ジョージェット・へイヤー


素晴らしきソフィー GH01-01 MIRA文庫  発刊:2009.04.15
ヒロイン:ソフィア・スタントン-レイシー(外交官の一人娘・20歳/愛称ソフィー) ヒーロー:チャールズ・リブンホール(リブンホール家長男・26歳)

あらすじ
リブンホール家の財政は、当主であるオンバーズリー卿の長年の遊蕩三昧が原因で破綻していた。多額の遺産が運良く転がり込んできたとはいえ、天文学的な借金をどうにか清算できる道筋に乗せたのは、長男のチャールズだった。
それ以来、リブンホール家の大黒柱はチャールズが担っていた。
財政から、社交生活、家族が引き起こしたもめごと、あらゆることをチャールズが仕切った。
そんなリブンホール家に、外交官である父親がブラジルに行っている間、居候することになったソフィー。
チャールズの従妹にあたるソフィーは、リブンホール家に巣くう諸問題を、有言実行大車輪で解決しはじめるのだった。

長子チャールズのどう考えても性格不一致な婚約、次子ヒューバードの金銭トラブル、次女セシリアの結婚相手探しなどなど、ソフィーが首を突っ込んで解決に導いてます。
ソフィ、いくら何でもそれはやり過ぎ……とアイタタタ感が漂うんですが、チャールズの婚約者ユージニア・ラクストンがその上をいく嫌な言動を取ってくるので、それをぎゃふんと言わすソフィーに軍配が上がってます。
敵役のユージニアがいい味出し過ぎてるんですよね。もう、最高の当て馬。
チャールズの妹セシリアをめぐって、詩人のオーガスタス・フォーナップと堅物のエバラード・チャルベリー卿が小競り合う(?)設定もいいんですよね。
そして、ソフィーの最後の策略を、きちんとチャールズが理解しているところも、男を上げてて良かった。
アチチチシーンなどなくても十分、楽しく読了。


愛の陰影 GH01-02 MIRA文庫  発刊:2009.11.15
ヒロイン:レオン・ボナール → レオニー・ド・ボナール(小姓→被後見人・19歳) ヒーロー:ジャスティン・アラステア(エイヴォン公爵・40歳超えてる)

あらすじ
もう20年来、燻り続けていた復讐を晴らせる切り札を手に入れたのかも知れない。
エイヴォン公は、今し方、自分の手の中に落ちてきた「少年」の素性に思いを馳せた。

貴種流離譚、年の差、放蕩者改心、男装、誘拐、復讐、元愛妾の嫌がらせ、身を引く。
ロマンスの味付け要素がぎゅーぎゅーに詰め込まれている物語。
文体が古風なのもまた、いい味が出てます。
パリの裏町で、小汚い宿屋を経営している兄夫妻の虐待から逃げ出そうとしていた「少年」レオンの身も心も買い上げることになったエイヴォン公爵。
レオンを小姓に飾り立て、パリ社交界に連れ出し、復讐を抱き続けた相手アンリ・サンヴィール伯爵をつつきはじめます。慇懃無礼の鑑であったサンヴィール伯爵が、次第に壊れて暴走失墜していく様が見事に描かれてます。
そして、放蕩者として名を馳せている公爵とそれを眉をひそめて批判している周囲との不和は、レオニー(レオン)を介して解消されていくこととなります。
読者はレオニーの貴種流離譚が早い場面で分かるのですが、彼女がそのことを知るのは最後なので、下賎のものと蔑まれる度にやきもきやきもき。
公爵が、身を隠したレオニーを追いかける王道路線も用意されていて、最後まで楽しく読めた作品でした。