2001年世界大会報告

第1日目サイドイベント
「ダッチブースターシールド戦」参戦記

記憶に頼ったリプレイ&プレイした感想

 オランダのアルコ氏や鈴木さんの尽力もあり、せっかく予選免除できる事になったので、 オープンと平行して行われたサイドイベント 「各国のランキング最上位の予選免除者達による天上人の祭典: ダッチブースターシールド」に参加する (世界の強兵たちと戦えるイベントなので、実はこれがやりたかった)。

構築条件はオランダ語のTHE WIZARDのスターター1つとブースター3つのみで、 その場でリソース・ハザード25枚以上ずつのデッキを作る(残りはサイドボード)。
サイト等の補給は無く、クリーチャーは最低10枚。18MPで自由の民の会議が招集できる。 後は構築戦と同じ。とにかくサイトが少ないのがきつい。

 オランダ語のかっこいいTHE WIZARD(パッケージイラストが英語版と違う) のスターター1とTHE WIZARDブースター3をばりばり開けて、中を確認する。
すごい!!カード名(ここだけが英語)以外、全く読めない!!

 特に、キャラクターの技能がさっぱり分からない。どれが野伏で、どれが斥候なんだ???
集団の呼集に必要なダイス目も、英語式(GREATER THAN〜)か日本語式(〜以上) かどちらの表記かも分からないし、クリーチャーのストライク数も数字じゃなくて オランダ語なので分からない。

正に「全てのカードとその効果を覚えているかどうか」を試されている感じ (オーク襲撃隊のストライク数とか即答できます?)。


レアは

「大烏のロアーク(北ロヴァニオンに属するサイトがないので役立たず)」

「ディーアのホアルムーラス(これはなかなか良い)」

「サウロンの意志(長期災厄イベントがほとんどないので役立たず)」、

そして素敵な事に「馬鍬砦(飛影もないので役立たず)」

「エレヒ谷(ラメドンの兵もエレヒの石もないので役立たず)」

「死者の軍勢」・・・で「死者の道」がない(そしてアラゴルンもない)。

すっげー中途半端なコンボパー ツ。このがっくり感もシールドの醍醐味(?)。

レアキャラクターはなく、同盟者はゴクリのみ(これは貴重)。

そして、なぜかダエロミンがコモンのスロットに!と思ったら、 オランダ語はミスプリントで「自然の誘い」がダエロミンのイラストになっていた。 なかなかかっこいい(思わず誘われそうなほど)。 非限定版の本当のレアのダエロミンより色が濃くて、心もち強そう。

固定セットはグロールフィンデルパックで、 ファラミアとイシリエンの野伏が入っている (失敗した事に、固定セットの内訳リストをたまたま人に貸していて手元に無かった。

相手が出したキャラクターを見ても、固定セットの内訳が思い出せなかった)。

 とにかく、クオリファイの交渉で参加が遅れたので15分で50枚のデッキを作らねばならない (考える時間はほとんどない)。 とはいっても、逆に使えないカードがわんさか入っていたので、 それを抜いたら50枚くらいになった(ほぼ選択の余地なし)。

サブキャラとかは、とにかく野伏を選択しておく (実は野伏と思って入れていたサブキャラが全部武人である事にプレイ中に気づく。 道理で野伏が多いと思ったよ)。

リソースはナルシル、マザルブルの書、メジャーアイテム4つと徹底探索2枚のコンボ、 金の指輪2つ、固定セットの褐色人とイシリエンの野伏の集団2つ、同盟者ゴクリ。

回避や武勇修正イベントはない(かろうじて年老いたツグミと、 スペルの退散と精神の昂揚が1枚づつ)。

ハザードは洞穴のドレイク2枚、その他オークもろもろ、ワーグ、狼、 大クモ等のクリーチャー達と、自然の誘い、創造の誘い、河、 沸き立つ下僕達等のごちゃ混ぜハザード(特に特徴はない)。

こんなものといえばこんなものだけど、いわゆるぱっとしないデッキ。

 その紙の束・・・もとい、我がシールドデッキを抱えて慌てて最初の対戦者のもとへ。


第1戦 対SIMONE DE RUYTER  

数少ない女性プレイヤーというのみならず、その美貌で人目を引いていた オランダのシモーヌが初戦の対戦相手。

色んな意味ですっごく緊張した(他意は無いです。初の世界大会、 初の女性との試合、初のシールド公式戦、初のオランダ語等々)。

で、とりあえずスタートすると、相手のレベルの高さを思い知る事になる。

第2ターンくらいでファラミアが殺されたことは覚えているが、 後はほとんど覚えていない(「北斗の拳」のトキの拳で殺される悪党のように、 気持ちよく殺された。

で、子供に話しかけるようにバッドラックって慰められた・・・)。

 序盤にモリアで「マザルブルの書」をプレイ。よしドワーフ砦で収納して5MPだ! と思ったら、なぬ?サイトカードが無い??がーん! そうです、ドワーフの砦は一枚も引けなかったのです。

忘れていた・・・。

向こうは着実なプレイでこつこつ順調に点を稼いでいく。

「潜む」も「捨身の一撃」の一枚もないデッキなので(やたらと 「よき辺境の旅」はあるが)、オークやら大クモやら、 コモンな奴らにどんどん殴られて手が進まない(幾つかはMPになったものの、 手が遅れるロスの方が大きい)。

相手は「こっちのコモンなクリーチャーを殺しつつ」「確実にリソースもプレイ」していく。

なんで?って言うくらい差がつく。デッキ性能も腕も全て上でした。


シモーヌの話はカントリーカップでも出てくると思うので、鈴木さんに彼女の話は譲ります。 とにかく強かった。
正に「全てのカードの使い方を心得ている」感じでした。
完敗(12MP対18MPで、1-5)。 それにしても、舞い上がって沢山ミスをした気がします(相手は多分ノーミス)。

第2戦 対LAURENT DECOTTIGNIES  

美しいお姉さんにこてんぱんにされて、 なにか別の快感が芽生えそうになりつつ(やばい)、 次はフランスの普通のお兄さん。

 今度は一進一退の出来。こちらのしょぼいハザードもそれなりに効き、 ずっと優勢のまま進む。

タイムオーバーになって、こちらのラストターン、 なんとかぎりぎりリードしていたので、どうするか迷うが、結局動かずに逃げ切る。 相手は効果的なハザードが出せず、逃げ切り勝ち(20MP対17MPで、4-2)。

でも、逃げ切り勝ちってどうも後味悪い。

第3戦 対LUC SCHRUERS  最後の第3試合はベルギー代表のLUC(リュック)。

後でトレードもしてくれてフレンドリー人だった。  

LUCとは固定セットがかぶり、ドラフトがひどい事になる。

こちらはバーリン、向こうはペアスがメインキャラ(後はお粗末な弱いコモンドワーフやバルド等)。

モリアにアイテムをプレイに行くも、毎回毎回影の砦をキーにオークやアンデッドをプレイされ、 なかなかモリアに入れない(数ターン無駄にする)。

ポイント的には一進一退で、相手数ポイントほどリードでこちらのラストターン。

前のターンにモリアで「モリアのバルログ」が得意げに現れて

「モリアは封鎖したぜ」とLUCは余裕をこいていた。

どうせ、一敗して優勝の目はないし、先ほどの逃げ切り勝ちにはドラマがなかったから、 いっちょ盛り上げるかってことで、 前のターンモリアの入口で止められたカンパニーが移動せずに、 そのままラダガストが「モリアのバルログ」に特攻。

LUCはクレイジーって顔をするが、「年老いたツグミ」が出るとちょっとびびりはじめる。

そうです、実は「モリアのバルログ」は身体がなく、 返り討ちにあうと5MPというとんでもないリスクを負っているのです。

「現身の犠牲」があればすっごくかっこよかったんだけどなあ・・・ (せめて「捨身の一撃」の一枚くらいあれ ば)。

バルログ武勇18でツグミで−3して15、ラダガスト6で、 10が出れば5MP取れる。で、ロール。しかし、10は出ず、 ラダガストは負傷して、1MP差で惜敗(14MP対15MPで、2-4)。 こういうのを欧米の人は「神風」とか「クレイジー」って思うのかなあ (要するに盛り上げたかったんだけど。

ついでに逆転したかったんだけど。でも、冷静に考えれば当然のプレイでしたね)。

 結果、10人中、1勝2敗で7位でした(トーナメントポイント7点)。
やれやれ、とにかく緊張した。1勝できたから良い事にしようか (その時は負けてへこんだけど、よい交流でした)。

参加賞でダイスをもらって解散。ちなみに優勝はシモーヌで全勝でした・・・ さすが(シモーヌに負けた事を美しい思い出のように、 むしろ誇りのように感じる自分が怖い。何か刷り込まれたのか?トラウマか!?)。

やってみて気づいた事は、ほぼ全員が警戒カードを使うという事。

手札が進む時だけ使っていたのかどうかまで確認できませんでしたが、 なにはともあれ必ずのようにブラフで使っていました。そして、皆シールド慣れしていました・・・。 カードの効果は全て暗記して、あらゆる事態を想定しているようでした。 ちなみに、我が徹底探索コンボは一度も爆発しませんでした。

今日の格言「シールドはモリア始まりモリアに終わる」
  THE WIZARDでグレーターアイテム(大抵ナルシルかオルクリスト。たまにパランティア) がプレイできるサイトは固定セットではモリア(3つの固定セットに入っている) とはなれ山(2つの固定セットに入っている)しかない。
後、引き当てる事が期待できるのは 「死者の沼地(影の砦アンコ)」「グンダバド山(影の砦アンコ)」 くらいで、それ以外はレアだからほぼ期待できない。
誰もがコモンの「いがみ合う闇の軍勢」でモリアに行く事を思いつくので、 大抵の人がモリアに行くと考えられる (アラゴルンパックとスランデュイルパックには入っていないけど)。
影の砦をキーにする強いオークやアンデッドはデッキに入れおいて損は無いでしょう (警戒カードで影の砦の自動アタックを強化するのも悪くない)。

また、似た格言に「人は皆あやめ野に寄るものだ」があります (金の指輪もシールドでは貴重なMPだし、 あやめ野はコモンサイトだからよく使われます)。


 試合の後の余り時間は、オープンを戦う同朋を尻目に トレードばっかりしていました(実は言葉の問題で一人でかなり暇だった。

一人で食った昼飯のマックのマフィンは大味で不味かった)。


オランダのアルコ氏やベルギーのリュックはフレンドリーなトレードをしてくれました。
その他、ルールに詳しいブライアンにルールの質問とかしていました。

(終わり)

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