スーパー・ロマンス
厚みがある分、読みごたえのある作品も多い。重いテーマのある作品も。477作品で刊行ストップ。

サンドラ・キャンフィールド
バラと虹とあなた S-283 (株)ハーレクイン  発刊:1995.05.20
ヒロイン:アレクサンドル・ファレル(身障者対象の旅行代理店経営・32歳/愛称アレックス) ヒーロー:パトリック・オケイシー(アメフトのクォーターバック・35歳)

あらすじ
パトリックには、フットボールしかない。
体力も下り坂の35歳にもなって、未だ、引退後の青写真が全く何も浮かばないでいるのは、不安だった。華やかな道を歩んで人生を楽しんでいるのは確かだった。しかし、ふと立ち止まってしまうと、気分がふさぎ込んでしまうことが、ここ最近、多いのも事実だ。
少しばかり倦んだ気持ちを抱えながら、スーパーボウルが開催されるにあたって開かれる幾多のパーティに招かれて、パトリックはチームメイトともに顔を出していた。そこで、NFLの広報係と話し込んでいる女性を視界に捉えた途端、目を離すことができなくなった。
銀に近いブロンドの髪は顔の周りをふんわりと覆うようにカットされ、笑みを浮かべるその美しい唇……持っていたスコッチのグラスをチームメイトに渡し、パトリックは彼女の元に歩を進めた。
「踊りませんか?」

難病もの。
関節リウマチを患っているアレックスは、自分と同じような症状で苦しんでいる子供たちとその家族を支援する団体を主催。
資金や、人的援助などを集めるために、忙しく動き回ってます。
資金提供を受けるために出向いたパーティで出会った男性が、パトリック・オケイシー。
彼は、アレックスの凛としながらも女らしいその容貌に強く心惹かれて、ダンスに誘うのですが……。難病に冒されているアレックスと付きあっていく過程において、知らなければいけないことがたくさんあることに気付いたパトリックが、知識を得ようとする、その自然な態度が素敵です。
アレックスの高いプライドを傷つけてしまう地雷を踏んだり、かすったりと神経を使いすぎてしまう状況にあるのに、悲壮感がなくて本当に自然体で接してます。
これだけ心に余裕がある男性の側は、絶対、居心地がいいんではないかとうっとりと妄想。
いいなぁ。癒されたい。
脇のロマンスとして進行するのは、アレックスの理学療法士ブレア・バクスター(37歳)とパトリックのチームメイトであるマーリン・ワシントンの2人。両親を亡くしている上に関節炎の持病を持っている少年ジェイスンに対して、2人が深い愛情を抱いて接していく様子がぐっときます。




ジョスリン・ヘイリー
湖畔の衝撃 S-3 ハーレクイン社  発刊:1983.09
ヒロイン:リン・セルビー(孤児・カナダ北部の奥地で育つ・18歳) ヒーロー:トー・ハンセン(有名肖像画家)

あらすじ
1年前に自動車事故で亡くなった父宛に届いた1通の手紙は、肖像画家として名を馳せているトー・ハンセンにとって、転機となるものだった。
手紙には父の友人であるポール・セルビーが、自分亡きあと、一人残されることになる娘リンの後見人になって欲しいと綴ってあったのだ。
カナダ北部の奥地で、身よりもなく一人寂しく生きている10代初めの少女の姿を想像していたトーであったが、彼が見たのは紛うことなき若い女性だった。
何も身に着けず、湖で泳いでいた彼女が岸辺に上がってくる姿に、画家として天啓を受けるほどの衝撃と、どうしても彼女が欲しいという情欲に一瞬の内に憑かれてしまったのだ……。

リン・セルビーは、父が亡くなったあと、後見人としてやってきたトー・ハンセンを、恐れたり反発したり強く惹かれてしまったりと、気持ちが落ち着かない状態に陥ってます。
世間と隔絶されたカナダ北部の奥地で亡き父と二人きりで暮らしていたリン。
リンが何も身に付けず湖で泳いでいるのを見てしまったトー・ハンセンは、自分が抱いてしまった彼女への妄執を抑えるのに多大な労力を支払っています。
と、いっても激情にかられて、服を脱がすこと数回。酔っぱらって、乱暴しかけちゃうこと数回と、やりたい放題です。
大体、最初に会った時すぐに自分が後見人になったと言うことを明かさないのって、変です。生娘になんて興味ないといいながら、手が出かけてるし……世間的に立派な男が恋にとち狂って、混乱の極みに入りかけてるのがよくわかる作品となってます。

トーの元恋人ヘレナがリンをことあるごとに意地悪したにもかかわらず、おとがめ場面がないのが、ちと残念。
行方のしれないリンの母親を探しだしたために、別離しなければならないと苦しむ2人。そして、カナダ北部で頻発する放火事件をからめて、2人の関係が急展開していくこととなります。
余裕がなさ過ぎる男に、取り憑かれるように愛されちゃうお話し。芸術家の恋は、ある意味、スゴイですな。