ケイ・フーパー (別名:ケイ・ロピンス

クリスマスの幽霊 「クリスマスの恋人たち」所収  PHP研究所  発刊:1993.12.17
ヒロイン:アントニア・ウィンゲイト(令嬢/愛称トニー) ヒーロー:リチャード・アラートン・リオンシャル(公爵)

あらすじ
2年前、アントニアは、リチャードとの婚約を一方的に破棄した。リチャードからの「なぜ」を一切無視し、届けられた手紙は開封もせず送り返した。
今年の社交シーズンが始まってからは、アントニアは招かれたパーティでリチャードと会う機会が増え、どちらも慇懃無礼に会話を交わしダンスまでしたのだった。そして、クリスマスを目前に控えた今、祖母のホームパーティに招待されたのが自分たち母娘だけでなく、リチャードもだと知り顔色を失った。
その上、アントニアとリチャードだけが城の改築されたばかりの南翼棟にて泊まる手配を整えたというのだ。祖母は、一体何を考えているんだろう……

リチャードがアントニアに、
「僕は君を口説こうと必死なんだよ、今度も」と耳元で囁くあたり、大人の余裕があるというかないというか……素敵♪(笑)
一世紀前の幽霊達の恋愛を目前に見せられて、赤面して動揺するアントニアが可愛い。まだ21歳で(リチャードは35歳)、とても純粋なところをリチャードの元愛人ダルトン夫人につけ込まれて、2年前に婚約破棄に至ったのはさもありなんでした。
アントニアが、その受けた傷を告白する場面は、涙ぐんでしまいます。粉々に壊された二人の間の信頼(アントニアからリチャードへの)が、甦るのかどうかがあるんですが……リチャード、まずはなんとか結婚しようと誘惑作戦邁進中。
一世紀前の恋人達の恋愛は、悲劇で幕を閉じるのですが、アントニアとリチャードは再度、築き上げていき幸せな気分に浸れる作品。


シャドウ・ファイル/覗く NVフ-30-1  ハヤカワ文庫NV981  発刊:2001.05.31
ヒロイン:カサンドラ・ニール(超能力者/愛称キャシー) ヒーロー:ベン・ライアン(地方検事・36、7歳)

あらすじ
南部の田舎町の地方検事であるベン・ライアンを予約もなしにキャシー・ニールという女性が訪ねてきた。普段なら、有能な秘書がその手の人々をうまくあしらい、ベンの前にまで行き着くことはない
。しかし、来訪を告げる秘書の声には、彼女のために時間を割いてあげて欲しいと懇願するような響きが籠っていた。
部屋に通され、目の前に現れたその若い女性は、背負うにはあまりに重過ぎるものにあえいでいるようだった。
だからなのか、ベンの口から出た挨拶は、無意識の内に普段とは違う優しく気遣う声音となっていた。
物腰の柔らかな彼と視線をはっきりと交わすのを避けるかのように、目を伏せているキャシーの口から出たのは、 不愉快で驚くべき言葉だった。
「殺人事件が起きるわ」

とうの昔に付き合いがきれていた伯母が亡くなり、その遺産がキャシーに遺されたため、彼女は南部の田舎町ライアンズ・ブラフにやってくることとなります。それから6カ月間、田舎町でひっそりと暮らしていたキャシーが感じたのは、異常性格者が殺人を犯そうと決めた意志。
そのことを町の保安官に相談し、素気なく無視された後、検事であるベンに話をもっていくこととなります。超常現象を信じない保安官と懐疑的な検事に対して、キャシーは、真実を告げるのみという静かな態度で接していくこととなります。その静かさが、今まで彼女が歩んできた道の険しさを物語っていて、切ない。
そして為す術も無く、短期間に連続で起きる殺人事件。
他人の強い思考を何でもかんでも受けとってしまうキャシーは、人と接することを極力、避ける生活を送っています。しかし、心ならずもベンに惹かれている自分に気付いた時に、亡くなった伯母から手紙をうけとります。そこに書かれていたのは、
「何が起きようと、ベン・ライアンには近づいてはだめ。彼はあなたを滅ぼすでしょう」
陰惨な殺人を起こしているのは誰?
予知能力のあった伯母からの手紙は一体、何を伝えたいのか?
誠実で有能な検事でありながら、女性との付き合いだけは最低というベンとの恋愛の行方は?
それにしても、直情径行な保安官の可愛さとか、ぽろっと書かれるベンの嫉妬に萌えたvv(←特に「ノア・ビショップ」に対する嫉妬)


シャドウ・ファイル/潜む NVフ-30-2  ハヤカワ文庫NV986  発刊:2001.07.15
ヒロイン:フェイス・パーカー(アトランタ市役所の建築審査・都市計画部の職員・28歳) ヒーロー:ケイン・マグレガー(地方検事・35歳)

あらすじ
気鋭のジャーナリストであるダイナ・レイトンとの付き合いは、親密なものになってからまだ4ヶ月程度だったが、ケインにとって重要なものになりつつあった。できれば、一緒に暮らして、永続的な関係に持って行きたいという気持ちが、日増しに大きく膨れ上がっていく。
しかし、残念なことにダイナの方はそうではないらしい。2人の間の絆はどんどん深くなっていくのに、ほんのちょっとした未来の約束すらしたがらないのだ。独立独歩をいく、彼女にすれば束縛されると感じるからなのだろうか……。
互いが抱く気持ちの温度差を気にしながらも、ケインはダイナの意を優先した。
しかし、大スクープになるかもしれない取材をかかえていることを仄めかしていたダイナが失踪し、ケインは死に物狂いでその行方を追おうとするのだった。
ダイナに繋がるかもしれないとようやく掴んだ糸の先にいたのは、交通事故に遭ったせいで、記憶の何もかもを失ったフェイス・パーカーという赤毛の華奢な女性だった。

車が堤防に激突した際に、頭部を強打したらしいフェイスは、記憶喪失におちいってます。
フェイス・パーカーという市役所職員であった自分のことは何一つ思いだせないのに、甦ってくる記憶は、「ダイナ・レイトン」という失踪直前の彼女の身にもたらされたものばかり。番犬に襲われ、ひどい拷問を受けてるダイナの中にいるフェイス。
そして、あろうことかダイナの声までもが、頭の中に聞こえてくることとなります。
ダイナ・レイトンが何故、失踪したのか。犯人の目的は一体、何なのか。
フェイスは、ダイナの恋人であるケインとともに、謎を解明しようと動き出すこととなります。
そんな状況の中、 ダイナが失踪して2ヶ月しか経っていないのに、他の女性(フェイス)に気持ちが傾き出していることに対してのケインの罪悪感。
自分の言動が原因で、友人ダイナが残酷な死に方をしたと判明するにつれ、フェイスの罪悪感は増しながらも、一人残された恋人のケインに対して惹かれていくのを抑えることができないフェイス。
しかしながら、2人の逡巡が深く掘り下げられて書かれているわけではなく、どちらかというダイナの失踪事件と、フェイスの過去をからめての犯罪の真相について、描かれています。
前作にも登場したノア・ビショップは、今回はケインの大学時代の友人として助言したり支えとなっております。


シャドウ・ファイル/狩る NVフ-30-3  ハヤカワ文庫NV990  発刊:2001.09.30
ヒロイン:ミランダ・ナイト(グラッドストーンの保安官・8年前に両親と真ん中の妹を連続殺人鬼に惨殺されている/本名ミランダ・エレイン・ドールトリー) ヒーロー:ノア・ビショップ(FBI特別捜査官)

あらすじ
この8年間、ずっと探し続けていた女性が見つかった。
ビショップは、一年半前から、その女性ミランダがもうすぐ見つかるだろうという予知視を告げてもらっていた。少しでも早く出向いて、ミランダの存在を確認したい。
使える限りの権限を駆使し、ジェット機を飛ばして、彼の地に出向いたビショップの前に、ミランダはいた。
十代の少年少女が犠牲となった猟奇的な殺人事件が2件起こったグラッドストーンで、彼女は保安官となっていた。
ミランダと再会して話をすることができれば、8年前、自分が与えた傷などすぐに癒せるだろうと、都合のいい幻想に抱いていたことを思い知らされるのだった。
そう、彼女は自身の能力を最大限に駆使して、ビショップを締め出していたのだ。

満を持して、ノア・ビショップがヒーローとして登場。
8年前、傲岸不遜だったおかげでビショップは手痛いミスを犯すこととなります。その8年前の事件が、現在起きている陰惨な連続殺人事件の本筋に添って、小出しで語られるもどかしさ。
あのビショップがどんな失敗を仕出かしたのか知りたくて一気読み。
本筋の連続殺人は、調査していくにつれ、地元だけでなく周辺地域にも十代の少年少女の行方不明者が多発していることが明らかになっていくこととなります。
そんな中、ミランダが必死になって守ろうとしている妹ボニーを狙っている影が現れてと、緊張感の増す展開となります。
ビショップとミランダの仲は、彼女の周囲を粘り強く離れずにいたビショップに軍配が上がるのは当然のことですかねー。なんというか、肘鉄をくらっても、くらっても退散しないその執着のあり方が可愛らしい。部下である他のFBI捜査官に揶揄されて、ムッとしているビショップは見物です。


あやつられたスケッチ F-フ8-1  ヴィレッジブックス  発刊:2005.03.20
ヒロイン:マギー・バーンズ(シアトル警察勤務の似顔絵画家・31歳・感情感知能力を持つ) ヒーロー:ジョン・ギャレット(実業家・妹が連続レイプ犯の2番目の被害者となる)

あらすじ
妹クリスティーナが、連続レイプ犯の餌食となった。一命はとりとめたものの、酸で顔を焼かれ、目は失明した。
クリスティーナは身体ばかりか、精神的に傷つききっていたけれど、それでも未来に向けて、力強く生きようとする気概を持っていると感じていたのに……自殺してしまった。
そして、妹を自殺に追い込んだレイプ犯の犯行は続いている。
ジョン・ギャレットは、その獣に復讐をしたかった。
財力と権力と地位を利用して、ジョンは捜査本部に日参していた。
まずは、妹と最後に言葉を交わしたシアトル警察の似顔絵画家マギーに、どうしてもその時の様子を直接教えて欲しい願うのだった。

科学的に根拠がないものは、信じないというのが信条であるジョン。
その割りには予知視能力を持つ友人がいたり(信じていないけど)、本人自身が鋭い直感の持ち主であったりします。
対してマギーは、18歳の頃から自分の能力を磨いて『ある対決』に備えようとしています。
連続レイプ犯を捕まえる為に、命を削るようにのめり込んでいるマギー。
マギーの誠実な姿勢と、その能力を目の当たりにして、科学的には説明できない「能力」を認めていくジョンは、当然のことながら彼女に惹かれていくこととなります。
ロマンス的には、あっさりと寄り添い出す2人ですが、なかなかお似合いさん♪
猟奇的な犯行が、実は70年以上前におこった事件と酷似していることが明らかにされていく中、被害者は増え……ということで、かなり陰惨で血なまぐさいシーンが克明に描写されるので、苦手な方はご注意を。


ささやきの囚われ人 F-フ8-2  ヴィレッジブックス  発刊:2006.01.20
ヒロイン:ネル・ギャラガー(FBI捜査官・29歳・幻視能力を持つ) ヒーロー:マックス・ターナー(牧場主・ネルの元恋人・34歳)

あらすじ
ネルが12年前に捨て去った故郷サイレンスで、男性ばかりが殺される連続殺人事件が起きていた。
善良な一般市民が、事故で亡くなったのだと思われていたのが、捜査を進めると、殺害されたのではないかと思われる証拠が上がってきたのだ。そして被害者達には、共通して後ろ暗い秘密があったのが、その死後、世間に暴露された。
サイレンスは、彼女にとって2度と戻りたくない地だったが、問題の根源であった父アダムは先日、心臓発作を起こして亡くなっていた。その遺産処理をするというのを表向きの理由にして、ネルは捜査のために故郷に足を踏み入れるのだった。

12年前、卒業ダンスパーティの夜に、故郷を飛び出したネル。彼女と一緒に参加することを楽しみにしていた恋人マックスに一言の相談も、書き置きも無いままの出奔です。
その後12年間、何の音沙汰もなかったネルが、いきなり町に現れて、マックスは驚きます。
ぎこちなく顔を会わせる二人。そのぎこちなさの原因が何であるかが、ゆっくりと明かされていく展開となってます。
「ギャラガーの呪い」と称されるネルの特殊能力が見せる幻視は、一体、何を示すのか。
連続殺人事件の犯人の目的は一体、何なのか。
被害者達に共通するのは、ネルの姉ヘイリーとベッドを共にしていたこと。それは、何か関係があるのか?
……捜査もロマンスも淡々と展開されて、盛り上がりに欠けてる感があります。


赤き手の狩人 F-フ8-3  ヴィレッジブックス  発刊:2009.01.20
ヒロイン:イザベル・アダムズ(FBI捜査官・31歳・透視能力を持つ) ヒーロー:レイフ・サリヴァン(ヘイスティングス署長・36歳)

あらすじ
田舎町ヘイスティングスは、3週間前までは何の変哲もない町だった。
それが今では、マスコミのリポーターたちがこぞって何かを特ダネを得ようと警察署に群がってきていた。
ブロンドのキャリアウーマンが3人もむごたらしく惨殺されたのだから、当然のことといえた。
この連続殺人事件の犯人を捕まえるために、ヘイスティングス署長のレイフ・サリヴァンはFBIに犯人のプロファイリングを要請するのだった。

ヘィスティングスに派遣されてきたFBI捜査官は2名。その内の一人、ホリス・テンプルトンは、「あやつられたスケッチ」での被害者。あの悲惨な事件からまだ6ヶ月しか経ってないという設定になってます。ホリスの精神的な面における驚異的な回復を、マギー・バーンズが手助けしたという記述が何回か出てくるのが嬉しかったり。
今回の陰惨な事件の犯人探しもさることながら、善良な田舎町に住む善良な人々が裏ではどんな「秘密」を持っているのか?ということが白日の元に明かされていきます。暴いていくのには力が発揮されるんですが、肝心の犯人探しはなかなか進展しておりません。
終始、地道な捜査が続いてます。
レイフに対してイザベルとホリスがする能力の説明もかなり細かいです。
イザベルは透視能力を、ホリスは死んだ人と交信できる霊能力を持っているのですが、超能力はあまり役立ってないようなあるような。
イザベルとレイフの間で巻き起こる静電気のショーは、周囲の人間が驚くほどのものだったらしいです。火花がバッチバッチ。ロマンスの香りは火花の話をしているときぐらいしかなかったり。


ラプンツェルの秘密 フ34-1  扶桑社ロマンス  発刊:2007.05.30
ヒロイン:ララ・キャラハン(イラストレーター/本名ララ・メーソン) ヒーロー:デボン・シェーン(FBIの覆面捜査官)

あらすじ
ララの父親は政府からの依頼で最新型のコンピューターを設計していた。
しかし、どうやら機密漏洩があるらしく、調査をしていた矢先、父親が惨殺されてしまった。ララの身も危ないと判断され、FBIの保護プログラムの管理の下で暮らすこととなるのだった。
一年が過ぎ、ララは自分が置かれている状況に焦燥感を抱き始めていた。安全であったとしても、他人の名前で暮らしていくことに、強い疲れを感じていたのだ。
気分転換も兼ねてララは、役者の応募を新聞広告にだしていた劇団の面接をうけることにした。
そんなララの前に現れたのは、魅惑的な声の持ち主デボンだった。

父親を殴殺したのは誰か?、機密漏洩をしたのは誰か?
謎解きを搦めながら、ララとデボンのロマンスが進行。
ララの飼い猫「チン」 の芸達者ぶりは惚れ惚れ。
ララの愛情を信じられなくて、ちょっとしたことで不適切な言動をしてしまうデボン。彼は、ララが特殊な状況下にあるから、自分を選んだのではないかと不安にかられています。

そんなデボンに対して、誠実、真摯な態度で接していくララ。又、彼女は、FBIの保護下という牢獄で安穏とすることを選ばず、父の命を奪った組織に対決していくこととなります。


恋人たちのゲレンデ フ34-2  扶桑社ロマンス  発刊:2008.08.30
ヒロイン:CJ・アダムス(歴史に関する学術研究員・26歳/本名クレメンタイン・ジョゼフィーヌ/愛称ティナ/東海岸随一のコンピューター産業のオーナー ヒーロー:フェイト・ウェストン(弁護士)

あらすじ
20年来の幼馴染み6人組が今回、集まったのはキャシーの結婚式のため。キャシーが結婚すれば、独り身なのはCJただ一人。
幸せをおすそ分けしたい他の5人達は、CJの全くもってお粗末な社交生活をなんとかしよう、できればロマンスのお膳立てもしようと向かってきた。
あまりの猛攻に閉口と反発をしてしまったCJは、つい衝動的な行動をとってしまった。
通りすがりに目があった男性を自室に引き込んで、恋人にでっち上げてしまったのだ。

CJに恋人役を振り当てられたフェイトが、最初は面白半分でその企みにのりかかるのですが、辻褄の打合せをしている内に、彼女こそ唯一の伴侶だと気付き頑張ります。
ロマンスにとんと興味のなかったCJを目覚めさせるために、フェイトは彼女をからかったり、怒らせてみたり。フェイトに対する気持ちが何であるかを、真正面から見つめて答えを得ていくCJは、大きく動揺したりと、初心というかキラキラな恋愛経験をしていきます。
CJの幼馴染み達と、その夫&婚約者の猛攻(立場は溺愛している末の妹をとられた兄ちゃん'S)に耐えているフェイトが格好いい。