獣の奏者 外伝 刹那 |
(株)講談社 |
発刊:2010.09.03 |
主人公:イアル(真王の護衛士・堅き盾・異名「神速のイアル」・指物師) |
エリン:カザルム学舎の教導師・王獣の使い手
エサル:エリンの上司・カザルム王獣保護場の最高責任者
カイル:真王の護衛士・堅き盾・イアルの友人
ヤントク:イアルの幼馴染み・指物師
キィノ:イアルの妹・8年差・大店の材木店の跡取り |
主人公:エサル・コルマ(タムユアン学舎薬草学科・14歳→) |
ユアン・ルキン:タムユアン学舎医術科・17歳→
ジョウン・トーサナ:タムユアン学舎普通科・18、9歳→ |
あらすじ:中編2つと短編1つ所収
『刹那』エリンとイアルのなれ初め。イアルの過去とか悔いが、彼視点で語られます。
『秘め事』エサル師の学生時代の物語。王獣を診る獣ノ医術師の道へ、どう歩んできたかが語られてます。
『初めての……』ジェシの断乳をめぐるあれこれ。エリンとイアルのささやかながらも、ふうわりとした生活が語られてます。 |
『刹那』
地震で夫を失った後、8歳のイアルを「堅き盾」に売った母(と乳飲み子だった妹キィノ)に対するどうしようもない恨みが、静かに流れ出してます。
イアルは、本編では達観している人物だと感じていたのですが、家族に対して忸怩たる感情を抱いてます。そのいじましさに、ますますいい男や、と思えて仕方がない。
『秘め事』
エサル師の学生時代の物語。知識を得ようとする欲の強さがエリンと同じ。
エサルに一生分の恋情を抱かせるユアンの底知れなさが、ちょっと怖い。安定した道を歩んでいくことと、周囲を不幸に陥れても全然構わない道、どちらを選んでも、彼はその暗い感情を抱き続けるんだろうなーと。
『初めての……』
2歳児のジェシが本当に、大事に育てられています。
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