第13回公判の概要



「3人に死刑判決を」=女性拉致殺害で母が証言

 08年12月8日(時事通信・記事抜粋)


名古屋市千種区で昨年8月、会社員磯谷利恵さん=当時(31)=が拉致、殺害された事件で、強盗殺人などの罪に問われた元新聞販売員神田司被告(37)ら3人の公判が8日、名古屋地裁(近藤宏子裁判長)であり、利恵さんの母富美子さん(57)が検察側証人として出廷、「3人に死刑判決を下してほしい」と訴えた。

 富美子さんは、利恵さんが拉致された車の中でキャッシュカードの暗証番号を聞かれた際、神田被告らに「2960」と事実と異なる番号を教えたことについて、「語呂合わせで『憎むわ』と読める。娘はその数字に自分の気持ちを託したと思う」と証言。「このメッセージを聞いていただき、3人に死刑判決を下してほしい」と力を込めた。




千種拉致殺害「3被告に死刑を」 名古屋地裁で母ら証言

 08年12月9日(中日新聞朝刊・記事抜粋)


名古屋市千種区の会社員磯谷利恵さん=当時(31)=が昨年8月、男3人に拉致、殺害された事件で、強盗殺人や逮捕監禁などの罪に問われた神田司(37)、堀慶末(よしとも)(33)、川岸健治(41)の3被告の公判が8日、名古屋地裁であり、証人として初出廷した母親らが「死刑判決を望む」と語った。


◆「偽番号『憎むわ』の意味」

検察側は法廷の大型画面に、利恵さんの誕生直後から社会人になるまでの写真を映しながら、遺族らに質問した。母親の富美子さん(57)は、白血病で31歳で亡くなった夫の代わりに、1人で子育てをしてきたことにふれ「主人に申し訳ない。こんな形で…。利恵を守ってあげられなかった」と泣いた。

 これまでに集めた極刑を求める29万7000人の署名活動について「司法では被害者が2人以上(殺さ)ないと極刑は難しいのですか。同種の犯罪を抑止する意味からも凶悪な罪を犯した3被告に死刑を望む」と述べた。

 利恵さんの交際相手の男性は「利恵さんが被告らに伝えた偽の暗証番号『2960』は『憎むわ』という意味だと思う」と証言。その根拠として、利恵さんが数字の語呂合わせをよくしていたと話した。

 閉廷後、記者会見した富美子さんは「遺族の思いが裁判官に届けばと思う」と語った。




闇サイト殺人 被害者、最後のメッセージは「2960」

 08年12月9日(朝日新聞朝刊・記事抜粋)


「2960(ニ・ク・ム・ワ)」。闇サイトで知り合った3人が名古屋市千種区の会社員磯谷利恵さん(当時31)を拉致・殺害したとされる事件で、死の直前、キャッシュカードの暗証番号を教えるよう脅された磯谷さんが偽りの番号で「命のメッセージ」を伝えようとした――。強盗殺人などの罪に問われた3被告に対する名古屋地裁の公判で8日、母富美子さん(57)が証言した。

 富美子さんは、数字のことを検察官から磯谷さんの知人を通じて知らされたという。磯谷さんは数字の語呂合わせが好きだったといい、この日の法廷で2960の意味を尋ねる検察官に、富美子さんは「憎しみを伝えようと気持ちを託したのだと思います」と答えた。

 証言は約2時間にわたり、法廷の大型モニターには磯谷さんの生後間もないころから事件前までの写真十数枚が映し出された。3被告は写真に目を向けたり、目を閉じてうつむいたりしていた。

 富美子さんは、警察署で磯谷さんの遺体と対面したときの状況についても話した。「強く抱きしめてあげたかったけれど、顔がひどく変色していて、抱きしめたら痛がるんじゃないかと思った」。そして、「娘は殺されるために生きてきたんじゃない」と裁判長に死刑判決を求めた。




偽暗証番号「2960」は「憎むわ」母証言

 08年12月9日(毎日新聞朝刊・記事抜粋)


名古屋市千種区の派遣社員、磯谷利恵さん(当時31歳)が07年8月、拉致・殺害された事件で、強盗殺人罪などに問われた3被告の公判が8日、名古屋地裁(近藤宏子裁判長)であり、証人として利恵さんの母富美子さん(57)が出廷した。利恵さんが3被告に教えたとされる「2960」という銀行口座の虚偽の暗証番号について「『憎むわ』という意味の語呂合わせで、誰かに自分の気持ちを伝えたかったのだと思う」と述べた。

 事件では、愛知県愛西市内の駐車場の車内で、包丁を手にした堀慶末被告(33)から「いいかげんしゃべれ」とすごまれ、利恵さんは小さな声で「2960」と漏らした。だが利恵さんを殺害後、3被告が奪ったキャッシュカードで現金自動受払機(ATM)から預金を引き出そうとするとエラー表示が出た。

 利恵さんは4けたの数字で語呂合わせをするのが好きだったという。富美子さんは「(口座に残っていたのは)『家を建てる』という約束事を(1歳の時に亡くなった)主人に代わってかなえるために娘がこつこつ蓄えたお金で、絶対に渡したくなかったんだと思う」と話した。また裁判官に「被害者が1人では死刑は難しいんでしょうか。それが知りたい」と訴えた。

  公判終了後、名古屋市内で記者会見した富美子さんは、これまでの公判で3被告が謝罪の言葉を述べていないことについて「見せかけの謝罪をされるよりはむしろない方がいい」と話した。