J・D・ロブ
ノーラ・ロバーツの別名義。イヴ&ロークシリーズをこの名前で刊行してます。

Eve & Roarke Dime union

この悪夢が消えるまで イブ&ローク1 ソニー・マガジンズ  発刊:2002.12.20
ヒロイン:イヴ・ダグラス(ニューヨーク市警の警部補) ヒーロー:ローク(実業家)

あらすじ
冬の最中、デブラス上院議員の孫娘シャロンが、むごたらしく殺された。一族が華やかな仕事に就いてる中、シャロンは社会的に公認された仕事とはいえ、後ろ指さされる公認娼婦で高給を稼ぎ出していた。どうやらその最後にとった客が、犯人のようだった。捜査責任者として、ニューヨーク市警の警部補イヴは、容疑者と目される人物の調べに乗り出した。シャロンの隣人チャールズ・モンロー、殺される3日前の夜に食事をともにしていた大富豪のロークなど。容疑者のリストは、以外に短かったが、どれも決定的な証拠は、出てこなかった。デブラス上院議員の捜査に対する不当な圧力が、かかる中、第二の殺人が起こった……

性的児童虐待が事件の根本にあって、華やかな上流家庭の暗部を描いてる作品。
ああすれば
良かった、こうすれば良かったと悔やんでも悔やみきれない思いを遺族が抱く結果となっています。
イヴに興味を持ったロークが、どんどんと深みにはまっていく心情がとっても良いんです〜。少しずつ、警戒させないようにイヴを甘やかしていくのが、うっとりするくらい上手いなぁと思って。イヴが警戒してるんだけど、引くところは引いて、するりとイヴの築いた壁の内側に入り込んでくるローク。一目で、イヴが食い意地が張っているのを見抜く眼力(?)はさすが、世界経済を動かしてるだけあるわ(世界経済と関係あるのかどうかは別として) 巻が進むごとに、ますます激甘になるらしいので、とっても楽しみ♪ 


雨のなかの待ち人 イブ&ローク2 ソニー・マガジンズ  発刊:2003.05.20
ヒロイン:イヴ・ダグラス(ニューヨーク市警の警部補) ヒーロー:ローク(実業家)

あらすじ
春雨の中、咽喉を一閃に掻き切られて殺された女性。 有能な女性検事、シシリー・タワーズが殺されたのは、彼女が出入りしそうもない裏ぶれた歓楽街の路上だった。タワーズ殺害事件の主任捜査官に任命されたイヴ・ダラスは、遺族からの聞き取り調査を開始する。生きている彼女が最後に会った恋人ハメット、別れた夫マルコ、2人の子供たち。それぞれがなんらかのトラブルを抱えているのが浮き上がってくるが、殺害動機となるものではなかった。デブラス事件の解決とロークの新しい恋人という付加価値をもったイヴをC・J・モースを筆頭とするマスコミが執拗に追いかけ、彼女の神経を逆なでするのだった……。そんな中、第2の殺人事件が起こった。

成功している女性に対しての恨み辛みが、犯人の犯行動機となっている作品。
愛してるから何時も一緒にいたいし、イヴの仕事柄、彼女の安全が心配でならないローク。自分がニューヨークを離れている間も、彼の家で暮らして欲しいのにイヴは自宅で暮らしたがる。せかしたくないけれど、せかさないとこのままなし崩しの都合のいい男にされちゃうかもッとロークが思ったのか思わなかったのか定かではないのですが(笑)、ロークが行動に出ます。イヴには荒療治だったようですが、今の自分にとって何が一番、大切なのか認識することになります。まだまだ面と向かってロークに「愛してる」と言いにくい彼女が、エレベーターの閉まり際に言ったりして可愛いです。しまった後、ロークが身もだえして喜んでるんだろうなーと想像すると楽しくなっちゃいます。2人の仲が、一歩も二歩も前進しております〜。


不死の花の香り イブ&ローク3 ソニー・マガジンズ  発刊:2003.09.20
ヒロイン:イヴ・ダグラス(ニューヨーク市警の警部補) ヒーロー:ローク(実業家)

あらすじ
イヴはロークとの結婚式で、親友メイヴィスの恋人であるデザイナーのレオナルドがデザイン・縫製するウェディングドレスを着ることがいつの間にか決まっていた。日頃のメイヴィスのファッションを間近に見ている身であれば、着る本人も横に並ぶロークも少なからず、戦々恐々としていた。
そんな中、イヴの情報屋が顔面をたたきつぶされ殺害された。彼はどうやら違法な薬と何らかの関わりがあったらしい。そして、レオナルドが以前付き合っていたスーパーモデルのパンドラも同様の手口で惨殺されたのだ。それも、レオナルドのオフィスで。そして殺害現場にはメイヴィスがいた。
メイヴィスが犯人でないことはわかっている。イヴは親友の容疑を晴らす為、真犯人を追いかけるのだった。

一匹狼のような生き方をしていたつもりのイヴ。30年生きていれば、守りたい関係はいつのまにやら出来ていて、それを奪い取ろうとする者に対して、昂然と立ち向かっていく姿勢は強いです。
今回、イヴの中で封印されていた幼少期(8歳まで)の記憶が悪夢となって彼女に突きつけられます。
イヴの凄惨な過去の出来事と、ロークとサマーセットが共有している取り返しのきかない過去の痛み。犯人が殺人を連続して起こし、そして繰り広げられる結婚狂騒曲。読みごたえのある緩急のついた作品となってます。
あぁ、私も美容師トリーナに全身マッサージをして貰いたいです〜。ホント、気持ち良さそうなんだもの。