ソフィー・ウエストン

ルイの仮面 I-612 (株)ハーレクイン  発刊:1990.11.05
ヒロイン:バーバラ・ラム(不動産会社重役・28歳) ヒーロー:ルイ・ニエヴェス・ドス・サントス(ポルトガルの侯爵・物理学者・40歳)

あらすじ
子どものようななりをしたバーバラ・ラムと出会ったのは10年前だった。長い手足をもつしなやかな肢体を、丈の短いTシャツとショートパンツが申し訳程度に包んでいた。
彼女の叔父ハリーが詐欺まがいの違法行為をしては、ヨーロッパ各地を転々としているのに振り回されているらしかった。社会の裏街道をうろついているハリーの側にいながら、バーバラはそんな社会のことはもちろんのこと、一般的な事柄にさえ、知っていないようだった。18歳という年齢でありながら、無邪気な子どもと同じだった。
男性に対しての警戒心を全く持たないバーバラに対して、ルイが抱いたのは彼女の何もかもを自分のものにしなければおさまらないような強い思いだった。

ルイが抱いている思いを、バーバラ以外の周囲の人間は気づいていて、祖母以下、使用人達にまでことあるごとに彼を牽制、説教していたらしいです。まだ子どもだから、絶対に手を出すなと注意される始末。
ルイはハリーに食い物にされることをなんとかしなければ、そして自分のこの情欲からも彼女を守らなければとまとまったお金を渡し、ロンドンへと追い払います。その際、バーバラを押し倒してしまったり、悪口を言い募ったりと理性が弾け飛びかけてる言動が大爆発。
その経験が、バーバラの心に大きな傷を残すのは当然で、まぁそのおかげ(?)で再会するまでバーバラは男性との親密なお付き合いをさけた生活を送っています。ルイ、してやったり(笑)
バーバラに再会したルイの(一応、自分を抑えた)やりたい放題に翻弄される展開となってます。
メモ:ルイには12年前、亡くなった兄に釣り用ナイフで顔を切りつけられ傷痕あり。


ドラキュラ城の主 I-792 (株)ハーレクイン  発刊:1993.05.05
ヒロイン:ルーシー・ワイルド(農場経営者の秘書) ヒーロー:ロバート・チャレンジャー(設計技師)

あらすじ
義姉が洪水に巻き込まれて亡くなった上に、兄までが原因不明の病に罹り、入院を余儀なくされて既に一年。
ルーシーは兄夫婦の子供たち、ボーイとアンジェラの世話に明け暮れていた。
ボーイがしでかす悪ふざけの数々は、ルーシーにとって笑えるものであったとしても、他の人からは躾に甘い子供として見られるのだ。
でも、まさか先日、この地に引っ越してきたばかりのロバートにまで、その偏見の目でボーイ達を見ているとは思いもしなかった。そして、そのロバートが兄から重大な任務を任されているとは……。

ルーシーが他人から都合よく利用されていのを見るにつけ、我慢ならないロバート。
誰もがルーシーの知り合いで、甥達の面倒をみるのにてんてこ舞いの彼女に頼みごとをしていくし、小悪魔なボーイとアンジェラは彼女にべったり、幼なじみとかいうニコラスは恋愛相談に頻繁にやってくる(ルーシーがニコラスに報われない恋心を抱いてるのは一目瞭然だし)。
……これでは、自分の入る隙がないじゃないかッ!!
ということで、ルーシーの兄から頼まれたことでもあるから、とばかりに、ボーイを寄宿学校に編入させるよう彼女に提言。その結果、ルーシーから、「苦手な人物」で「避けて通るべき対象者」という分類を頂いてしまう始末。
でも、そうやってルーシーにちょっかいを出さないと自分の存在を認めてもらえない……と思い込んでいるロバートは、コミュニケーションが下手過ぎる〜(笑)
読了して深読みすれば、上記のような感想を「作れる(笑)」というくらい恋愛模様が前面に出てこない作品。不思議な読後感だった……


不器用なプリンセス I-1541 (株)ハーレクイン  発刊:2002.06.05
ヒロイン:アニス・カルー(設立したばかりの経営コンサルタント会社共同経営者・29歳/愛称アニー) ヒーロー:コンスタンティン・ヴィターレ(建築家・36歳/愛称コスタ)

あらすじ:カルー姉妹の「姉」編
今回、ビルの建築を依頼してきたトニー・カルー夫妻が主催した夕食会に、コスタは招かれていた。その席上に、遅れてやってきた女性は、自分の場違いの格好に戸惑いを一瞬、垣間見させた。華やかな社交界に集う面々が、着飾っている中、彼女だけが地味なブルーのスーツを濡れそぼらせていた。
その女性が、トニー・カルーの上の娘アニスだと紹介され、コスタは驚いた。
金持ちの我が儘娘が暇つぶしに仕事をしているという先入観は、彼女と交わした短い会話から、すぐに間違いだとわかった。
全く私生活がないみたいに、仕事にのめり込んでいるアニスのことが、コスタは気になって仕方がなかった。

同じ女性と一ヶ月以上交際の続いたことがないコスタ。調子のよい返事をするわりに、興味のある仕事しかやりとげない身勝手さ。
自分がどれだけ傲慢で配慮に欠けることを周囲にしているのかを全くコスタは、気付いていません。うーん、格好いいんだけど、人間関係をきちんと築けてない人ってなんだかなぁと、小骨が咽喉に刺さった感じの出来上がり。
対して、マグカップの扱いがかなり不器用で、受け皿に中身を溢すこと数回というアニー。子供の頃、乗馬中に落馬して額に傷を作ったアニスは、容貌にコンプレックスを抱きまくり。
その劣等感をアニスはどう克服していくのか、コスタが彼女にへばりついて展開されていくことなるのでした。


ウエディングの秘密 I-1548 (株)ハーレクイン  発刊:2002.07.05
ヒロイン:イザベラ・カルー(女性誌の記者・24歳/愛称ベラ) ヒーロー:ギルバート・デ・ラ・コート(ソフトウェア開発会社経営・元教授・33歳/愛称ギル)

あらすじ:カルー姉妹の「妹」編
ギルは、設立した会社が乗っ取りにあいかけていることに気付き、愕然とした。開発にあたっていたソフトが完成し、株式公開の目処も立った矢先の出来事だった。
内部事情に詳しい上部の一人が、どうやらその乗っ取りの中心だという事実も、ギルを暗澹たる気持ちに追いやった。彼らは長年、友人だと思っていたのに……本当に、自分は人を見る目が無い。
開発したソフトを売り込むことと、裏切った人物を特定する為に急遽、ニューヨークに向かったギルは、旧友が経営しているナイトクラブに息抜きに出かけるのだった。
友人との久しぶりの語らいを楽しんだあと、ダンスフロアに繰り出したギルは、そこで、一心不乱に踊っている若い女性の姿から、目を離すことができなかった。

「不器用なプリンセス」でコスタに大失恋したベラのロマンス。ギルは、アニスの顧客。
自分が、女性の気持ちに疎いことを知っているギルは、ベラの心情が読み取れなくて「参ったなー」状態にあります。ベラの心情の機微を読み間違って、もつれていくロマンスの行方。
と言っても、ギルはバカ正直に、物事を平行して進行していくのは、不得手だと宣言するし、ベラに対して最初から惹かれている(愛している)ことを隠そうとしません。
問題は、コスタへの思いを引き摺っているベラの側にあって、ギルが待ちぼうけを食らう展開が続くこととなります。
その上、ようやく初めて、彼女とベッドを共にした翌朝に、コスタと義姉アニスとの結婚がつらくて反動で寝たと言われて茫然。
そんな仕打ちを受けながらも、ギルはひたむきにベラを追い求めていく物語となってます。
メモ:前作あわせて母リンダの余計な一言が波乱を引き起こしてます。