ディーン・クーンツ(ディーン・R・クーンツ)
一昔前「ライトニング」ではまって、その頃、クーンツ作品を根こそぎ読みたおしてました。
好きな作品に当ると、その作家さんが出している本、全てを読まずにいられなくなる性分は昔から〜。
で、手当たり次第で読み耽り、邦訳一作目か二作目(たぶん)の「デモン・シード(もちろん、旧版の方です)」 のエロぶりにのけ反ったり、思わぬ収穫もあったり、地雷を踏んだりしていました。


ウォッチャーズ  上・下巻 文春文庫  発刊:1993.06.10
ヒロイン:ノーラ・デヴォン(伯母の財産を受け継ぐ・趣味は絵画・30歳) ヒーロー:トラヴィス・コーネル(元不動産会社経営・元軍人対テロリスト部隊所属・36歳)

あらすじ
母は、トラヴィスを産んだ時に命を落とし、兄は10歳の時に水難事故で、父は14歳の時に交通事故で亡くなっていた。
海水浴で一緒に遊んでいたのに兄だけが引き波に攫われ、居眠り運転のトラックが父が運転する車に突っ込んだ時、父は即死しトラヴィスだけが生き残ったのだ。軍に在籍中もミッションの失敗で部隊が壊滅した中、1人、生還を果たすトラヴィス。そして、3年前、最愛の妻が癌でこの世を去った。
自分と関わりがなければ、妻は今も生きているのではないか……と、思わずにはいられなくて、トラヴィスは気鬱なまま故郷の山に向かった。
そこで出会ったのは、猛烈に汚れていたゴールデン・レトリーヴァー だった。信じられない程の知性を垣間見せるその犬に、「アインシュタイン」と名を付け、一緒に暮らし始める内に、1人の女性ノーラ・デヴォンに出会うのだった。

ノーラは、2歳の時に偏屈な伯母に引き取られ精神的虐待を受けながら成長。伯母から自信の一欠片まで踏み潰されていた人生を28年間も過します。重しであり鎖であった伯母が亡くなり、トラヴィスと出会って、本来の彼女を取り戻していく過程を彼が温かく手助け。
人との関係に消極的だったトラヴィスの尻を叩くのが、アインシュタイン。ノーラとの仲をひたすらとりもつ姿が微笑ましい。で、早々にノーラに惹かれていることを認識するトラヴィスの
「尼僧でもくどこうとでもしている気分」というくだりが、ほんわかとしていい感じ♪
遺伝子操作で生み出された「アインシュタイン」と、その対極にある「アウトサイダー」
禍々しいアウトサイダーですが、その奥底に流れている怒りと渇望と絶望が人間の身勝手さを糾弾していて物語に厚みを持たせています。