スーザン・エリザベス・フィリップス


あなただけ見つめて F8-7 二見文庫  発刊:2007.01.15
ヒロイン:フィービー・ソマヴィル(シカゴスターズの暫定的なオーナー・33歳) ヒーロー:ダン・ケイルボー(シカゴスターズのヘッドコーチ・37歳)

あらすじ:シカゴスターズシリーズ
18歳の時に、家を飛び出してから一度も踏み入れたことがなかったシカゴに、フィービーが渋々戻ってきたのは父親であるバート・ソマヴィルの葬儀に喪主として参列するためだった。
バートは、自分と肉体関係を持ち、世話を焼いてくれる女以外は存在を認めないという偏狭さで、フィービーのことを蔑ろにし続けていた。
しかしながら、彼女のヌードモデルとして大成した派手な素行を矯正できず、さりとて無視もできず、そのことが今回の遺言状への意趣返しとなっていたのかも知れない。
びた一文、彼女に財産を遺さなければよかったのに、あろうことか、アメフトチームのオーナーの座を用意したのだ。それも、地区優勝すれば、そのままフィービーがオーナーの座に座り続け、逃せば従兄リードがそのあと、座るというなんとも非常識な遺言だった……。

18歳の時に、父親が開催したアメフトチームのパーティでレイプ被害にあうという過去を持つフィービーが、男性に対して、恐怖感と嫌悪感を抱くのは当然。けれども、そのことをお首にも出さずに、完璧な虚勢を張って乗り越えてきます。減り張りのある見事な肢体を前面に押し出して、男性を翻弄していくフィービーは可愛くて、本当に切ない。
仕方なく引き受けたシカゴスターズのオーナーの仕事も、精一杯やり遂げてるし。スタジアムの契約更改の手腕なんて、お見事のひと言に尽きます。
ブロンドのおつむの弱い女の振りをして、しっかり実をとっていくんだから。
乱れた性生活を満喫したスター選手時代と倒錯的な設定を好む前妻の性癖に疲れ果てたダン・ケイルボーの鬱憤ぼやきのうら悲しさは笑っちゃうところですよね?
地区優勝を目指してチーム一丸となって突き進んでいこうとするなか、ダンに逆恨みする男の不気味な描写を時折混ぜて、物語は進行していくこととなります。


ロマンティック・ヘヴン フ1-1 ライムブックス(原書房)  発刊:2005.11.24
ヒロイン:グレイシー・スノー(映画制作プロダクションの新米アシスタント・30歳) ヒーロー:ボビー・トム・デントン(フットボールの元選手・33歳)
ヒロイン:スージー・デントン(教育長・ボビー・トムの母親・52歳) ヒーロー:ウェイランド・ソーヤー(コンピューター会社経営・54歳)

あらすじ:シカゴスターズシリーズ
老人ホームを経営していた両親を物心つく頃から手伝っていたグレイシーに転機が訪れた。父が亡くなったあと、母がホームを売却することを選んだため、職にあぶれそうになった彼女を、映画制作プロダクションの経営者ウィロウが雇ってくれたのだ。
しかし、自分の出来る限りのことをしようと決意していたグレイシーに与えられた仕事は、どう見ても新米アシスタントには荷がかち過ぎるものだった。
撮影現場に現れようとしない上に、映画制作会社からの電話に一切出ようとしない主役を、期日までに引っ張ってこなければならないのだ。
膝を故障したために引退を余儀なくされた人気プロフッボール選手ボビー・トム・デントンがその主役だった。
グレイシーは、彼が自宅で乱痴気騒ぎをしている真っ最中に飛び込んでいく羽目に陥っていた……。

誠実で謙虚で、努力家なグレイシー・スノーが発揮する根性に惚れ惚れ。こんな素敵な女性、他にいないです。
撮影現場となっている故郷へ行くのをなんとかして引き伸ばそうとしている上に、彼女をまこうとしているボビー・トムに、食らいついて離れないグレイシー。
特技に「車の整備」がある彼女は、おいてけぼりを喰らわないために、ボビー・トムの愛車に仕掛けを軽々とやってしまう場面など、笑いを誘います。
対して、ボビー・トム・デントンの鼻持ちならない優越感振りがこれでもかと書かれてます。
が、グレイシーと一緒だと、そのあかんたれ部分が、目立ちません。お似合いのカップルです。
再起不能の故障で引退を余儀なくされた彼の迷子っぷりに喝を入れたり、話を聞いてあげたりと癒しの存在となるグレイシー。
グレイシーと一緒にいることで、奪われるばかりの立場にあったボビー・トムは、与えてもらうことによる心地よさを知っていくこととなります。
が、その大切さを本当に認識していないため、アイタタタな言動を取り続けて、グレイシーに拒絶されるのは当然という事態にまで行き着く羽目に。
2人のやり取り、駆け引きが小気味よく描かれてます。
また、脇のロマンスとなるスージー・デントン(ボビー・トムの母親)と、ウェイランド・ソーヤー(鼻摘み者が大富豪として帰郷中、地域の根幹産業である工場を買い取って移転しようとしている)は王道パターンで萌えました。
50歳を過ぎている男女の恋愛なんですが、艶があるんですよ。強引に関係を迫って、それを心底、後悔して、2人の仲を何とかしたいとあがくソーヤーの姿勢が良かった〜。
メモ:ボビー・トムのフットボールに関するクイズ。


あなたがいたから フ1-2 ライムブックス(原書房)  発刊:2006.03.20
ヒロイン:ジェーン・ダーリントン(物理学者・34歳/愛称ローズバット) ヒーロー:キャルヴィン・ジェイムズ・ボナー(フットボールの選手・36歳/通称キャル/愛称ボンバー)
ヒロイン:アンバー・リン・ボナー(キャルの母) ヒーロー:ジム・ボナー(医師・キャルの父)

あらすじ:シカゴスターズシリーズ
義妹と甥を事故で亡くしてから、キャルにとって打ち込めるのは試合だけだった。見目麗しい女にも食指が動かない。
機嫌が悪くなると、いけ好かないこと、辛辣なことを平気で言ってのけるキャルに仲の良いチーム仲間もうんざりしていた。
少しでもご機嫌を麗しくするために、仲間達は結託して10日後にやってくるキャルの誕生日には、とびきりエレガントな女を贈ろうと画策したのだ。伝手を募って、探し出されたのはIQが180を越える才媛のジェーン・ダーリントンだった。

34歳の誕生日にもらった味気ないプレゼントや、自分の体内時計がどんどん進んでいることに気づいてしまったジェーンがボロボロ泣いていたところにやって来たのが、アメリカンフットボール「シカゴスターズ」の取り巻きをしている隣人のジョディ。彼女は、キャルの誕生日にあてがう女性を探そうと躍起になっていたところ、丁度よい相手が目の前にいることに気づきます。
14歳で大学に入るほど賢かったジェーンは父親から化けもの扱いをされるというつらい子ども時代を過ごしています(母親は出産時に死亡)
自分のようなつらい思いをさせたくないから、知能の高い子がうまれないようにするには、相手がバカな男がいいと愚鈍なふりをしているキャルをその相手に選ぶこととなります。
対して、キャルは22歳以上の女性とは付き合ったことがないというくらい若い女性が好きな男性。34歳のジェーンの年齢が、キャルの性癖にあわせてどんどん若くなっています
紹介されるたびに、
「あれよあれよというまに、また一つ若くなっている」
キャルに紹介された時点では、とうとう24歳。 キャル自身は、ジェーンのことを28歳の年増と思っており、34歳とばれた日には(笑)
強引にキャルをものにして、運良く妊娠して天にも昇るような心地にいたジェーンですが、その目論みがキャルにばれて、結婚を強要されるし、キャルの故郷に無理矢理つれていかれるしと波乱含みの結婚生活が始まります。
刺々しいキャルの態度から始まった結婚生活が、ジェーンの思わず笑いがこみあげてくる、ちょっといかれた天然の言動によって暖かい空気が流れだす場面は読んでて楽しい。
脇のロマンスでは、キャルの両親リンとジムがすったもんだ。15歳でリンが妊娠したために結婚する羽目になったのを事あるごとに責めていたジム。そんなジムの態度に耐えかねたリンが反旗を翻して……。
メモ:ケヴィン・タッカーにクォーターバックの心得を教える。ジェーンとケヴィンは仲良し。