名古屋市千種区の会社員磯谷利恵さん=当時(31)=が昨年8月、男3人に拉致、殺害された事件で、強盗殺人や逮捕監禁などの罪で起訴された元新聞セールススタッフ神田司(37)、無職堀慶末(よしとも)(33)、無職川岸健治(41)の3被告の初公判が25日、名古屋地裁であった。
起訴事実について、3被告とも磯谷さんを殺害したことは認めたが川岸被告は「殺害方法の順序が違う」と主張。神田被告の弁護側は「(磯谷さんを)脅迫した言葉の詳細について争う」と述べた。
冒頭陳述で検察側は3被告が携帯電話のインターネット上の闇サイトに頻繁にアクセスし、知り合った状況を指摘。川岸被告が保険金詐欺、神田被告が偽の養子縁組などの違法行為を計画したが失敗していたと指摘した。
その後、3被告はファミリーレストランでOL風の女性から金を奪って殺すなど具体的な犯行計画を練って共謀を図ったとした。
3被告の弁護側はそれぞれの冒頭陳述で、「ファミリーレストランで殺害までの具体的な犯行計画は練っておらず、この時点で共謀は成立していない」と反論。共謀が成立した時期について神田被告はファミリーレストランを出て車に乗り込んだ時だとし、堀被告は、殺害現場で、磯谷さんからキャッシュカードの暗証番号を聞き出した時点で殺すことに合意したと述べた。
川岸被告は、殺害行為について、神田被告らが首を絞めるなどしていたため「やむを得ず加わった」と主張。犯行後に警察に自首し、新たな犯行を防ぐことができたとした。
昨年12月から公判前整理手続きによる協議が8回あり、争点は3人の共謀の時期などに絞られている。
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