かされるように若い女性が走り込んできた。
「彼女の血液型はAB型のRHマイナスなんです。血液を提供しに来てくれたんです」

未来が視えてしまう能力を持っているグローリーは、その力のおかげでワイアットに輸血するために病院にかけつけます。そして、グローリーが提供した血液は、ワイアットの命を救っただけではなく、彼女の思念を聞いてしまうという能力を彼に授けることとなります。
そんな力をもつグローリーをみる世間の目は冷たく、父親レイフと兄JCが盾となって彼女を守っています。その2人がガス爆発によって殺され、自分の身も危うくなっているグローリーは心の底から
「助けて。助けて欲しいの」
グローリーの思念を受け取ったワイアットは、彼女の元へと一目散に向かうのでありました。
殺されてしまう父親と兄がグローリーを愛おしんでいる場面を読むだけで、鼻がツーンとしてきてしまいますー。
『LS-138愛は戯れでなく』 での主人公夫妻と愛娘の危機を察知してからの展開も、グッとくるものがあります。涙腺が弱っているのかなぁ……。


いにしえの呼び声 LS-329 (株)ハーレクイン  発刊:2007.06.20
ヒロイン:ソノラ・ジョーダン(麻薬取締局捜査官・29歳) ヒーロー:アダム・トゥーイーグルズ(部族の癒し手・元特殊部隊)

あらすじ
著名な彫刻家であるフランクリンとアダムは、親子ほどの年の差があったが、長年の友人だった。そのフランクリンが、白血病だと宣告され、余命いくばくもない状況にあった。
痛みに苦しむフランクリンが少しでも安らかに過ごせるよう、配慮するぐらいしか手の内用がなかった。
そのフランクリンから、電話がかかってきた。
「すぐに。今すぐ来て欲しいんだ」

体調を崩したからアダムを呼び付けたのでなく、30年以上前に別れた恋人には自分の子どもがいたらしいという夢見から、子どもの行方を突き止めて欲しいと頼んできます。
アダムは儀式を行い、子どもの存在を確信します。
冒頭部分で、夢告げ、儀式、精霊の存在など不思議系のお話しが展開されます。馴染みがない世界で、なんというかそこで置いてきぼり感が……。
対するヒロインのソラノはというと、麻薬密売人の元締めを一網打尽にする作戦で、組んでいた相手のミスで身を隠すことになったと社会の暗部からの始まり。
生まれてすぐに孤児院の前に捨てられたという生い立ちを持つ彼女が、不思議な力に導かれて自分のルーツに行き着きます。
出会った当初から惹かれあっていく2人のロマンスに、ソラノの命を狙う密売人の行状が差し込まれて話は進みます。
……それにしても密売人が間抜けすぎ。アダムとソラノの2人が、強靱な雰囲気をまとっているので悪役としては本当に役不足であった。


地上より永遠へ HP-10 (株)ハーレクイン  発刊:2009.01.20
ヒロイン:アニー・ローリー・オブライエン(高校の歴史の教師・29歳) ヒーロー:ゲイブリエル・ドナー(放浪者/愛称ゲイブ)

あらすじ
掃きだめに生まれ落ちてから、生きるためにはどんな悪にでも手を染める生活をゲイブはし続けていた。
その罪を償うために、死ぬことすら赦されず160年近く、生き続けている。バイクにまたがって全米中を放浪し、危機に見舞われて命を落とそうとしている人たちを、何の見返りも求めずに救い続けているのだ。
だから、駐車場で若い連中に執拗に絡まれている女性を救いだしたのも、その一環に過ぎないものになる筈だった。彼女が視界に入ってから、目を離せないでいるこの胸の内を無視さえすれば。

アニーが受け持っているクラスに問題児がいて、その男子生徒に脅されている場面にゲイブが出くわし、助けの手を差しだしたことから2人のロマンスが始まります。
ゲイブは、贖罪のために西部時代から生き続けているという設定……。
あと、神様が都合よく助けてくれてます。強い迷いとか羨望とか葛藤などを、悩みぬいてゲイブが決定したのではなく、神と心の対話をしていて神の啓示を受けとった形で決定してます。今のところ私は無宗教なので、信仰の強さとかよりどころの描写がけったいな……と、感じてしまう。
はっきり言って、特別な力がなくても、アニーとゲイブの2人だけで十分に、物語を引っ張っていくことが可能だと思うんですよね。筋道がしっかりしているから。
変えられない過去を何とかして欲しいとかそういうどうしようもない事象を、動かすために「超常現象(神様)」が出現するくらいの頻度でないと、有り難みが感じられません。
西部時代から生きてなくてもいいし、神様設定もいらない。
メモ:難病もの(脳腫瘍による偏頭痛)