第二審・第2回公判の概要(報道より)






闇サイト殺人控訴審で検察側が死刑主張 

 10年9月25日(中日新聞・記事抜粋)


 名古屋市千種区で2007年8月、会社員磯谷利恵さん=当時(31)=が男3人に拉致、殺害された「闇サイト事件」で、強盗殺人罪などに問われた堀慶末(よしとも)(35)、川岸健治(43)両被告の控訴審第2回公判が24日、名古屋高裁であった。両被告の心理鑑定をした臨床心理士が弁護側証人として出廷し「金に困るなど同質的な3人による同調行動が事件につながった」と凶悪化の要因を分析した。

 臨床心理士は山田麻紗子・日本福祉大准教授。両被告それぞれの弁護人から依頼を受け、両被告との面接や心理テストなどを基にまとめた鑑定報告書が控訴審で証拠採用されている。

 山田准教授は両被告とも「攻撃性はうかがえない」と説明。堀被告を「自己主張より同調を選びがち」と指摘し、集団の特性がなければ凶悪犯罪は「想定しにくい」と述べた。川岸被告には「サスペンスドラマを見ているようだった」という面接での発言や軽度知的障害を挙げ、「どこまで認知して犯行に及んだか疑問」との見解を示した。

  一審の名古屋地裁判決は、インターネットの闇サイトで知り合った集団による発覚困難な犯行という点を重視。神田司死刑囚(39)=控訴後に取り下げ=と堀被告を死刑、犯行直後に自首した川岸被告を無期懲役とした。




控訴審の公判で臨床心理士証言 

 10年9月25日(毎日新聞・記事抜粋)


 名古屋市千種区の派遣社員、磯谷利恵さん(当時31歳)が07年8月、闇サイトで集まった男3人に殺害された事件で、強盗殺人などの罪に問われた堀慶末(35)と川岸健治(43)両被告の控訴審第2回公判が24日、名古屋高裁(下山保男裁判長)であり、弁護側の依頼で両被告の心理鑑定をした臨床心理士の証人尋問が行われた。

 臨床心理士は事件について「失うものがない同じような3人が同調し、不幸にも事件を実行に移した」と指摘。主導的な役割を果たしたのは神田司死刑囚(39)とし、堀被告については「悪さ自慢で相手に後れを取らないようにエスカレートしたのであって、当初は殺意はなかった」と述べた。川岸被告については明らかな知的障害があるとした上で「善悪の葛藤(かっとう)に苦しんで自首した」と述べた。

  一方、検察側は「両被告の供述は食い違っているがどれを基にしているのか」と鑑定に疑問を呈した。






「集団性でエスカレート」 闇サイト控訴審で心理士 

 10年9月25日(産経新聞・記事抜粋)


 名古屋市で平成19年、会社員、磯谷利恵さん=当時(31)=が男3人に拉致、殺害された「闇サイト」事件で、強盗殺人などの罪に問われた堀慶末被告(35)と川岸健治被告(43)の控訴審公判が24日、名古屋高裁(下山保男裁判長)であり、2人の心理鑑定をした臨床心理士が「3人の組み合わせと集団性が事件を引き起こした」などと証言した。

 臨床心理士は両被告が神田司死刑囚(39)と3人で犯行を起こした集団性に着目し「3人がそれぞれ悪さ自慢をし、エスカレートした。3人とも社会からドロップアウトしている点で同質性があり、共通の目的を持ちやすかった」などと分析結果を述べた。

  心理鑑定は、昨年3月に1審名古屋地裁で堀被告が死刑、川岸被告が無期懲役の判決を受けた後に実施。山田氏が両被告との面会や心理テストを通じ、事件の背景などを調べた。