ケリー・アームストロング


わたしを愛した狼(上下) ア7-1 扶桑社ミステリー  発刊:2006.04.30
ヒロイン:エレナ・マイクルズ(ジャーナリスト・後天的な人狼〈人狼になって10年〉・30歳) ヒーロー:クレイトン・ダンバーズ(人類学者・37歳?/愛称クレイ)

あらすじ
把握しているだけで、世界に人狼は35人。
クレイが属する群れの数は、リーダーのジェレミーを筆頭に7人だった。ジェレミー達は安定した勢力を保っていたが、ここ最近、群れが棲息する周辺地で、はぐれ狼がなにやら騒動を起こしていた。
はぐれ狼を探査し、排除する道をつけることが、一番うまくできる人狼が、群れから飛び出したまま帰ってこないのが一つの要因になっているのかもしれない。
1年前に群れから出奔したまま戻ってこない探査が得意なエレナ・マイクルズは、35人いる人狼の中のただ1人の女性で、後天的な人狼だった。
恋人のクレイに噛まれたことで、人狼と成り果ててしまったのだ。
エレナが自発的に戻ってくるまで、後を追いかけるなというジェレミーの厳命を、死にたくなるほどの思いをしてクレイは守っていた。

エレナ視点で物語が進行するので、クレイの心情は詳しくは描かれません。
けれども、エレナ視点で語られるクレイの言動からは、彼女に対する愛情がもうだだ漏れ状態。未来永劫自分のものにしたいと彼女を噛むぐらいなので、妄執の域に達してます。
群れから離れて生きていくことを勝手に決めたエレナが、1年前に出奔した時、
「去年、きみが行ってしまったとき、地獄のような思いをした」
エレナが群れに戻ってくるのを祈るような思いで、待ち焦がれ続けたクレイ。
彼が噛んだことで人狼となったエレナとの間には深い精神的絆ができています。
彼女の考えが多少以上に読み取れただろうクレイにとって、群れに帰る気を全く起こさない程の拒絶はさぞ堪えただろうとクレイの煩悶振りを妄想し出すと、もう、なんだか嬉しくなっちゃった。
ジェレミーの招集命令に彼女が渋々、戻ってきた時、クレイは、一日中、門の前に座り込んでいまか、いまかと待ち続けてます。
サラリと書かれてはいるのですが、幼女時代に両親を交通事故で亡くしたエレナが、その後、成人するまでに歩むことになった性的虐待の道はかなり厳しいものがあるので、苦手な方はご注意を。