イヴォンヌ・ウィタル

心の鎖 I-216 ハーレクイン社  発刊:1985.05.05
ヒロイン:ヘレン・タルボット(元教師・家庭教師・25歳) ヒーロー:サイモン・サヴェッジ(劇作家・35歳)

あらすじ
1年ほど前に、婚約者を不慮の事故で亡くしたヘレンは、教師という仕事を支えに何とか立ち直ろうとしていた。しかし、仕事への情熱をどうしても見いだせず辞職し、故郷、伯母の元に身を寄せるのだった。ヘレンがゆるぎない安息の地と思っていた故郷は、無人だったブロック城に新しい住人が入居し、そして、その住人達が地元の人たちに受け入れられてない事実を彼女に突きつけた。新しい住人は、取っつきにくい父親と幼い娘らしい。

伯母から、城で住み込みの家庭教師を募集していることを聞いたヘレンは、好奇心もあって面接希望の手紙を出すのだった。

自分の母親から始まり、妻、その妹と性質の悪い女性ばかり周りにいた人生を送っていたらしいサイモン。女性に対して、偏見の塊のような見事な考えを持って毒を振りまいてます(苦笑)
それに当てられたヘレンも不運ですがヒロインだから真摯に頑張ります♪ なんというか1番の犠牲者は、娘のリサだよね……。サイモンも彼なりにリサを守ろうとしてやっていることが、逆効果でというのがちょっと可哀想なんだけど。よじれてしまった父娘の絆を、ヘレンの優しさがゆっくりほどいていく展開が素敵です。
サイモンが過去の傷を乗り越えようと魂を削るように作り上げた舞台脚本。舞台の初日、
「観劇してもらえれば、ヘレンにこの愛が伝わる!!」と思い込んでいたのに、見事、伝わらず……ご機嫌、斜めというか落ち込む彼。芸術家って奇をてらって策に溺れることが多いように思うのであった(笑)

絹の罠 I-222 ハーレクイン社  発刊:1985.06.05
ヒロイン:モーガン・フィールド(弁護士秘書・24歳) ヒーロー:カール・ジーグラー(コンピューター会社経営・35歳)

あらすじ
落馬の際に骨折した足にギプスをして、実家の父の元でモーガンは静養していた。
父を訪ねてやって来たカール・ジーグラーという男性が、興味深げに彼女に近づいてくるまでは、平穏な毎日だったのだ。
カールは、父が勤める会社を引き継いだやり手の経営者で、そして女性に対して誠実ではないらしい。父の助言からカールとの接触を避けようとするモーガンだったが、彼の誘惑は押しの一手で、男性経験に乏しい彼女にとって、断るのは至難の技だった。
ギプスで、咄嗟に動けないモーガンから松葉杖を取り上げ、抱き上げてドライブへと誘うのだから。

父親の度重なる浮気で破綻していた両親の結婚生活を見て育ったカール。結婚に対してかなり懐疑的な考えの持ち主で、季節ごとに付きあう女性を変えていくプレイボーイという烙印を世間から押されてます。
そんな中、出会ったのがモーガン。一目で、彼女のことが気に入り、何とかお付き合いをしようと頑張るのですが、女性経験が豊富というカールの経歴(?)に怖れをなしたモーガンから拒絶をくらいます。
押して、押して、誤解されて、それでも押して、誘惑するカール。
互いに振り回されてます♪


災いの岬 I-270 ハーレクイン社  発刊:1986.02.05
ヒロイン:エマ・ギルバート(家庭教師・25歳) ヒーロー:ジュリアン・プロー(農園主・ホテルオーナー)
あらすじ
ようやく就いた教師という職を投げ打って、5歳の男の子ドミニクの住み込みの家庭教師になったエマは、モーリシャス島にやってきた。牧歌的な島での生活と愛らしいドミニクに、エマはすぐに愛情を覚えたのだが、周囲の大人たちの間に漂う不快な感情のうねりに首をひねるばかりだった。特に、ドミニクの父ジュリアンが息子に対して、無関心な態度を取り続けることに憤りを感じずにはいられなかった……。
ジュリアンの前妻マルグリットは、2年前に階段からの墜落事故で亡くなってます。しかしその死の真相は、事故現場に居合わせて頭に怪我を負ったジュリアンの記憶喪失が原因で不確かなもの。
マルグリットに対して「死を願ったことがある」彼にとっては、自分が殺したのではないかという疑念に取り憑かれて仕方がありません。ジュリアンの母、息子ドミニクの存在すら、彼の苦悩の救いとはなってくれない状況です。ドミニクは自分に対して父が無関心であることに心を痛め、怯えきってます。
そんな澱んだ屋敷に、住み込み家庭教師として雇われたエマ。澱みが理解できなかったエマが、過去の出来事を知るにつれ真相に迫っていくんですけど、この過程は割と淡々と進行。
どっちかというとエマに惹かれる気持ちをなんとか抑えようとして、抑えきれずにキスしたり押し倒したりしているジュリアンの苦悩ぶりが……身勝手で(←強引に迫った後、必死に抑制して無関心を装う彼)エマにつらい思いをさせる手腕は天下一品かも(苦笑)

風に乗って I-288 ハーレクイン社  発刊:1986.05.05
ヒロイン:ローレン・フレイザー(秘書・25歳) ヒーロー:スティーブ・ボーモント(社長・38歳)
あらすじ
故郷を離れて、都会に出てきたローレン。その仕事ぶりは冷静で優秀だと太鼓判を押されていたのが間違いではないかと自信喪失気味だった。社長スティーブの疫病神かと思えるくらいの失敗ばかりしでかしているのだ……。
そのスティーブから、夕食の誘いを受けたのだが、彼の女性関係を聞くにつれ怖け付くばかりの彼女だった。
ローレンと二人きりになると何故だかトラブル続出。重要書類の混在、コーヒーが太ももにアチチ、エレベーターの故障(で3時間近くをチョコとブランデーで空腹を誤魔化し)、車のエンジントラブル(車の修理がお手の物というローレンの特技を発見)……。スティーブったら、トラブルは、2人の間に火花が散るからだ♪と迫ってます(笑) 押せ押せで迫って、いいところまで行くんですがッ、拒まれてます。だって、ローレン、初めてなんだもん♪ 初めてでも、誘惑の手を緩めないスティーブはある意味、ご立派です。でもねー、でもねー、愛人としての付き合いがしたいだけなんだ〜、そこのところ、勘違いしないでくれ。
「正しいことは正しいし、間違いは間違い」にならないスティーブとの関係に絶望して、去っちゃうローレン。彼女を追いかける迄に一ヶ月以上かかったその間に、やつれた彼の求婚は背水の陣の様相を呈して必見♪

純白のジェニー R-577 ハーレクイン社  発刊:1987.12.20
ヒロイン:ジェニファー・ケイシー(看護婦) ヒーロー:ハンター・メイナード(ダチョウ農場経営者)
あらすじ
婚約者のコリン医師を飛行機事故で亡くした看護婦のジェニファーは、コリンとの思い出がたくさんある総合病院を辞職しようとしていた。婦長は休職扱いを提案し、その間、自分の姉アリスの看護を頼んできた。ジェニファーは、その申し出を受けたことを、アリスとその息子ハンターと初顔合わせをした時に、後悔した。ハンターは……失礼な上に、無礼千万な奴だった。
「夜も昼も嫉妬で気が狂いそうだったんだ―」
いえいえ、ハンターの言動は、完璧に嫉妬でトチ狂ってます。自分が、ジェニーを見る度、考える度に欲情するのだから、他の男もそうに違いないッ → ジェニーは、男遊びをしてる女だの飛躍論法は、アッパレですヒーロー。それにしてもダチョウを飼育しているだけあってダチョウの求愛行動を自分に例える姿は自虐的……

夕映え R-625 ハーレクイン社  発刊:1988.08.20
ヒロイン:フランシス・キング(牧場主) ヒーロー:バイロン・ロックフォード(サファリパーク経営者)
あらすじ
まさか自分の入札が通るなんて!! 念願の牧場を手に入れたフランシスは、天にも昇る気持ちだった。でも、契約書類にサインしたインクも乾かぬうちに、その高揚した気分をぶち壊したのは、隣接するサファリパーク経営者のバイロン だった。
「女に牧場経営はできない」ですって。その言葉、絶対に撤回させてみせるわ。
牧場経営に関してのみ熟知してるフランシスが本当に純真無垢で、バイロンてば、最初から最後まで振り回されっぱなし。惚れた弱みなんですが、もうメロメロパンチの喰らいまくり。それにしてもバイロン、あの手この手で、ライバルのトニーをけ落とそうと頑張ってるんですが、そのせいでフランシスが命に関わる怪我を負ってしまい、プライドも何もかも吹っ飛んでます。無事だった途端に、策を弄し始めるところは流石ですが(笑) フランシスの脇を固める義母オリヴィアや従姉妹、親戚一同がとってもいい家族関係で、特に、オリヴィアとフランシスの会話は逸品。

悪魔の谷 R-932 ハーレクイン社  発刊:1992.07.20
ヒロイン:ジョスリン・ハリス(看護婦・24歳/愛称ジョー) ヒーロー:ラーフ・アンダースン(羊牧場経営・36歳)
あらすじ
亡くなった父が苦労して興した建設会社が倒産するかもしれない。経営を引き継いだ兄からの告白に、ジョスリンは顔色を失った。しかし、更に彼女を追いつめたのは、兄からの頼み事だった。
限度一杯まで借りている為に銀行の融資を当てに出来ない今、たった一人だけ、融資してもらえる可能性がある人物ラーフ・アンダースンに資金援助を頼んで欲しいというのだ。
2度と会いたくない人間がこの世にいるとするならば、ジョスリンにとって、ラーフがその人だった。
愛し合って一緒になったのに、結婚生活は1年ももたず離婚をラーフから言い渡され、失意の内に実家に戻ったのは、3年前のことだった……。
元夫婦の復縁もの。
最愛の女性だったジョスリンを、離婚してしまったラーフ。ジョスリンを失ったラーフは、人が変ったように取りつくしまもない荒んだ雰囲気をまとう人間に成り果ててしまいます。
2人の間の意思の疎通が上手くいかなくなり、どう見てもジョスリンが不幸としか見えない状況を作り出したのが、自分の母親だったという真相を知ったのは、3年も月日が経ってから。
自分がこんなに不幸な状況に陥らせた原因を作った母を責め、何も相談してくれなかったジョスリンを責めてしまう日々。
過去のオメデタイというかヘタレな自分の気配りを棚に上げ、母親とジョスリンを罰せずにいられなかったラーフ。母親を母屋から追い出し、ジョスリンには彼女の兄が経営する建設会社に融資する見返りに跡取りを産めと脅迫してまで再婚へと暴走してしまいます。
ジョスリンを取り戻したいばっかりに、無茶をしまくるラーフがね、「素敵vv」と思ってしまう私。
ハシゴから落ちてガラスで動脈を切ってしまった従業員の命を救ったり、ラーフが誰よりも信用しているスタンの妻のお産に立ち合い息子を取り上げたり、手芸教室を開いたりと大忙しのジョスリン。
ラーフにちょっかいを出しているローリンに対しても、凛と反撃。
復縁ものが好きな人にはオススメの作品。