茶外の茶 

「茶外の茶」とは、「お茶の葉を使っていないお茶(のような飲み物)」のことで、では何を使うかというと、お茶ではない樹木の葉っぱや樹皮、花、果物、木の実、、などなど。「花茶」「養生茶」と呼ばれることもあり、それぞれ何かしら”身体に良い”という効果がある、らしい。というか、お茶というより「お手軽漢方」ですね。乾物屋で材料を買ってきて自分でブレンドするもよし、予め材料がミックスされたティーバッグでお手軽に飲むもよし、喫茶店のメニューにもあり、さらには缶ドリンクで市販されたり、専門屋台が成り立ったりするほどポピュラーなものもあります。

● 冬瓜茶
冬瓜の砂糖漬けを煮出してつくる、夏の代表的な伝統飲料。”茶”色はしてますが、これは黒糖(紅糖)の色ですね。冬瓜も、洛神花(ハイビスカス−といっても、花を愛でるあのハイビスカスとはまた種類がちょっと違うらしいのですが)と同じく身体を冷やす作用があり、”冬”瓜なんだけど夏の食べ物なのね。夏に収穫して、風通しのいいところに吊るしておくと冬までもつ、というので”冬”瓜、だそうです。

んでこの冬瓜茶は、缶入りやブリックパックなどではもちろん定番。さらになぜかヤクルトのあの小さな容器に入ったものが定食や便當のオマケでついてくることもアリ。しかし、そういう既製品は、台湾のジュース類一般の例に漏れず、甘ぁ〜い!のがほとんど。しかも洛神花茶や青草茶と違い、妙に喉にネチネチとからまるような後味があるので、いくら冷えているとしても、とてもそれを飲んでサワヤカな気分には・・ちょっとなれないと思うのだけど。

で、そういうすぐ飲める缶入りやブリックパックの他、「冬瓜糖(冬瓜茶の素)」というものもよくスーパーで売っています。石鹸くらいの大きさの、怪しい茶色の直方体パックで一個20元くらい。家で鍋で溶かして煮るのですね。

しかし、そういう直方体の冬瓜糖は「おいしくないのよ!」というShu-Lingから紹介していただきました、”高家の”冬瓜糖。下の項で紹介した青草茶の名店、高家は、洛神花茶の誉れも高く、どうやらかなりの評判店らしい。ここの冬瓜糖は、砂糖漬けの冬瓜そのまま、とのこと。どれどれ、と早速作ってみましたら、煮ているうちにおぉー、見事な冬瓜のスライスが復元(写真上)!と感動しつつ、味見をしながら水を足し足し、ほとんど鍋スレスレまで水を足して、結局裏のレシピをさらに5倍希釈くらいで、ようやく普通に飲める程度に薄まりました。。でもね、これ、冷やすとなぜか甘みが増すのよ。結局7〜8倍、もしかすると10倍くらいでもいいのかも。。。まぁなぁ、砂糖漬けの冬瓜といっても、ほとんど砂糖の塊だもんな。黒糖好きなので、味はキライではないんだけど、これ一袋を一夏で飲むのはちょっとキビシイかも・・・の一袋1kg入り(いただきもので値段は不明)。

ちなみに、この冬瓜糖は、必ず水から煮ること、だそうです。途中で甘さが足りない(そんなことはまずないと思うのだが)と思っても、そこから足すなら普通のお砂糖のみ。決して煮立ってるところにこの冬瓜糖を入れてはならない、んだそうです(何が起こるのか、試してみたい気もするけど)。薄めていく分には問題ないらしいので、濃いめにつくり始めるといいでしょう。ただし、鍋一杯になったら水も足せないのでその辺にもご留意くだされたく。しかし、まったくどうしてこれが夏の飲み物なんだろう。。 ('03.4.2)

● 青草茶
 

「洛神花茶(ハイビスカス・ティー)」「冬瓜茶」とともに、夏場に最もポピュラーな伝統飲料のひとつ。問題は、中身が何か?というところで、これが今のところナゾなのよねー。身体の熱を除く作用があるらしい。

見た目はちょっと濃い麦茶、という感じだけど、飲むとなんとも意外な「仁丹」の味、というか香り。で甘苦い。最初ギョッとしますが、結構クセになるなぁ、この味。甘さも、この独特の「仁丹臭」と微かな苦味のおかげでしつこくなく、後口スッキリに仕上がっており、ゴクゴク飲めます。ただし、漢方苦手の人にはちょっとキツイかも。

屋台でもよく見かけるし、缶ドリンクもあり、乾物屋やスーパーで煮出し用のパックも売られてますが、新竹で一番有名なのが、この「高家」(中正路234号)らしい。私が買いに行ったときも、入れ替わり立ち代わりの繁盛ぶり。ただしここのは「青草茶」ではなくて「肺英草茶」という名前になっているので要注意。ま、「青草茶」でも通じるようですが。一杯20元(大杯)でグラス1.5杯分くらいか?しかし、”新竹一の有名店”のこのさりげない店構え、なかなかいいものです。 ('02.10.18)

   

 

● 珍珠[乃]茶
 

「珍珠」はパール、「乃」はミルクの意なので、JAAの機内誌では「パールミルクティー」と載っていましたが、そんなシャレた名前、初めて聞いたぞー。読み方は「チンジューナイチャ」ですが、「チンジュー」の発音が難しくて、なかなか言えないのよ。その「珍珠」の正体は、黒くて大きなタピオカ。タピオカといえばもともとキャッサバイモ(サトイモの仲間・・だと思ったけど、間違ってたら教えてね)の澱粉で、当然白いものなのですが、「珍珠」はそれに何か漢方っぽい成分を混ぜた、台湾伝統の食品・・らしいです。スーパーなどでは、これの乾燥したらしきものや生のもの、またはもう出来上がってあとはミルクティーに入れるだけの状態のものが「粉圓」という名前で売られているので、多分もとはその名前であると思われます。1度、乾燥の「粉圓」を買ってきて作ってみましたが、お湯でコトコト煮るだけなのに、1時間くらいかかりました。結構手間がかかります。もし、これをお土産で買ったりもらったりしても、くれぐれも水から煮ないように。溶けちゃって大変なことになるらしいです。沸騰したお湯に入れてね〜♪

さて、この珍珠、どうやらとくにミルクティーに限って入れるものでもなさそうで、ココナツミルクに入れてみたり、他のジュースやフルーツティー(水果茶)に入れてみたり、あるいは熱いミルクティーにも入れ・・と、ルールはないようで、とはいえ、やはり一般的には冷たいミルクティーとの組み合わせが多いようです。街のジュース屋さんでこういう飲み物を買うと、出来上がった飲み物にその場でパウチの蓋をしてくれるので、それにストローを挿して飲みながら歩く、という方式で、(出来上がるまでの過程はともかく、出来上がってからは)衛生的ではあります。とくに夏場は、街を歩いていると、そこかしこからクーラーの水が降ってくるし、どこに行っても埃っぽいし、排気ガスも充満してそうだし・・って、そんなところでジュースにだけ蓋してもしょうがないかもしれませんが、ま、そこはそれ(どれ?)。

で、珍珠入りの飲み物には、写真のように特太サイズのストローをつけてくれるので、これを勢いよくガシっと挿して珍珠ごとつるり、ごくごく、と飲むわけです。あまり勢いよく飲むと、珍珠もそのままつるっと喉の奥に飛び込んだりするので要注意。ミルクティーは甘めですが、珍珠自体には何の味もなし。ストローが太いとはいえ、ミルクティーの分量とバランスをとりながら飲むのが結構難しく、ついつい珍珠だけが残ってしまいがち。最後に何の味もしない珍珠だけをムニュムニュ食べつづけると顎がだるくなります。 ('01.8.8)

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