リサ・マリー・ライス


真夜中の男 ラ9-1 扶桑社ロマンス  発刊:2007.11.20
ヒロイン:スザンヌ・バロン(インテリアデザイナー・28歳?) ヒーロー:ジョン・ハンティントン(セキュリティ会社社長・元海軍特殊部隊中佐・38歳)

あらすじ
ともかく今はまだ、しない。
ジョンを部屋に迎え入れたことにすら怯えを感じているらしい彼女に、何の心配もいらないと親密に耳元で囁きたいが、そんなことをすれば、借りたいオフィスも彼女も手に入らない。
7時間前、顧客となるかもしれない企業の重役連中とのゴルフをしながらの打合せ中に、テロリストに襲撃されたジョンは、2人を殺害し4人に怪我を負わせ撃退した。
身体も脳も、興奮状態にある中、新しくオフィスを借りるために貸主であるスザンヌ・バロンに会いにやってきたのだ。彼女は、ジョンが今までに見てきたなかで一番、美人だった。濃い蜂蜜色の金髪、薄い水色の瞳、抜けるように白い肌。
ジョンの体は完全に彼女を手に入れる戦闘態勢に入った。

ジョンがどれだけスザンヌに惚れ込んでいるかが、頁を繰るごとに煩悩妄想垂れ流しで語られてます。軍隊を除隊した後、設立したセキュリティ会社も順調に急成長中という順風満帆の状況にあるジョンが、スザンヌのためなら、その生活を捨てることに躊躇していません。
少し、我慢をすればインテリアデザイナーとしての仕事に就けると彼女の未来にばかり、心を配っていて格好いい。


闇を駆けぬけて ラ9-4 扶桑社ロマンス  発刊:2008.05.30
ヒロイン:ジュリア・デヴォー(ボストンの編集者・1977年生れ・殺人現場を目撃し証人保護プログラムによりアイダホ州で小学校教師サリー・メイ・アンダーソンになる) ヒーロー:サム・クーパー(競走馬の牧場主・元海軍将校・元SEAL/愛称クープ)

あらすじ
サリー・アンダーソンの豊かな表情は見ていて飽きなかった。
別れた妻メリッサから、石のような顔と言われ続けていたクーパーとは正反対だった。笑顔の彼女はまばゆいばかりに美しかった。これで、赤毛だったら、一生、彼女の虜だ……。

赤毛の美女に滅法弱いクーパーの赤毛論議(心中問答)が楽しい。
マフィアの大ボス自らが手を汚した殺人現場を目撃したために、証人プログラムの保護下に入ることになったジュリア。見事な赤毛を意に染まぬ茶色にしてます。髪の色が染めたものであることを知った時のクーパーの喜びようというか万感の一言 (笑)
「君、赤毛なんだ」
裁判で証言させないために、この世から抹殺しようと大ボスがジュリアの首に百万ドルの懸賞金をかけたことから、彼女は怯えて暮らす生活をおくってます。そんな不安な日々に突如現れたクーパーの、強さ、安定感、充足感にジュリアは溺れてます。クーパーも又、ジュリアに溺れきっていて、2人の幸せな日々に、暗殺者が忍び寄ってくる展開でロマンスが変化していく作品。
寂れた街も、しょっぱい人間関係も、ジュリアのおかげで全て解決!!という結末に大満足。


クリスマス・エンジェル ラ9-6 扶桑社ロマンス  発刊:2010.11.10
ヒロイン:ニコール・キャロン(アメリカの外交官・31歳) ヒーロー:アレッサンドロ・デラ・トーレ(イタリア外務省勤務・35歳/情報・民主主義保安庁<SISDE>の諜報部員)

あらすじ
外交官としての仕事はやりがいがあって面白く、順調にキャリアを積み上げていくうちに、ニコールは異性とのお付き合いから、とんと遠ざかっていた。これからもそんな仕事漬けの日々が続くものと思っていた彼女の前に現れたのが、アレッサンドロだった。
初めてあった時から夢中になり、気もそぞろな仕事の時間を除いては、ただひたすら寝食を共にした。 そんな生活を一週間過ごした後に迎えたクリスマスイヴに、彼は忽然とニコールの前から姿を消した。
……玩ばれていたのだ。

失恋の痛手に泣き暮らし、なんとかその痛手を封印するのに1年間かかったニコールは、新しい赴任先、ナポリにやってくることに。そして、クリスマスイブの日に、彼女の目の前にあらわれたのは……。
圧倒的に頁数が足りないので、どうにもこうにも身体の相性で何もかも解決っっ!!という展開になってます。単なる痴話喧嘩の仲直りじゃないんだから。


外の作品のあらすじは以下。

「ジェサミンのクリスマスの贈り物/N・J・ウォルターズ」
スイーツ店経営&パティシェのジェサミン・パーカーと新任保安官のケレイブ・モーガンとのロマンス。
ジェサミンは、一年前のクリスマスイブに、恋人だったベネット・アンダーソンから捨てられた。その一部始終を新任の保安官ケレイブは目の当たりにしていた。
そして、この一年間、何かにつけケレイブが労ってくることに、ジェサミンは苛立っていた。

「ラブ・ミー/ベラ・アンドレイ」
ファッションデザイナーのジャニカ・エリスと救急医師のルーク・カーソンとのロマンス。破天荒娘と堅物男との恋愛。ルークの双子の兄トラヴィスがジャニカの姉リリーと結婚。


危険すぎる恋人 ラ11-1 二見書房  発刊:2009.03.20
ヒロイン:キャロライン・レーク(書店オーナー・名家の令嬢) ヒーロー:ジャック・プレスコット(元陸軍・セキュリティ会社の後継者・31歳)

あらすじ
12年前まで、ジャックはホームレスの父親に連れ回されあちこちを転々とする暮らしをしていた。その頃、ベンと呼ばれていた彼の唯一の楽しみは、シェルターを訪れて、慈悲の手を差し伸べてくれる一人の少女の存在だった。
キャロライン・レーク
彼女が差し出してくれるものなら何でも受け取りたかった。彼女が身にまとっている薔薇の香りですら、彼にとって生きるよすがとなった。
少女だった彼女は大人になり、結婚して、子どもも生まれているに違いない。一目、その姿を見て、過去と決別しようと、雪嵐が荒れ狂う中、サマービルにやってきたジャックに、願ってやまない都合のいい噂が耳にはいってきた。
それは、キャロライン・レークが未だ独身で、たった一人身内である弟を2ヶ月前に亡くし、クリスマスを前にしてつらく寂しい思いをしているというものだった。

ジャックが、ひたすらキャロラインに対して盛ってます。
超弩級のめろめろぶり。
12年越しの恋情がどっしりと溢れかえってます。どれだけ彼女のことを自分のものにしたかったか、滔々と。あそこが隆起しっぱなし。
2人のロマンスは、アフリカの悲惨な紛争地帯シエラレオネでのダイヤモンド原石に端を発した惨殺事件などをからめて展開してます。
キャロラインとジャックのロマンスは問題なしだったんですが、どうしても気になるのが、ダイヤモンド原石のオチのつけ方。
その原石が原因でシエラレオネで女子どもが惨殺されているんですよね。村民全て銃殺。だから、ジャックが、その原石を自分のものにしないのは当然の結末。
で、どこに寄付するかというとホームレスだった頃に自分が世話になったシェルターを支援していた団体にするんですよ。
ちょっとそれっておかしくないですか。アメリカのホームレスの子ども達が不幸な立場にあるのは理解できるけれど、その原石がもたらした利益は、シエラレオナの扮装で犠牲になっている女性、子ども達にこそ、受け取る権利があると思うんですが。
エピローグを読んで、一気に興ざめ。読むまでは良かったんだけどなぁ……。


眠れずにいる夜は ラ11-2 二見書房  発刊:2010.01.15
ヒロイン:チャリティ・プルウィット(図書館司書・28歳) ヒーロー:ニコラス・エイムズ(株式仲売人・34歳・通称ニック/本名ニック・アイルランド・国土安全保障省特別捜査官)

あらすじ
チャリティが12歳の時、 両親がホテル火災で亡くなった。その後、面倒を見つづけてくれた伯父夫婦が、老いて助けを求めた時、チャリティは彼らの元に駆けつけた。準備万端だったパリ留学を放り出して、バーモント州の片田舎パーカーズリッチの図書館司書として生活を始めたのだ。
あの時の決定を後悔したことはないが、それでも異性との出会いに乏しいのは寂しい限りだった。
でも、ノーベル賞をとってもおかしくないと世間では目されている有名なロシア人作家、ワシーリィ・ウォロンツォフがこの地に居を構えてからは、チャリティの社交生活も多少は華やかな時ができた。ワシーリィが催す音楽会やパーティに招待され、そこで交わす会話は心弾むものだったから。
そして、今、どうしても視線がいっては仕方のない男性が、図書館に立っている。ニコラス・エイムズと名乗ったその男性は、チャリティにこの地域に投資するために視察するとなるとどの事業または地域が良いかと助言を乞うてきたのだ。

ニックとチャリティのアッチチが、そこかしこに描かれてます。一目ぼれしあった2人が出会って数日で結婚してます。ただし、ニックは覆面捜査の真っ最中、身分詐称の真っただ中。大問題なのですが、チャリティを守るためにはもう何でもありという思考の上で、行動してます。
国際テロリストの親玉であるワシーリィ・ウォロンツォフを捕えるためには、形振りなど構ってられない状況なので仕方はないのですが、騙されたと知った時のチャリティの気持ちはいかほどか。
でも、ま、「生きていてくれた」という強い安堵感に浸ってしまったから、騙されたっっと怒るだけの気力が既になかったようなのが良かったかも。
ワシーリィの婚約者カーチャ・アマルトワが強制収容所で殺された状況が凄惨なだけに、テロリストとして闇に君臨する彼の非情さが物悲しい。


闇の恋人(『シークレットはじまりは嵐のように』所収) ラ31 ソフトバンク文庫  発刊:2009.06.29
ヒロイン:イザベル・サマービー(テレビ局員・書評家・26歳) ヒーロー:ニコラス・リー(経歴不肖の大富豪)

あらすじ
ニコラス・リーは、イザベル・サマービーのことなら、何でも知っていた。
経歴、交友関係、生い立ち、係累に到るまで。
2週間前、ニコラスが自分のことが書かれているのかと思った本を紹介している番組で、著者と話しているのを見た時から、彼女の全てが欲しかった。
でも、手に入れられるのはたった2週間だけ。
それ以上、側に留めておけば、商売敵に消されてしまうに違いなかった。

4作家の競作集で、この作品が一番良かった(外の作品が私的には今一つかてんでダメ)。
嗜好が全くあわなかったのが吸血鬼カップル。上司とは寝ないと口ばっかりヒロインは今一つだった表題作、設定はときめいたけれど、ヒーローは手を出さないでいて欲しかった。結局、これって不倫だよね?というヒストリカルもの。

外の作品のあらすじは以下。

「はじまりは嵐のように/B・J・マッコール」
大荒れになった天候のため、空港で足止めをくらったスミス・ワイルディングは、混みあったバーの中でジョーンズと名乗った妙齢の女性に心惹かれ、熱い一夜を過ごす。
彼女と自分は特別な絆があると感じたのは、自分だけだったのだろうか……目覚めた時、スミスはベッドに一人取り残されていた。

「ハンターにくちづけを/アンジェラ・ナイト」
吸血鬼もの。転生もの。出歯亀もの。

「レディのたくらみ/デジレ・リンゼー」
結婚してから8年。クリスタル・ハルバートン伯爵夫人は、子どもができないために、愛する夫フレッドから見捨てられようとしていた。
そして、あろうことか、フレッドは夫妻の友人であるニコラス・サマーに子どもを授けてもらえるよう頼めと、提案してきた。
決して首を横にしか振らないクリスタルに、切々と懇願までしてきたのだ。