小野 不由美
十二国記シリーズの続刊が出るのを気長に待ち続けてまーす。シリーズ物以外では、「過ぎる十七の春」が好き。

 

くらのかみ ミステリーランド (株)講談社  発刊:2003.07.31
主人公:耕介・梨花・音弥・禅・真由・光太 三郎兄さん・想一(耕介の父)・師匠(先代の次男)

あらすじ
この夏、耕介達は後継者選びの話し合いのために「本家」に呼び集められていた。総勢二十人を超える親戚一同が集まった中、子供の数は5人だった。なのに、今、数えてみると6人なのだ。
耕介達は、本家の蔵座敷で、三郎兄さんに教えられたゲームをしている内に、どうやら「座敷童子」を呼び込んでしまったらしい。5人だったのは、確かなのに誰が増えたのかが分からない……この異変を知らせようと、三郎の元に急いだ耕介達が見たものは、青菜のおひたしに混ぜられていた「ドクゼリ」による嘔吐と胸痛で苦しむ大人たちの姿だった……

子供が生まれない、育たない「本家」の暗さを、耕介達がわいわいと明るく吹き飛ばしています。最年長の中一である梨花から、最年少7歳の光太(梨花の弟)までの6人が、知恵と人数と体力勝負で、「ドクゼリ」を混ぜた犯人を探し出そうと団結。けれど、犯人が見つからないままに、事件が次々と起こり、それぞれの親が危ない目に遭っていきます。
大人たちの欲深さを、自分の親だからこそ「嫌悪」する潔さが、犯人探しへと駆り立てて、その中で、自分たち子供の味方だと思っていた人の裏切りにも傷つきますが、大人だって捨てたもんじゃないということにも気づきます。この夏、「最高の夏休みだった」と思えるような冒険をした5人の子供たち。
軽く読める作品ですが、中々、面白かったです。……ロマンスはないですけど(笑)、是非!!(豪華本装丁の為、お値段、高めデス)