上告棄却(報道より)








堀被告の無期懲役確定へ=一審死刑、闇サイト殺人―最高裁

 12年7月13日(時事通信・記事抜粋)


 名古屋市で2007年、会社員磯谷利恵さん=当時(31)=が男3人に拉致、殺害された闇サイト殺人事件で、強盗殺人などの罪に問われた無職堀慶末被告
(37)について、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は11日付で、検察側の上告を棄却する決定をした。一審の死刑判決を破棄し、無期懲役とした二審名古屋
高裁判決が確定する。

 決定は、「被害者が1人で、死刑がやむを得ないほど他の量刑要素が悪質といえないとした二審の判断に誤りはない」とした。

 名古屋地裁は09年、「闇サイトを使った犯行は模倣される可能性が高く、殺害方法も残虐だ」として、同被告と元新聞販売員神田司死刑囚(41)を死刑、自首し
た無職川岸健治被告(45)を無期懲役とした。

 これに対し、名古屋高裁は昨年、「果たした役割に差があり、矯正の可能性もある」として堀被告を無期懲役に減刑した。川岸被告は二審も無期懲役で確定
し、神田死刑囚は控訴せず、一審で死刑が確定していた。



闇サイト女性殺人、無期確定へ…最高裁死刑回避

 12年7月13日(読売新聞・記事抜粋)


 帰宅途中の女性が3人組の男に拉致、殺害された「闇サイト殺人事件」で、最高裁は、うち1人の被告について2審の無期懲役を維持し、1審の死刑判決を否定した。

 11日の決定。社会の安全に重きを置いた死刑選択か、極刑への抑制的な姿勢の維持か。裁判員裁判で被害者1人の重大事件に死刑判決も出る中、決定は究極の量刑判断を巡る問題提起となりそうだ。

 この裁判では、無職堀慶末(よしとも)被告(37)らが名古屋市千種区の契約社員磯谷(いそがい)利恵さん(当時31歳)を拉致、殺害した強盗殺人などの罪に問われた。堀被告は1審で死刑、2審で無期懲役を言い渡され、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は決定で検察側の上告を棄却した。無期懲役が確定する。

 検察は3人全員に死刑を求刑したが、1審死刑の神田司死刑囚(41)は控訴を取り下げて確定。1、2審で無期懲役の川岸健治受刑者(45)は検察側が上告せず確定しており、同事件の刑事裁判は終結する。

                          闇サイト殺人、被害者の母「結果報告できない
                                                                 
                                                                 12年7月14日(読売新聞・記事抜粋)


「娘に何もしてあげられなかった」。

 名古屋市千種区の契約社員磯谷利恵さん(当時31歳)が殺害された「闇サイト殺人事件」から間もなく5年。強盗殺人罪などに問われた堀慶末被告(37)の無期懲役判決が確定することに、最愛の一人娘を失った富美子さん(60)は大粒の涙を流し、声を振り絞った。

 富美子さんは13日午後5時頃、代理人を務める弁護士からの電話で、最高裁が検察側の上告を棄却したことを知り、全身の力が抜けた。仏壇の前に座り込んで利恵さんの遺影に手を合わせ、「ごめんなさい」と謝るしかなかったという。

 名古屋市の自宅で読売新聞の取材に応じた富美子さんは「本当に悔しい。こんな結果を娘に報告できない」と、唇をかんだ。

 厳刑を求める署名はさらに増え33万人分を超えたが、思いは届かず、「被害者がないがしろにされている。量刑は、被害者の数で決めるべきではない」と悔しさをにじませた。





<闇サイト殺人>最後の被告、無期確定へ…最高裁、上告棄却

 12年7月13日(毎日新聞・記事抜粋)


 名古屋市千種区の派遣社員、磯谷(いそがい)利恵さん(当時31歳)が07年、闇サイトで集まった男3人に殺害された事件の上告審で、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は11日付で、強盗殺人などの罪に問われた堀慶末(よしとも)被告(37)への死刑を求めた検察側の上告を棄却する決定を出した。1審死刑を破棄して無期懲役に減刑した2審判決が確定する。

 共謀の神田司死刑囚(41)は1審の死刑判決が控訴の取り下げにより確定。自首した川岸健治受刑者(45)は1、2審の無期懲役が確定している。検察が男3人に死刑を求刑した裁判は、1人の死刑と2人の無期懲役が確定し、終結する。

 裁判官3人全員一致の意見。名古屋高検検事長として事件に関与した小貫芳信裁判官(検察官出身)は審理を回避した。小法廷は「被害者は1人で、『死刑がやむを得ないといえるほど他の要素が悪質とは断じがたい』と判断した2審が誤りとはいえない」と指摘。「身代金目的誘拐殺人と同視すべきだ」との検察側主張については、「同視は相当でない」と退けた。

 1審・名古屋地裁判決(09年3月)は事件を「インターネットを通じて強い利欲目的だけで集まった犯罪者集団の起こした事件。凶悪化、巧妙化しやすく極めて悪質性が高い」とした。これに対し2審・名古屋高裁判決(11年4月)は「インターネットを悪用した犯罪を過度に強調するのは相当でない」と減刑した。【石川淳一】

 ◇闇サイト殺人事件◇

 携帯電話の闇サイトで知り合った男3人が共謀して07年8月、名古屋市千種区の路上で、帰宅途中の磯谷さんを拉致。現金約6万円とキャッシュカードなどを奪い、暗証番号を聞き出した上で頭をハンマーで数十回殴り、首をロープで絞め殺害した。3人はカードで現金を引き出そうとしたが、磯谷さんがうその暗証番号を教えていたため未遂に終わった。

 ◇母、司法に失望感

 磯谷利恵さんの母富美子さん(60)は、堀被告の無期懲役確定について「人を1人を殺したら死刑になるという判例を作りたかった」と述べ、利恵さんの遺影に手を合わせて「ごめんなさい」と繰り返した。

 富美子さんは3人への極刑を求め続けてきた。「結果がこれなら、何もやってこなかったのと一緒」と語り、司法に対する失望感をあらわにした。

 富美子さんは事件後から3人の極刑を求める署名を集め、今月6日現在で33万2608人に達した。「多くの人が3人を許せないと思ってくれた」と、署名を寄せた人たちへの感謝の気持ちを述べた。【沢田勇】

 ◇解説…死刑選択「被害者数」重視強まる

 犯罪のため闇サイトで集まった男3人による殺人事件は、控訴取り下げで自ら死刑を確定させた1人を除く2人の無期懲役が決定した。殺害の被害者が1人の場合、特殊な事情がない限り、事件が残虐であっても極刑を避けようとする司法判断の傾向が背景にある。

 「犠牲者1人」の被告の死刑確定は、重大な前科がある場合や、身代金目的誘拐などのケースに限られてきた。今回の事件で1審は「この種の犯罪は凶悪化、巧妙化しやすい。発覚しにくく模倣の恐れも高く、社会の安全に重大な脅威」と闇サイトで生まれた共謀の特殊な事情を厳しくみたが、2審は評価を覆した。小法廷も「動機に酌量の余地はなく極めて残虐で無慈悲」と指弾しつつ、特殊事情を認めなかった。

 83年に最高裁が死刑判断基準とされる「永山基準」を示した後、死刑を求める検察の上告を最高裁が認めたのは2件。被害者が1〜2人で控訴審判決が無期懲役だった強盗殺人事件5件を97〜98年に連続上告したうちの1件(99年)と、山口県光市の母子殺害事件(06年)だけだ。

 裁判員制度下で最高裁が下級審の判断を尊重する姿勢を示していることに加え、被害感情▽犯行時年齢▽残虐性−−など9項目を総合考慮するとした同基準の中で「被害者数」をより重視する傾向が強まっているともいえる。【石川淳一】



堀被告の無期懲役確定へ 名古屋闇サイト事件

  12年7月13日(産経新聞・記事抜粋)


 名古屋市千種区で平成19年、「闇サイト」で知り合った男3人が、会社員の磯谷利恵さん=当時(31)=を拉致、殺害した事件で、強盗殺人罪などに問われ、1審で死刑、2審で無期懲役とされた堀慶末被告(37)の上告審で、最高裁2小法廷(千葉勝美裁判長)は、検察側の上告を棄却する決定をした。11日付。無期懲役が確定する。

  闇サイト事件では、すでに共犯の神田司死刑囚(41)の死刑と、川岸健治受刑者(45)の無期懲役が確定しており、これで裁判は終結する。

  被害者が1人の事件で死刑が選択されるかが焦点となった。同小法廷は「動機に酌量の余地はなく、刑事責任は重大だ」と指摘。しかし、2審名古屋高裁判決が、インターネットを悪用した犯罪であることについて「過度に強調するのは相当ではない」などとして、「死刑の選択がやむを得ないといえるほど悪質だとは断じがたい」と結論づけたことに、同小法廷は「判断が誤りとはいえない」と支持した。

  2審判決によると、堀被告は神田死刑囚らと共謀し、19年8月、磯谷さんを車で拉致し、現金を奪い、金づちで頭部を殴るなどして殺害。岐阜県内の山林に遺体を遺棄した。



闇サイト殺人、被告の無期確定へ 最高裁が上告棄却

 12年7月14日(朝日新聞・記事抜粋)



 名古屋市で2007年8月、会社員磯谷利恵さん(当時31)が男3人に拉致、殺害された「闇サイト殺人事件」で、最高裁第二小法廷(千葉勝美裁判長)は、強
盗殺人などの罪に問われた堀慶末(よしとも)被告(37)について死刑を求めた検察側の上告を棄却する決定をした。11日付。一審の死刑判決を破棄し、無期
懲役とした二審判決が確定する。
 
 この事件は、犯罪に関する情報などを交換するインターネット上の「闇サイト」を通じ、面識のなかった3人が起こしたことで注目された。神田司死刑囚(41)の
死刑、川岸健治受刑者(45)の無期懲役はすでに確定。遺族が3人の極刑を強く望み、検察側は全員に死刑を求刑したが、今回の堀被告に対する決定によ
り、死刑1人、無期懲役2人で刑事裁判が終結することになった。
 
 決定で第二小法廷は、3人がネットを通じて知り合ったことを過度に強調すべきではない▽犯行を主導した神田死刑囚と責任を同等にみることはできない▽
当初から残虐な殺害方法を計画したわけではない――などとした二審・名古屋高裁判決(11年4月)の判断を踏襲。被害者が1人である事情にも触れた上で、
「無期懲役が甚だしく不当とは言えない」と述べた。