ステファニー・ローレンス

仮面舞踏会の夜に HS-145 (株)ハーレクイン  発刊:2002.10.05
ヒロイン:ジョージアナ・ハートリー(画家の娘・18歳/愛称ジョージー) ヒーロー:ドミニク・リッジリー(オルトン子爵・キャンドルウィック領主・32歳)

あらすじ
賭博と浪費にのめり込んだ先祖のツケを今なお、払わされている。返済のために二進も三進も行かなかったのだろうが、キャンドルウィックの領地を分断するかのように土地で支払った愚策は、腹立たしいばかりだった。
その上、近年、あの土地の管理は成されておらず、目も背きたくなるほど荒れ果てていた。目に入らなければ忘れることも出来るが通り道にあるのだ。
現在の持ち主であるチャールズ・ハートリーに過分過ぎるほどの金額を提示して土地の買い上げを申し入れたが、梨の礫だった。
性格の悪いハートリーのことだ。どうせこちらを困らせることしか考えていないに違いない。
土地の買い上げ以外にハートリーに用がないドミニクは、隣人の存在を拒絶する道を選んでいた。
朝食をとりながら、多忙な一日を過ごす準備をしていたドミニクに執事が、
「若いご婦人がお会いしたいそうです。旦那様。お名前は、ミス・ハートリーです」

ジョージアナは、6歳の時から12年間、イタリアで父と過ごしていたのですが、父が亡くなり、イギリスにいる伯父の元に身を寄せようとやってきます。しかし、その伯父もまた1カ月前に亡くなったとのこと。後を継いだ従兄のチャールズは酔いどれのろくでなしで、ジョージアナと結婚しようと力ずくで迫ってきます。身の安全を図るために隣接するキャンドルウィックの領主館に駆け込んだジョージアナに助けの手を差し伸べてくれたのが、ドミニクとなります。
ジョージアナは自活を目指すのですが、それがどれだけ大変なことであるかを知っているドミニクは、妹ベラに彼女を預け、今期の社交シーズンで結婚相手を見繕ってあげようとお節介を焼くのでした。
大きな陰謀もなく、淡々と進行する作品。
社交界に好意的に受け入れられたジョージアナには複数の求婚者が現れますが、頑なに断り続けるのはドミニクに思いを寄せているからというのも王道だし。
対してドミニクもまた、彼女が余りに若いと頭でわかっていながらも、惹かれていく気持ちが止められないと悩んだあと、この感情が一時のものではなく真剣だと確信し行動に移していくんですが……かなり鷹揚に構えてまして、なんだか肩透かし。もうちょっと、切迫感があれば良かったのに。


この身を悪魔に捧げて(上)(下) F-ロ4-1
F-ロ4-2
ヴィレッジブックス  発刊:2008.05.20
ヒロイン:ホノーリア・プルデンス・アンストルーザー=ウェザビー(家庭教師・24歳) ヒーロー:シルヴェスター・セバスチャン・シンスター(セント・アイヴズ公爵・32歳/通称デヴィル)

あらすじ
もうすぐ大嵐がやってくる。
館に戻ろうと領地内の人気のない林の中を疾走していたデヴィルは、突如、小径の真ん中に突っ立った女を避けるために愛馬を相手に奮闘することになった。蹄鉄で踏み殺さずに済んだが、怒りはおさまらず、直立している女に罵詈雑言を浴びせかけた。
「こんなところで、何をしている?」
「数分前に、ここに来合わせました。彼は撃たれています。出血を止めようとしているのですが、止まりません」
毅然とした態度を崩さない女が、身をずらして道端に倒れている若者をデヴィルに見せつけた。
胸から血を流しているのは……従弟のトリィだった。 ようやく大人の仲間入りをしたばかりの。

トリィの命を何とか繋ぎ止めようとしていた女性ホノーリアに、ほぼ一目ぼれしたデヴィル。彼女を公爵夫人にしようと強引に事を進めてます。
ホノーリアが公爵夫人になることは、デヴィルの中では確定事項になっていて、結婚する気など髪の毛一筋も思っていない彼女との駆け引きが上巻。デヴィルの
「きみの夫になる練習をしたわけだ」といういい訳の場面にきゅーん。あと、亡くなったトリィを幼い従弟妹達だけで弔う場面は胸を打ちます。
そして下巻は、ホノーリアとデヴィルが唯一無二のパートナーとしての道を歩みだし始めます。
デヴィルの命がねらわれ始めて、それを阻止しようとホノーリアが奔走。しかしその奔走が気に入らないデヴィル。どうしてこんなにも気に入らないのかということを悶々と考えて答えに行き着いてます。
たぶん、何度も読み返すのは上巻の方かな。


狼とワルツを(上)(下) F-ロ4-3
F-ロ4-4
ヴィレッジブックス  発刊:2008.12.20
ヒロイン:ペイシェンス・デビントン(両親亡き後、デビントン家の切り盛りをしている・26歳) ヒーロー:スペンサー・アーチボルト・シンスター(通称ヴェーン)

あらすじ
間近に迫ってきた嵐を避けようとして、ヴェーンは教母であるレディ・ベラミーの屋敷に駆け込んだ。厩舎に駆けてきた馬を預け、幼い頃、歩き慣れた道を急ぎ足で館へと向かったヴェーンの目に、若い女性の姿が映った。
嵐の前触れの強い風に衣装がたなびいている。
足下の花壇に身をかがめ、何かを探している彼女の姿に、一瞬にして心を奪われた。

今すぐにでも、ペイシェンスが欲しくなったヴェーン。未亡人であったなら、せめて、貧乏な身寄りのない嫁かず後家だったら、愛人にできるのにという希望は、見事にうち砕かれます。
「レディ・ベラミーの姪です」
遊ぶ相手ではない女性に、強く心惹かれたヴェーンが、どうしたもんだかと館に逗留していくこととなります。その内に、レディ・ベラミーから、館内にいるらしいこそ泥と近くの修道院廃虚に出没する亡霊の調査を依頼されて動き出してます。
今作は、館に居候している人物の多さも相まって前半がまだるっこしい展開。上巻の最終章まで読み進めれば、後はサクサクと楽しめました。
たぶん、何度も読み返すのは上巻の293頁以降(ペイシェンスと肌を重ねたヴェーンが、お粗末な求婚をしでかした)と下巻。