分別と多感 |
お42-6 |
ちくま文庫 |
発刊:2007.02.10 |
ヒロイン:エリナー・ダッシュウッド(ダッシュウッド家の長女・19歳) |
ヒーロー:エドワード・フェラーズ(大資産家の長男・23歳) |
ヒロイン:ルーシー・スティール(スティール家の次女・22、3歳) |
ヒロイン:マリアン・ダッシュウッド(ダッシュウッド家の次女・16歳) |
ヒーロー:ブランドン大佐(35歳) |
ヒーロー:ウィロビー氏(25歳) |
あらすじ
先頃、夫を亡くしたばかりのダッシュウッド夫人には、3人の娘がいた。
19歳の長女エリナーは、すぐれた知性と冷静な判断力を持ち、16歳のマリアンは姉に劣らない知性と何事においても情熱的な感受性を持っていた。そして、13歳のマーガレットはマリアンの影響を多分に受けている。
父が亡くなった後、エリナーとマリアン達は、大きな屋敷で異母兄夫妻に遠慮して暮らすよりはと、母方の親戚の計らいを頼りに引っ越すのだった。
|
エリナーが恋しく思ったエドワード・フェラーズは、異母兄ジョンの妻ファニーの弟にあたる人物で、周囲からは余りに内気なために愚鈍と思われがちです。良く知れば、好青年との評を与えられる男性。でも若気の過ちを犯してまして、本来、エリナーとお付き合いできる立場ではありません。
エリナーの分別は、なんというか小賢しい感じがして仕方がないです。エドワードもまた、もっと女性関係をすっきりとさせてから、行動すればいいのにと思わずにいられない。やるべきことを後回しにして、どこが好青年なのかと……。お坊ちゃんです。
そして、マリアンが恋しく思ったウィロビー氏は際立った美貌の持ち主の上に才気煥発。でも女癖が相当悪い男。
ウィロビー氏に夢中のマリアンを、一途に思い続けるブランドン大佐は、年の差を気にしてます。そりゃね、35歳と16歳ですもの。マリアンの母親が40歳だから、最初出会った時、父親と同年代だと思われてます。
ウィロビー氏とブランドン大佐の間には確執があり、それが明らかになった時、ウィロビー氏が事あるごとに大佐のことを貶めるような言動をとってしまった理由がわかるようになってます。ウィロビー氏の卑小さが露見するわけで、筋運びがうまいなぁと。
三角関係の2組の恋愛に家族の思惑を搦めて、物語がゆるーく展開されていきます。 |