指輪物語との出会いについて

 15年ほど前、私が中学生の頃、世の中にはパソコンは普及しておらず、 シュミレーションゲームといえば米アバロンヒル社のボードゲームだった時代・・・。
同好の士に恵まれない片田舎で、ボードのファンタジーシミュレーションゲームなぞ 買ってもどうせ相手がいないと諦めて途方に暮れていた少年の元にある福音が もたらされた。
ゲームブックの登場である。
 多分当時出始めだったと思われるこの種類の本は、文庫本の各ページの各パラグラフ にナンバーが振られ、読者の選択に従ってあちこちのパラグラフに行ったり来たり して読み進めていく一人用のゲームの本だ。
それぞれのパラグラフに「ゴブリンに襲われた。戦うなら453番へ、 逃げるなら67番へ進め」とか書いてあり、 そうした選択を重ねてストーリーを進めていき、最後はハッピーorバッドorどうでもいい エンディングにたどり着く構造のものだ。
スタート時にさいころを振って本人のステータス(体力、武力等)を決め、 戦闘になったらさいころで片をつけ、 戦闘やイベントでアイテムを拾い、魔法の呪文を覚え・・・と今や馴染み深いシステムだ。
魔法に至っては、ゲームを始める前に巻末の呪文書を暗記し、ゲーム中開いてはならない ルールで、まるで受験のようであった。コピーすらそんなにお手軽でなかったその時代、 巻末の保有アイテムメモ欄は鉛筆と消しゴムの痕で穴が空くほどだった。
 この安い文庫本にはまった私はどんどん買っては、毎晩のようにさいころを握って ダンジョンに降りていた。
そうしてゴブリンやトロルなどに親しんでいったのだが、ある時ふと思った。
「ゴブリンって一体なにものだ?」
そして、ゲームブックの巻末まで読むと、「現在のファンタジーは、・・・指輪物語の影響を 多大に受け・・・」とある。
そして当然思った。
「指輪物語ってなんだ?」
で、「指輪物語」なる6冊の文庫本と「ホビットの冒険」を本屋で探し出して買ってみた (当然旧訳である)。
それが指輪物語との出会いであった・・・。

 「超サイコー、いけてるじゃん!」と当時の私が思ったかどうか定かではないが、 こうして指輪世界に入った私は、辛いとき、悲しいとき、暇なとき、度々中つ国を 訪れるようになった。
 指輪物語の素晴らしさについては、諸氏方々があちこちで述べておられると思うので、 ここで改めては述べるまでも無いが、とにかくはまれて面白いと思う。
序盤が単調で辛いという声も聞かれるが、一旦はまってしまえば関係ない。
逆にすべて読み終わった後、マゴットじいさんの犬は元気だろうかと感慨を込めて 思い出す。
そういう味があると思う。ただやはり、短すぎる・・・。

 ちなみに、個人的に好きなのはやはりサムとサムの最後の言葉「今帰っただよ。」
・・・だろうなあ、やっぱり。

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OKKO
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