シャロン・サラ(別名:ダイナ・マコール
傷ついた女性が癒されていく作品が多い。

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スウィート・ベイビー SS01-01(MIRA文庫) (株)ハーレクイン  発刊:2001.09.15
ヒロイン:ヴィクトリア・ランカスター(報道写真家・31歳/愛称トリー) ヒーロー:ブレッド・フッカー(検事局調査官・元警官)

あらすじ
トリーと知りあって4年。一緒に暮らしはじめてから3年。
彼女が仕事柄、家を留守にすることが多いのは仕方がないとして、ふらっと断りもなく旅に出てしまい、連絡を寄越すのも稀な事態に、ブレッドは耐えられない思いを抱いていた。
「こんな状態がいつまで続くのか」
きつく問い詰めたブレッドに、思いもかけない反応をトリーが示した。
自制心を失い、子供のように泣き叫びだしたのだ。
「でも、約束したじゃない。ずっと私を愛するって約束したじゃない。約束は破っちゃだめなのに」

「児童虐待」という重い問題が中心に据えられて描かれている作品です。
前半は、ブレッドが追いかけている事件をからめて2人の関係を高めさせ(反比例にトリーの精神が不安定化)、中盤より一気にトリーの失われた過去が明らかになっていきます。
調査中の事件が元で、生死をさまようことになる銃弾を受けたブレッド。
その看病中に、忍び込んできた殺し屋と対峙することになったトリー。
愛する人を守るために立ち向かい、ブレッドを守りきる彼女の強さは本当にすごい。
一度は投げ出してしまった関係を、心底後悔して尽くすブレッドの姿勢も良し!!


ムーンライト・ローズ SS01-02(MIRA文庫) (株)ハーレクイン  発刊:2002.07.15
ヒロイン:ローラ・デイン(霊能者) ヒーロー:ガブリエル・ドナー(セキュリティー会社経営/31歳)

あらすじ
酔っ払いが運転する車の犠牲になったのは両親。同乗していたガブリエル自身も生死の境を彷徨った。
そして、失ったものはそれだけではなかった。昏睡状態であるうちから、ガブリエルの頭の中に別人の声が響き出したのだ。
「助けて。ここはどこ?」
助けて欲しいのは、ガブリエルのほうだった。頭の中で声が響き出した頃と時を同じくして、殺人現場という鮮烈な夢を見始めたのだ。
夢の中で殺人現場に居合わせるようになったガブリエルは、朝刊を読んでいてのけ反った。そこには、昨晩、夢で見た殺害現場が記事になっていた……。

自分の中で一体何が起こっているのか……進退窮まったガブリエルは父の友人でもあった精神科医マイクに、幻聴・幻視のことを告白。マイクは、不可思議な現象を解決してもらうために、顔見知りであったローラ・デインという霊能者に連絡を取ることになります。
ガブリエルの自宅にやってきたローラは、彼と挨拶する為に握手をしたところで、幻視を体験……それは2人が愛し合ってる場面〜。
霊能者は大変だ(笑)
施設の責任者が、麻薬代欲しさに患者の入所費を横領することが発端となり事件が起きるわけですが……その責任者への鉄槌が生ぬるいよなーと勧善懲悪が好きな私は感じてしまうのでありました。


リメンバー・ミー SS01-03(MIRA文庫) (株)ハーレクイン  発刊:2002.11.15
ヒロイン:フランセスカ・ルグランド(クレイの妻・行方不明だった2年間の記憶がない・元図書館員/愛称フランキー) ヒーロー:クレイ・ルグランド(建設会社経営)

あらすじ
病室で目覚めた時、フランキーは2年間分の記憶を失っていることを看護婦に知らされた。
その間、愛する夫クレイの元から、かき消すように姿を消していた自分が信じられない。
だからクレイの態度に冷たさが滲み出るのは仕方がないと思いながらも、寂しさと憤りを感じずにいられなかった。
断片的に甦ってくる記憶の中に、安らぎはなく
「逃げろ、逃げろ」と心が叫んでばかりいる。
自分が自ら、クレイの元を離れるわけがない。
それなら2年前、フランキー連れ去った人間は、また同じことをする可能性がある…… 焦燥感に駆られるフランキーと突然、戻ってきた愛妻に混乱するクレイ。
2人の間には、以前は無かった温度差が確実に存在していた。

1年目の結婚記念日に、何の前触れも無くクレイの側から消え去ったフランキー。
フランキーに首ったけだったクレイは打ちのめされ、更に追い討ちをかけるように、刑事・マスコミ等が、クレイを犯人扱いし始めることとなります。
冷ややかな世間の視線に2年間晒され続けたクレイは、いきなり戻ってきたフランキーに愛情は感じるものの信頼ができない状況。
そんな2人が互いの立場を思いあって……というより、クレイがフランキーへの愛情(信頼含む)を再確認する物語となってます。
フランキーを攫った人間の思惑が何であったのかが、徐々に明かされていく展開となってます。


スノー・バタフライ SS01-04(MIRA文庫) (株)ハーレクイン  発刊:2003.11.15
ヒロイン:チャイナ・ブラウン(銃撃事件の生存者・26歳) ヒーロー:ベネット・イングリッシュ(ダラス警察殺人課刑事・36歳/愛称ベン)

あらすじ
治安の悪い深夜の路上で銃撃事件が起こった。
犠牲になったのは、チャールズ・ファインリ。 職業はバーテンダーだったが、カメラマニアで撮られた本人達がそのネガを買い戻すために多額の金を支払うほどのネタを持っていた。
そしてチャイナ・ブラウン。身重だった彼女は、身体に2発の銃弾を受け、胎児は生き延びることができなかった。
チャイナ自身、生きる気力が消えかかっているのを必死につなぎ止めようと、銃撃事件の担当となったベンは呼びかけていた。
チャイナに対する気の配りようは、職務以上のものであるとベンも自覚し始めていた……

ベンに出会うまでのチャイナの人生が、男性に踏みつけにされ続けた年月。幼い頃、義父に植え付けられた
「自分は醜い」
という、この呪縛から徐々に開放されていく物語となってます。男性に傷つけられたチャイナを、
「 これからは誰にも傷つけさせやしない」と決意したベンが、尽くすように寄りそう姿には心うたれます。
チャイナから大事な赤ちゃんを奪ったのは誰かという謎に、怪しげな人物が複数配置され、容疑者達の欺瞞に満ちた人生が暴れていきます。その結果、再生する者、落ちぶれていく者と、人生の分岐点がきっちり描かれてます。


溺れた人魚 SS01-05「ミステリー・イン・ブルー危険な饗宴」に所収(MIRA文庫) (株)ハーレクイン  発刊:2004.06.15
ヒロイン:ケリー・スローン(麻薬取締局覆面捜査官・27歳) ヒーロー:クイン・マコード(テキサス州警備隊員)

あらすじ
相棒を目前で殺されたクインは、すぐさま犯人の額に風穴を開けていた。そのために強制的に休暇を取らされ海岸で、好きでもない釣りをする羽目に陥っていた。
強風に飛ばされた帽子を追いかけて、砂浜に降り立ったクインの目に、誰かが海からやってくるのが映った。それが女性で、彼女がほとんど衣服を身に着けていないこと、そして身体のあちこちにある切り傷やアザに気付くのだった。

麻薬王であるドミニク・オルテガを捕らえるための証拠を入手するために組織に潜入していた麻薬取締局捜査官であるケリーは、脱け出す直前に、正体がばれて捕まり海上で拷問を受けることとなります。数少ないチャンスを逃さず、組織の手から逃げ出した彼女を拾ってくれたのが、クイン。
オルテガは、ケリーの首に100万ドルの懸賞金をかけ後にその額は200万ドルとなり、行方を追いかけまわすチンピラを煽ります。
今日明日とも知れない危険な状況の中で、燃え上がる2人の情感〜。
まぁ、海から上がってきたケリーを一目見て、反応し出したクインなので最初からエンジン全開です(笑)


サイレント・キス SS01-06(MIRA文庫) (株)ハーレクイン  発刊:2004.11.15
ヒロイン:ケイトリン・ドイル・ベネット(人気ミステリー作家/愛称ケイティー) ヒーロー:コナー・マッキー(セキュリティ会社経営・元警官・35歳/愛称マック)

あらすじ
初めて会った3年前のあの日以来、人気ミステリー作家であるケイトリンのことを、マックはこてんぱんにやっつけてやりたい思うし、それと同時に、彼女の服を引きはがしてベッドに連れていきたいと思うのだ。
会えば喧嘩する反りの合わないケイトリン。
その彼女が、入院していると、義弟のアローンから連絡が入った。
「誰かが彼女をトラックの前に突き飛ばした」
ケイトリンを脅迫する手紙が、出版社と彼女の元に送りつけられていた。
マックは6年ぶりにとった休暇を、慌ただしく切り上げ、ニューヨークへと赴くのだった。

ストーカーもの。
正体不明のストーカーに命を狙われたケイトリンを守るためにやって来たマック。
「2人の間柄は互いに嫌いあっている」というのが、最初の設定となります。事件が積み重ねっていく内に、敵視できなくなっていく2人の関係の変化が丁寧に描かれてます。
その関係改善に一役買うのがマックの手料理。ケイトリンのために食事を小まめに用意(羨ましい限りだわ)
結婚しない主義を心棒するマックですが、それは過去に癌で亡くした最愛の女性がいたから。大切な人を亡くす事態には2度と陥らないために、女性との付き合いは軽く、取っ換え引っ換えの独身を謳歌しております。ケイトリンはそのお盛んなマックの女性関係が気に入らない。
ケイトリンとマックの間で、ちくりちくりと交わされる嫌味が、素晴しく大人げないです(笑)
犯人に陵辱惨殺されたあとも尊厳されているとは言えない状態でおかれる犠牲者達に見せる刑事の心遣いなど、犯人の異様さとの対比でちりばめられて、物語が展開されていきます。


ダーク・シークレット SS01-07(MIRA文庫) (株)ハーレクイン  発刊:2005.06.15
ヒロイン:セーラ・ジェーン・ホイットマン(レストラン経営・30歳) ヒーロー:アンソニー・デマルコ(ナイトクラブ経営・36歳/愛称トニー又はシルク)

あらすじ
20年前、どうすれば良いのかわからなかったせいで、トニーは、絶望の淵で嘆き悲しむ幼いセーラに手を差し伸べられなかった。
でも、社会的に成功した今なら彼女の手助けを買って出ることができる。
彼女の父フランクリン・ホイットマンには、感謝してもしきれないぐらいの恩がある。札付きの不良だったトニーに、彼は融資と信頼を与えてくれたのだ。
だから、誠実だったフランクリンが銀行の金100万ドルを横領し、姿を消した聞いた時には、信じられない思いだった。
しかし、今ごろは盗んだ金でのうのうと暮らしていると思われていたフランクリンが、トランクに詰められ湖の底に沈められていたのが発見された。
父親の遺体を引き取るために、セーラが故郷の町にやってくると聞き、トニーはシカゴを後にするのだった。

冤罪もの。
消息を断った父親が横領の罪に問われ、残されたセーラと母キャサリンは隣人から村八分の扱いを受けることとなります。その冷たい仕打ちに耐えかねて、母親は自殺し、第一発見者となってしまったセーラ。思い出したくもない故郷の町から、入ったのが「トランク詰めにされたフランクリン・ホイットマンを湖の底で発見した」という一本の電話でした。
大好きだった父を、一人娘であった自分自身でさえ見下げ果てた男だと思っていた事実にセーラは新たな罪の意識を抱くこととなります。
そんな彼女を支えていくのが、初恋の人であるトニー。
フランクリン・ホイットマンがしてくれたことに少しでも報いたいと思って向かった故郷の町で再会したのは、眠っていた騎士道精神を目覚めさせるに充分な女性セーラ。
セーラの笑顔はまさに命とりだと述懐するほど、トニーの心を鷲掴みしていくこととなります。
父親の冤罪を絶対にはらすと公言するセーラの命を狙い出した人間の正体は誰かという謎解きとともにロマンスが進行していきます。


グッバイ・エンジェル SS01-08(MIRA文庫) (株)ハーレクイン  発刊:2006.02.15
ヒロイン:ジェイド・コクラン(似顔絵画家・27歳) ヒーロー:ラファエル(ジェイドの兄代わり・30歳/愛称ラフィー)
ヒーロー:ルーカス・ケリー(セキュリティ会社経営・元刑事・37歳/愛称ルーク)

あらすじ
ラファエルにとって、ジェイドはこの世界で何よりも一番大切な存在だった。
「ラフィー」と、彼女が名を呼んでくれるだけで幸せだった。
頼って慕ってきてくれる彼女が側にいてくれるだけで、どんなつらいこともしのいでこれた。
ジェイドがこれ以上、傷つけられことがないよう必死になって守ってきたけれど……それは、大きな間違いだったかもしれない。
毎夜、悪夢をみるのを怖れて、ラファエルの腕の中でしか眠りにつくことのできないジェイド。
他の人間が接触するとパニックを起こすジェイド。
自分がいなくなったら、ジェイドはどうなってしまうのだろうと考えるといても立ってもいられない。
ラファエルにはもう時間が残っていなかった。
末期の肝臓癌の上に、エイズを発症していたのだ。

ジェイドは6歳〜12歳まで、ラファエルは15歳まで小児性愛者の餌食になっていたという重い題材が根底にある作品。
幼い二人に売春を強要していたカルト教団から脱け出した後15年間、ジェイド達は追っ手から逃げのびようと各地をさすらうこととなります。
そしてほんの偶然が発端となってジェイドの父親サムとその友人ルークが、彼女を見つけ出すことに成功して、4歳の時、家出をした母親に連れ去られたきり帰ることが叶わなかった自宅に帰郷することとなるのでした。
けれども、行方不明になっていた大富豪令嬢が見つかったというニュースを知って、今の地位が危うくなると慌てた輩の魔の手がジェイドとラファエルの命を奪おうと暗躍を始めて……。
ジェイドとひっつくのは、ルークなのですが、ラファエルのジェイドに対する深い愛情が、もう切なくて、切なくて。
随所で、感情を持っていかれてしまって、鼻の奥がツンとしながら読み耽ってしまいました。


ブルー・クリークで待つ虹 SS01-09(MIRA文庫) (株)ハーレクイン  発刊:2006.12.15
ヒロイン:アリー・モンロウ(母亡きあと家事の一切合切をする・28歳) ヒーロー:ウェスリー・ホールデン(元陸軍大佐/愛称ウェス)

あらすじ
泥沼にはまり込みつつあるイラク戦争で、ウェスリー・ホールデンが捕虜となったのは1年以上前のことだった。果てしない拷問を受けたあと、奇跡的に救出され、アメリカに戻っても、ひょっとした拍子に悲惨な場面が目の前をよぎった。
それでも、なんとか正気を保っていたのは、最愛の妻と息子がいたからだ。幼馴染みだったマージーが妻となり、一人息子のマイキーは6歳の誕生日を目前に控え早くヒゲが剃れるようになりたいと可愛く夢みる自慢の子供だった。
その2人が、テロリストの犠牲者となった。
戦場で死ななかった自分と、安全である筈の本国の陸軍病院でテロリストの餌食になった最愛の2人。崖っぷちにあったウェスの精神は崩壊した。

ウェスが家族を失う場面から始まるわけで、いきなり暗い展開。この暗さを最後まで引き摺ってたような気がします。
精神病院を出たウェスは、面倒をみてくれている義弟のだらしなさから出奔し、ひたすら移動し続け、行き着いたブルー・クリークに住むアリー・モンロウが差し伸べた手に救われることとなります。最初は隣人愛として、接しているアリーですが、ウェスがあまりにも幼い頃から夢見ていた理想の男性そのものということで、深い愛情を抱いていくことなります。
アリーは生まれつき片足が不自由な身ですが、それを感じさせない生き方をしています。しかし、父親は娘の行く末を案じて、結婚相手をあてがおうとしており、家族の間には不協和音が奏でてます。
そんなモンロウ家のごたごたを、ウェスがアリーの味方と表明することによって鮮やかに解決すべき道筋をたててます。
モンロウ家の近くに住む住人が、研究している怪しい薬草を巡って凄惨な場面も繰り広げられますので苦手な方はご注意ください。
メモ:一つ、一つのエピソードはいいのに、つながると何だかちぐはぐ感がある作品。アリーの2人の兄達の性格づけが、心優しい兄なのか、横暴なのかが場面によって違うから?


愛と赦しのはざまで SS01-11(MIRA文庫) (株)ハーレクイン  発刊:2008.04.15
ヒロイン:ジャニュアリー・デリーナ(テレビリポーター/本名ジャニュアリー・マリア・マグダレーナ) ヒーロー:ベンジャミン・ウェイド・ノース(ワシントンDC警察の殺人課刑事/愛称ベン)

あらすじ
最近、ベンの夢に出てくる相手は、殺人課の刑事として避けて通るべき女性だった。
ジャニュアリー・デリーナ
彼女は、テレビリポーターで警察の仕事をひたすらややこしくする存在だった。情報を大衆に知らしめることを最上の使命と思い込んでいるマスコミのおかげで、捜査がどれだけの損害を被ってきたか……。凄惨な事件であればあるほど、ハイエナのようにたかってくる。
彼女も、侮蔑の対象でしかなかったマスコミの人間だった。この前の事件までは。
12歳で娼婦となっていた少女が惨殺された現場で、彼女が取り乱したのを抱きしめた時から、何かが変わってしまっていた。

臨死体験をしたという男性のインタビューをとろうと追いかけていたジャニュアリーは、その男の周囲で不審な出来事が起こっている事に気付きます。
幾人もの路上生活者が行方不明になっているのと、その男は絶対につながっているとテレビリポーターとしての勘が告げています。
その内に、その男からの電話が入り、情報を殺人課のベンに伝えていくこととなります。
行方不明者は、日を追うごとに増え……ジャニュアリーは彼らを助けることが出来るのかという展開で物語が進みます。
メモ:宗教的です。病気だから、赦せるのかというなんとも高尚的な終わり方でして……。ジャニュアリーは赦せても他の犠牲者は、犯人を赦さない筈で、彼女が赦したから犯人の魂が救われるなんて……救われない話しでありました。


孤独な夜の向こうに SS01-12(MIRA文庫) (株)ハーレクイン  発刊:2008.11.15
ヒロイン:キャサリン・デュプリー(バウンティ・ハンター/愛称キャット) ヒーロー:ウィルソン・マッケイ(保釈保証業者・40歳)

あらすじ
40歳の誕生日に友人たちが贈ってくれた女性との情事を仕方なしにたしなんだウィルソンは、火事に巻き込まれることとなった。パニックに陥った相手の女性を気絶させ担ぎ上げて、煙が充満して出している階段を降りだした。階段には、避難しようとしている住人たちが殺到し始めていた。
ウィルソンのブーツのかかとを踏みつけてきた女性が、先を急げと悪態をついている。
建物から脱出したウィルソンは、件の女性が自分の身体の2倍以上の男を担ぎ上げていたのを見る事になった。
ウィルソンと同業であると言い放った彼女は、噂に聞くキャット・デュプリー に他ならない。
テキサス州には、たった一人の女性バウンティ・ハンターしかいないのだから。
そんなタフで、冷静沈着に逃亡した保釈人を捕えていく彼女の取り乱した姿を見たのは、警察署の殺人課だった。
消息を断った親友を捜し出して欲しいと、彼女はもう殺されているかもしれないというキャットの悲痛な訴えに、ウィルソンは手を差し伸べるのだった。

裁判所に出廷してこなかった保釈人たちを捕まえる「バウンティー・ハンター」という日本では馴染みの薄い職業をもつ男女のロマンス。
父を目の前で殺害され、自らも咽喉をかっ切られながらも九死に一生を得たキャットは、逃げおおせた殺人犯の行方を探しだすために、バウンティー・ハンターとなってます。
里親達の間を転々として成長したキャットには、たった一人の親友マーシャがいたのですが、その彼女が上司マークとの不倫の果てに妊娠。そして、殺害されてしまい、なんとしてでも手を下したマークを逮捕しようと動き出します。
猪突猛進してしまうキャットを支えるのがウィルソンという構図で物語が進みます。
対人関係がうまくとれないキャットのトゲトゲしい態度にめげないウィルソン。
精神的に豊かな人って、時間でも労力でも構えずに与えていくんですよね。大人の男の魅力。
親友マーシャの敵を今巻で討つわけですが、父親殺害の犯人については取り逃がし、次巻へと続く展開となってます。