上告断念


  検察は、自首した川岸の上告を断念し、堀被告だけを上告することに決めました。これまでの3年8カ月の闘いの日々は何だったのかと、むなしさだけが残ります。とても疲れました。

  娘に誓った「お母さんが絶対に敵を討つ!」との言葉は、とうとう実行することができません。そのことが一番辛いです。娘の無念を晴らすこともできず、この先、何を支えに生きて行けばよいのかわかりません。ずっと、事件を引きずりながら生きて行けというのでしょうか。娘を亡くしただけではなく、闘うすべさえ奪われてしまったのです。

  川岸被告がこの世に生まれてきたことを憎みます。この事件のきっかけを作った被告が生き残り、これから先も税金で生きながらえるのです。次の被害者を出すまで。

  日本は何と犯罪者に優しい国なのでしょうか。被害者や遺族がその陰で、どれほど涙を流し傷ついているか誰も考えようともせず、加害者の人権だけを声高らかに謳います。この国の法律は、真面目に生きる人には非情です。
その事に、誰も気がつかないのでしょうか。

  こうした言葉を並べる事が、とてもむなしく感じます。まだまだ頑張れというのですね。堀被告だけは、次は死刑判決で終わらせたい。それだけを願い闘います。
平成23年4月22日
 被害者遺族  磯谷 富美子