第二審・第1回公判の概要(報道より)







検察側、死刑求める=一審無期被告に「事件の張本人」

 10年8月9日(時事通信・記事抜粋)


 名古屋市千種区で2007年8月、会社員磯谷利恵さん=当時(31)=が拉致、殺害された事件で、強盗殺人などの罪に問われ、一審で死刑とされた無職堀慶末被告(35)と無期懲役とされた無職川岸健治被告(43)の控訴審第1回公判が9日、名古屋高裁(下山保男裁判長)であった。検察側は川岸被告について「犯罪者集団結成の張本人」と指摘し、改めて死刑を求めた。

  一審名古屋地裁は川岸被告の自首が事件解決につながったことを考慮し、無期懲役(求刑死刑)を言い渡している。両被告はインターネットの闇サイトを通じ、知り合った。




闇サイト殺人控訴審で検察側が死刑主張 

 10年8月9日(中日新聞・記事抜粋)


 名古屋市千種区で2007年8月、インターネットの掲示板で集まった3人の男に会社員磯谷(いそがい)利恵さん=当時(31)=が拉致、殺害された「闇サイト殺人事件」で、強盗殺人罪などに問われ、一審名古屋地裁で死刑判決を受けた無職堀慶末(よしとも)(35)、無期懲役を言い渡された無職川岸健治(43)両被告の控訴審第1回公判が9日午後、名古屋高裁(下山保男裁判長)で始まった。検察側は2人を死刑とするよう主張。弁護側はいずれも死刑回避を求めた。

  一審同様、殺害された被害者が1人の事件で、検察側の求刑通り死刑とするかどうかが最大の争点。




闇サイト殺人控訴審 初公判 検察側、改めて死刑主張 

 10年8月10日(読売新聞・記事抜粋)


川岸被告の自首「自己保身のため」

 名古屋市千種区の契約社員磯谷(いそがい)利恵さん(当時31歳)がインターネットの「闇サイト」で知り合った3人組の男に拉致、殺害された事件で、強盗殺人罪などに問われ、1審・名古屋地裁で死刑を言い渡された無職堀慶末(よしとも)被告(35)と、無期懲役判決を受けた同川岸健治被告(43)の控訴審第1回公判が9日、名古屋高裁(下山保男裁判長)で開かれた。検察側は川岸被告について、無期懲役は軽すぎると述べるなど、改めて2人の死刑を主張。一方、弁護側はそれぞれ、1審判決を軽減するように求めた。



弁護側心理鑑定を証拠採用

 堀被告とともに死刑判決を受けた元新聞セールススタッフ神田司死刑囚(39)は控訴を取り下げている。

 検察側は、川岸被告による闇サイトへの書き込みが事件のきっかけになったことなどから、川岸被告について「積極的に犯罪仲間を募り、犯行時も不可欠で重要な役割を果たした」と指摘。1審が自首を重視して死刑を回避した点も、「自己保身のためで反省はうかがえない。最大限考慮しても極刑はやむを得ない」と主張した。堀被告については「1審の量刑判断は正当だ」と述べた。

 これに対し、川岸被告の弁護側は「強盗殺人をするために書き込みをしたのではなく、堀被告らに比べ役割は従属的。真摯(しんし)に反省もしている。自首を正当に評価すれば有期懲役が妥当だ」と反論。堀被告の弁護側は「命の尊さやご遺族の苦しみを重く受けとめている」と記した堀被告の文章を読み上げ、「改悛(かいしゅん)の情が顕著で、生きて罪を償わせるべきだ」とし、無期懲役が妥当と主張した。

 公判では1審判決後に弁護側が両被告について行った心理鑑定や、堀被告が遺族あてに書き、受け取りを拒否された謝罪文などを証拠として採用することが決定。また、検察側証人として、利恵さんの母、富美子さん(58)の証人尋問が行われることも決まった。次回は9月24日で、両被告の心理鑑定を行った臨床心理士の証人尋問が行われる。



被告謝罪文「心に響かなかった」

記者会見で思いを語る磯谷富美子さん(9日午後5時1分、名古屋市中区で)=川口武博撮影 閉廷後、名古屋市内で記者会見した富美子さんは、堀被告の弁護側が法廷で読み上げた謝罪文や反省文について、「全く心に響いてこなかった。本当に謝罪の気持ちがあるなら、控訴を取り下げてほしい。刑を軽くするためにやっているとしか受けとめられない」と険しい表情で語った。

 富美子さんは、1審では法廷に持ち込んでいた利恵さんの写真を、この日は持ってこなかったという。理由については、「怖かった事件のことを、早く忘れてほしいと思っているので」と話し、涙を浮かべた。

 川岸被告の弁護側が、有期懲役にするよう求めた主張には「無期懲役すら重いと感じているのかと、あぜんとさせられた」と憤り、両被告側が提出した心理鑑定については「この裁判のために加害者の性格を分析してどういう意味があるのかと言いたい」と反発した。

  堀被告は入廷時、法廷に一礼し、人定質問のために証言台に向かう際、改めて富美子さんらに深く頭を下げたが、公判中は前を向くことなく手に持った裁判資料を眺め続けた。川岸被告は遺族らには頭を下げず、検察側や弁護側が控訴趣意書の要旨を読み上げる際も目を左右に動かしたり、空中を見つめたりしていた。




闇サイト殺人控訴審で検察側が死刑主張 

 10年8月10日(朝日新聞・記事抜粋)


 名古屋市で2007年、会社員磯谷利恵さん(当時31)が「闇サイト」で知り合った男3人に殺害された事件で、強盗殺人などの罪に問われ、名古屋地裁で死刑判決を受けた堀慶末(よしとも)(35)、無期懲役(求刑死刑)を言い渡された川岸健治(43)両被告の控訴審第1回公判が9日、名古屋高裁であった。検察側は改めて死刑を、被告側は死刑の回避と減刑を求めた。被害者が1人の事件で死刑の選択をめぐる判断が再び焦点になる。

 一審判決は、ネットで結びついた犯罪集団の反社会性を指摘し、3被告は死刑が相当と判断した。しかし、こうした事件は発覚が困難だとして、川岸被告について自首を考慮し、無期懲役とした。

 これに対して、検察側はこの日、「川岸被告が闇サイトの掲示板に書き込みをして仲間を募ったのが事件のきっかけ。匿名性の高い犯罪集団を結成させた張本人」と指摘。自首についても、死刑を回避したい自己保身や共犯者への腹立ちからで、一審は自首を過大評価したと主張した。

 一方、両被告側は、一審判決後に臨床心理士が面接などで行った犯罪心理鑑定の結果を提出し、減刑などを求めた。鑑定結果は、証拠として採用された。

 川岸被告の弁護人は、被告の性格を「現実を吟味する力が弱く、馬鹿にされることに敏感」と説明。ほかの2被告が殺害行為を始めたのを見て、状況を統合的に判断できないまま恐怖心から手を貸したに過ぎない、と主張した。

  堀被告の弁護人は「匿名性の高い集団の中で、自らの『悪さ自慢』がエスカレートし、自分の意思ではなく共犯者の気持ちを推し量るという特殊な状況の中で犯行が起きた」と説明。堀被告は深く反省しているとして、磯谷さんの遺族が受け取りを拒んだ2通の謝罪文を読み上げた。




弁護側、「知的障害」「受動的」主張 

 10年8月10日(毎日新聞・記事抜粋)


◇2被告の心理鑑定、減軽求める

 名古屋市千種区の派遣社員、磯谷利恵さん(当時31歳)が07年8月、闇サイトで集まった男3人に殺害された事件で、強盗殺人などの罪に問われた堀慶末(よしとも)(35)と川岸健治(43)両被告の控訴審第1回公判が9日、名古屋高裁(下山保男裁判長)であった。弁護側は、両被告の犯罪心理鑑定の結果を新たに証拠提出して殺害の計画性を否定、減軽を求めた。検察側は両被告について改めて死刑を求めた。【沢田勇】

 弁護側は1審判決後、独自に臨床心理士に依頼して心理鑑定を実施した。この結果、1審で無期懲役判決を受けた川岸被告は「軽度の知的障害があり、物事全体を理解する力や現実を吟味する力が弱い」、死刑を言い渡された堀被告は「自己主張するよりも同調する傾向や受動的な態度が強い」として1審同様「殺害は場当たり的で直前まで意図していなかった」と主張した。

 そのうえで、川岸被告については「殺害への関与は従属的。自首がなかったとしても無期懲役が相当」と指摘。自首への評価を加えて有期刑を求めた。堀被告については、遺族が受け取りを拒否した謝罪文を読み上げて「改悛(かいしゅん)の情が顕著で反省している」と無期懲役を求めた。

 弁護側は鑑定結果を証拠提出し採用された。検察側は鑑定結果の信用性を争う方針。

 公判で検察側は、川岸被告が闇サイトに犯行を呼びかける書き込みをしたことに触れ、「犯罪集団を結成し、犯行の中心的人物」と指摘。

 自首については「死刑や共犯者からの報復を回避する自己保身のためで、過大評価すべきでない」として死刑を求めた。堀被告についても控訴棄却を求めた。

 次回公判は9月24日。両被告の心理鑑定を行った臨床心理士が証人として出廷する。


 ◇「謝罪の意思あるなら死刑受け入れて」 被害者の母、反省に疑問

 法廷で2被告側が語ったのは反省と事件後の苦悩だった。公判後に記者会見した磯谷さんの母富美子さん(58)は「減軽のための形作りとしか思えない」と反発した。

 堀被告は出廷の際、富美子さんが座る傍聴席最前列に一礼。弁護人によると、09年8月と今年3月に書いた謝罪文2通を弁護士を通じて富美子さんに渡そうとしたが、受け取りを拒否された。公判ではこの2通が証拠採用され、弁護人が全文を朗読した。

 謝罪文は「裁判で言い渡される刑と私が背負うべき苦しみは必ずしも同じではない。(刑と別に)純粋な謝罪をしなくてはいけないと思った」と訴えた。

 また川岸被告は氏名や本籍地を裁判長から問われてろれつが回らず、再質問される場面もあった。弁護人は「被害者の『殺さないで』との声や断末魔の叫びを思い出し、幻覚や幻聴が激しくて薬を手放せない」と近況を説明。1審で減軽理由となった自首は、犯行に真摯(しんし)に向き合った反省の表れだと主張した。

 一方、閉廷後に会見した富美子さんの胸に堀被告の謝罪の言葉は響いていなかった。

 「謝罪の意思があるなら、相手が求めていることに合わせて償いをするはず。控訴を取り下げて、死刑判決を受け入れてほしい」

 川岸被告の心理鑑定で軽度の知的障害が指摘されたことにも「普通に家庭を持ち仕事をしていた。普通に生活できる状態だった」と疑問を投げかけた。

 「もう娘に怖かった事件のことは早く忘れてほしい。1審で持ってきた写真も持ってこなかった」と語った富美子さん。被告の反省が強調された第1回公判を「被告のための裁判なんだなと改めて思った」と振り返った。【秋山信一】




闇サイト殺人、検察「極刑を」 控訴審初公判 

 10年8月10日(日本経済新聞・記事抜粋)


 名古屋市千種区で2007年8月、闇サイトで知り合った男3人に会社員の磯谷利恵さん(当時31)が拉致・殺害された事件で強盗殺人罪などに問われた無職、堀慶末被告(35)=一審、死刑=と同、川岸健治被告(43)=同、無期懲役=の控訴審初公判が9日、名古屋高裁(下山保男裁判長)であり、検察側は「川岸被告が犯行の中心的人物」として同被告への死刑判決を改めて求めた。

 一審・名古屋地裁は川岸被告が犯行後に出頭したことを自首と認定、起訴された3人の中で唯一、死刑ではなく無期懲役を言い渡していた。

 検察側は控訴審で「川岸被告が闇サイトで犯行を呼びかけており、重要な役割を果たした中心的人物」と指摘。自首については「犯行後の疲労により一時の迷いから出頭した。過大に評価することはできない」と断じ、「極刑をもって臨むべきだ」とした。

 弁護側は一審判決後に実施した両被告の心理鑑定結果を証拠として提出。川岸被告は「低度の知的障害に加え、発達障害もある」と強調。「自首は良心のかしゃくからだった」と有期刑への減刑を求めた。

 堀被告の弁護人は「人を殺してまで金を得ようとは思っていなかった」と述べた。

 2被告とともに起訴された神田司死刑囚(39)は控訴を取り下げ、死刑が確定している。




闇サイト殺人控訴審で検察側が死刑主張 

 10年8月10日(共同通信・記事抜粋)


 名古屋市で2007年、会社員磯谷利恵さん=当時(31)=が携帯電話の「闇サイト」で知り合った男らに拉致、殺害された事件で、強盗殺人や死体遺棄の罪に問われ、一審で死刑判決を受けた堀慶末被告(35)と、無期懲役判決の川岸健治被告(43)の控訴審初公判が9日、名古屋高裁(下山保男裁判長)で開かれた。

 検察側は川岸被告にあらためて死刑を求めた。堀被告の弁護人は無期懲役を、川岸被告の弁護人は有期刑が相当と主張。一審に続き、殺害された被害者が1人の場合に死刑適用が妥当かが争点となる。

 検察側は「川岸被告は仲間を募った張本人。自首を考慮したとしても極刑はやむを得ない」と主張した。

  両被告の弁護人はそれぞれ、一審判決後に臨床心理士による心理鑑定を実施。堀被告は「他人に同調しやすい性格」、川岸被告は「現実を吟味する力が弱く、見通しを欠いた行動を取りやすい」などとする鑑定書を提出した。