指輪カードと私

Middle-earth Collectible Card Game

 コアラブックスより、指輪物語映画に向けての紹介のムックが出版されることに なったそうです。
題名は「『指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)』−指輪をめぐる環−」で、 いろいろなホームページの管理人の協力を得て、指輪物語の魅力の紹介を 編集したものになるようです。

私の所にも「サイトの記事を引用させてください。」
との依頼があったのですが、
「自分の記事は、ずっと昔に書いた物であるし、 本に載せるにはあまりにも恥ずかしいものなので、 遠慮させてください。」
と伝えたところ、
「それでは、 カードについての説明だけでも。」
との希望があったので承諾しました。
以下、原稿として提出したものを掲載しておきます。

 知らない人が見ても面白さが伝わるものにしたかったのですが、 ゲーム紹介とカード紹介でたくさん使ってしまいました。 自分的にはいろいろな人との出会いが一番大事な所だったのですが・・・。

 本自体は、ネットの有名指輪サイトのダイジェストの様で、 本の中でのオフ会と言う感じで個人的には期待しております。

ページ数の関係で支離滅裂に編集されていなければ良いのですが・・・。

指輪物語カードゲーム-幻のカードゲーム
「Middle-earth Collectible Card Game」

1)「Middle-earth Collectible Card Game」の全景

「Middle-earth Collectible Card Game」は、 トールキンの世界をゲーム化することに成功した米国I.C.E (Iron Crown Enterprises)社 より発売されたトレーディング・カードゲーム(トレカ)です。
I.C.Eは1984年からミドルアース・ロールプレイング (MERP)というゲームを発売し、 トールキンの世界を多くの人々がテーブルトーク・ロールプレイングゲーム (TTRPG) という形で楽しめる手段を提供してきました。
「Middle-earth Collectible Card Game」は、(MERP)の世界を引き継ぎ、 1995年に米国で発売され、日本では(株) やのまんより日本語版が1997年に発売されました。

しかし、発売元のI.C.Eが2000年に会社更生法をうけて、 倒産してしまったために、現在では生産されていません。
 にもかかわらず、未だに根強いファンの支持を受け、国内、海外で大会が開かれています。
これから手に入れるのは難しいと思いますが、指輪物語CCG(MECCG)につい てご紹介していきましょう。

「Middle-earth Collectible Card Game」の基本セット(The Wizard)
は全484枚のカードから構成されています。
そのうち、レアリティ(貴重度)のうちわけは レアカード(とても出にくい)121種
アンコモンカード(あまり出ない)121種
コモンカード(たくさんだぶる)184種
固定セットのカード(スターターボックスにしか入っていない)58種
となっています。
15枚入りのブースターを例に 取ると、15枚のうちわけは、 レア(R)1枚:アンコモン(UC) 3枚:コモン(C)11枚となっているので、コンプリートをする ような状態では、コモン、アンコモンはだぶり、 最終的にはレアカードがどれだけ手に入るか が勝負の分かれ目となります。
 そして、レアカードは全部で、 121種類なので、どんなに運が良 い人でも、コンプリートするためには、最低でも(1枚もだぶらなく ても)121パックのブースターを買わなければなりません。
 日本語版指輪カードのブースターは 定価1パック500円、コンプリートするためには 500円X121パックー最低でも6万円 必要となります。
 まして、121枚全てだぶらずに集めることは不可能なので、 「トレード(ほかの人とカードを交換すること)」に頼る事になります。

しかし、トレードを駆使しても普通に考えたら、その最低必要枚 数の倍くらいのカードが必要になります。
 つまり、指輪カードをコンプリートするにはおよそ10万円近か かるという見込みになります。
(ザ・ウィザードセットだけで)トレーディング・カードのコレクションは 「金を湯水の用に使う道楽」と言われることもあります。
使ったお金の分だけ満足が出来るかは、その人次第です。
本当に好きな人でなければ楽しめないと思うので、 無理におすすめはしていません。


2)ゲームの目的と流れ

「Middle-earth The Wizard」では、 プレイヤーは中つ国の5人のウィザードのうちの一人となって、 サウロンの軍勢に対抗する力を集めます。
各々のウィザードは中つ国の各地を回って、強力なアイテムを手に入れたり、 援助者を仲間にしたり、はたまた、軍勢(集団)を説得して味方に引き入れたりします。
また、凶悪なドラゴンやナズグルを倒すことで、人々の信望を得ることもできます。
各ゲームの終了時に「自由の民会議」が開かれ、 どのウィザードがこの目的をもっとも良く達成したか、が決定されます。
達成度は統率ポイントの合計で決定し、 もっとも統率ポイントを多く獲得したウィザードが「自由の民」 の指導者にえらばれ、そのウィザードのプレイヤーがゲームに勝利します。

カードの種類には、ウィザードカード、 キャラクターカード、サイトカード(場所を表す)、 リソースカード(自由の民の役に立つ肌色ののカード)、 ハザードカード(自由の民の行く手を妨害する黒のカード) があります。
 それぞれのカードには、能力や効果、活動出来る場所、 使用制限などが記入されていて、それにしたがってプレイしていきます。
 ゲームを始める時には、まず、自分の化身となる ウィザードを選び、お供のキャラクター、それに リソース・カードと、ハザード・カードをそれぞれ30枚づつ用意します。
 選んだカードの束をデッキ(山札)と呼びます。
ゲームはデッキからカードを引き、それを使って進めていきます。
それぞれのプレイヤーが独自のデッキを構築することによって、 多種多様な戦略が生み出されます。このデッキ構築もゲームの楽しみの一つです。



3)MECCGの魅力と弱点

「Middle-earth Collectible CardGame」の魅力は、 カードのイラストの美しさ、コレクションの楽しさのほかに、 ゲーム上でのトールキンの世界の再現度の高さ、プレイの自由度の高さ、 そして類を見ないほどの複雑さにあると言われています。

MECCGでは、いろいろなカードによって、 中つ国=トールキンの思い描いた世界を表していますが、 トールキンの奥の深い世界を忠実に再現するには、 たかがゲームといえども複雑にならざるを得なかったのです。

プレイヤーは自由に仲間を選ぶことが出来、 その仲間たちは広い中つ国の中を自由に動き回ることが出来ます。

「ホビットの冒険」にある、魔法使いと13人のドワーフ、 ホビット一人のカンパニーを作ることも、 また、原作「指輪物語」の通りに9人の旅の仲間を編成する事も出来ます。

さらに、プレイヤーは原作のストーリーのほかに、 独自の新たなデッキを作り上げることで、新しい中つ国のドラマを 創り出すことが出来ます。

小さい人ホビット達にではなく、「エルロンド」「ガラドリエル」 の2人のエルフの王に指輪棄却の使命を託す事も出来ます。
(そして、それは失敗するかもしれません。)

また、後の拡張セットでは、指輪を求めるナズグルや、 サウロン自身をプレイすることも出来ます。

このように、ほかに比肩するものの無いほど深みのあるゲームでしたが、 それが同時にこのゲームの弱点でもありました。
複雑で難解なルールのゲームを好まない人は、 MECCGを選びませんでした。

新たな拡張セットが出る度にそのルールの複雑さはいや増し、 新しくゲームを始めようと思うプレイヤーには敷居が高くなっていきました。

MECCGは多くの人が気楽に遊べる、標準的な難易度のゲームのルールには 収まりきらなかったのです。


しかし、MECCGの魅力はその複雑さにある、 と言う人も多くいます。
サポートが終了した後も自分たちで大会を開き、 MECCGを生かし続けようとしているプレイヤーの多くは そのように考えている人たちです。

発売元が倒産して、サポートが終了し、 それでも、世界中のプレイヤーに愛され続けて、生きづづけるゲーム。
新しいカードが発売されないのに、今なおも新しい戦略が次々と生まれ、 古くなると言うことを感じさせないほどの奥の深いゲーム
今まで、このようなカードゲームがありましたか?
MECCGの生き残りは、 カードゲーム界の歴史に於いてあり得なかったことで、 驚異的な事である。と言われています。



4)そして、世界へ

 2000年の世界大会はオランダでしたが仕事の関係で、参加できませんでした。

 2001年、モントリオール・カナダ大会は8月に開催されると知らされました。 なんとか仕事の都合がつくかも・・・。

しかし、行ってみても、自分の勉強してきた英語が通じないかもしれない、
違う文化圏からの参加、又はあまりにも弱くて馬鹿にされるかもしれない、
たったの数日観の滞在で、観光も出来ないほど忙しく、数十万円もかかる。

行くべきか、行かぬべきか迷いましたが、 「これが最初で最後のチャンスかもしれない。」と思い決断。
日本人のプレイヤーである2人の友人と共に、カナダへ渡航。

4泊5日の大会では様々な素晴らしい思い出を作って帰ってくることが出来ました。 (ここでは書けません。)

このゲームに出会った事によって、 いろいろな人々と出会えることができ、 ホームページを作り、トールキンの世界をより深く知り、 世界大会にも出場し、世界中のトールキンファンと出会え、 語り合えたことが、かけがえの無い体験で、大きな感動でした。
どれほどお金を積んでもこんな経験はできないと思います。

今までにかけたお金、情熱、苦労などが報われた思いでした。

世界大会の閉会式では私も、いっしょにいたOKKOさんも涙しました。


2002年の世界大会はヨーロッパ、ベルギーで、 2003年はドイツのホーヘンソルム城を借りての開催が 有力となっています。
今からでも、遅くありません。(英語の力があるとなお良い) 興味を持たれたらこちらのサイトをのぞいてみてください。
カードが手に入らなくても、英語力と根性があれば 外国の人と対戦できるネットミドルアースと言う手段もあります。


 中学生の頃、ファンタジーの世界にあこがれて、 いつか大人になったら、外国の人と英語でテーブル・トークRPGをやってみたいなぁ と夢に見ていましたが、世界的にテーブル・トークRPGが下火になった今、 テーブルトークこそ出来なかったものの、 こうして、トールキンの世界をもとにしたゲームを一緒にやっていることで、 夢がちがう形でかなったのだなぁと思いました。
もともと、私は中学生の時、トールキンの原書を読みたくて、英語の勉強をがんばりました。
そして、やっとなんとか原書が読めるくらいの英語力が身に付きました。
「指輪物語」は私の人生を変えた作品で、間違いなく、歴史に残る小説です。


なお、2001年にDecipher社より映画Lord of the Ringsに基づいた トレーディングカードゲームが発売されました。
こちらの方がルールが単純で、今後幅広い層に受け入れられるであろう事を 書き加えておきます。
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