ロレッタ・チェイス


灼熱の風に抱かれて  二見書房  発刊:2007.11.25
ヒロイン:ダフネ・ペンブルック(未亡人・カイロ在住・亡くなった夫は言語学者・28歳) ヒーロー:ルパート・カーシントン(ハーゲイト伯爵の四男)

あらすじ:カーシントン兄弟シリーズ四男篇
兄マイルズがダフネのために手に入れてくれたパピルスは完璧だった。こんなに美しく彩色されたヒエログリフはいままで見たことがない。
パピルスが手元にきてから、ダフネはその解読にただひたすらのめりこんでいた。マイルスが拉致されたと、忠実な下男が命からがら逃げ延びて戻ってくるまでは。
マイルズを救出してほしいと、エジプトの総領事に頼み込んだダフネに、この問題に対処できそうな人物はいまのところ、この男しかいないと、ハーゲイト伯爵の四男坊であるルパート・カーシントンが紹介された。
ダフネから見た彼は……ウドの大木、威勢がいいだけの男にしか見えなかった。

マイルズ・アーチデイルを救出するために、ダフネとルパートが船旅&遺跡巡りをする物語。
拉致されたマイルズを救出するためにダフネが奔走し、傍らには彼女を助けるために放蕩者であるルパートが寄りそうお話しなのですが、うーん、微妙。
まず、マイルズを拉致したグループと横取りしようとしているグループの見分けがつかない。
救出作戦をしているダフネ一行は、何故だか遺跡巡りを頻繁にしてます。まぁ、水や食料の補給のために船を停泊しなければならない、それには時間がかかる、その間に遺跡巡りをということなんですけどね。でかける度に、トラブルに見舞われてます。
あと遺物売買をしていた商人が殺された際にダイイングメッセージを残しているんですけど(「ラムセスをさがせ」)、そのメッセージがどこで生かされたのか読み拾えなかった……。
ぎゃーす、読み飛ばし過ぎたのかーーーっっ。
ルパートも考えるより先に身体が動いてしまうタイプらしく(下半身事情もそうだった)、腕力勝負に出ることが多いです。と言って強いとは言えず、昏倒すること数回。
ヒエログリフの解読に才能を発揮しているのは、実はマイルズではなくダフネだという事実があるのですが、それもあんまり生かされてないような……。
ロマンス的見地から言うと、亡くなった夫から受けた仕打ちに萎縮してしまっていたダフネが、ルパートの包容力に女性としての魅力を花開かせるという作品となってます。
メモ:カーシントン兄弟(長男ベネディクト、三男アリステア、四男ルパート、五男ダリウス)


悪の華にくちづけを  二見書房  発刊:2008.10.20
ヒロイン:ジェシカ・トレント(亡くなった父は准男爵・ゆくゆくは骨董店を営む予定・27歳/愛称ジェス) ヒーロー:セバスチャン・レスリー・ガイ・デ・アス・バリスター(第4代デイン侯爵・ブラックムーア伯爵・ラーンセルズ子爵・33歳/通称ベルゼブブ卿)

あらすじ
フィレンツェの由緒正しきウズィンニョーロ家が伝えてきた容貌は、ここ英国の地においては、ただ異形なだけであった。セバスチャンは、周囲の誰もが、目を背け、果ては蔑んでくる容貌をもって育つことになった。傷ついた心を固い殻で覆い隠して長じた彼は、今や、「史上まれにみる極悪人」として勇名をとどろかせていた。
父が破産寸前にまで傾けた領地を、あっというまに立て直し、その後、有数の資産家にまでのし上げた。そして、パリで放埒の日々を飽くなきまでに過ごしていた。
そんな彼の前に現れたのが、ジェシカ・トレントだった。パリの骨董店で出会った時、彼女がそこに陳列している商品であったなら、値段もきかずにその場で買い取ってしまっていたに違いないほどに、セバスチャンの心を鷲掴んだ。

ジェシカが、オトコマエというか、姉さん女房的なヒロインでありました。その言動ぶりたるや格好よすぎるー。
セバスチャンが、ジェシカを恥ずかしがらそうと、骨董店で色好みの仕掛けがしてある懐中時計の説明をするんですけどね。ジェシカ、全く顔色を変えず。後はもう、なんとか彼女の気を引こうと躍起になっている悪ガキという様相をていしてます。
セバスチャンてば、好きな子をつい度が過ぎるほどいじめてしまう男の子。
誰からも愛情を注がれることなく大人になってしまったセバスチャンが、ジェシカにすがっていく物語となってます。
ジェシカの度量の広さが、セバスチャンにも波及していくのが読んでて気持ちがいい。