草模様

開所の挨拶


 このたび,約2ヵ月半の試運転を経て,研究所を本格的に開設することができました.
 仮開設中は延べ1000人を越える数の皆様にご訪問いただき,運営の励みになりました.感謝いたします.



 インターネットをはじめてから,合唱に関係することでわからないことがあると,検索を使っていろいろ調べることが習慣となりました.しかし,私の必要としている情報を提供してくれるサイトが意外と少ないことを,残念に思っていました.私がそう思うということは,世の中にもそう思っている人がきっと大勢いるのではないか,と思いあたりまして,それならば私の持っているわずかな知識でも誰かの役には立つのではないか,と思いこのホームページを立ち上げる決心をしました.お調べ君は,私の趣味でもありますし,すでに合唱団のためにいろいろ調べて文章にしたものもある程度ありましたので,それをもとに合唱お役立ちサイトを目指すことにしました.

 <合唱に役立つ知識>と共にもう一つテーマにしたいのは,<合唱の常識に潜む落とし穴の発見と打破>です.合唱をある程度続けている人たちの中には,合唱団の並びはSATBの順であるとか,自分には絶対音感があるので音程が下がってくると歌えなくなってしまうといった,思いこみのようなものがあります.これが落とし穴となって,もう一歩先の音楽に発展するのをとどめてしまっている姿をよく見ます.もう一歩先の音楽とは,美しいネ,うまいネにとどまらず,聴く人の魂を揺さぶる音楽です.
 音楽は,リズム・メロディー・ハーモニーなど,いろいろな要素で出来あがっています.そして合唱は,言葉がある分そこに演劇性を秘めていると私は思っています.演劇のようにステージ上を動き回ったり大きな動作こそありませんが,顔の表情や体全体からにじみ出てくるものは,演劇のそれとまったく同じだと思います.そうした表情を作るためには,気持ちがその作品にのめり込んでいく必要があると思いますが,音楽の要素だけにとらわれているとそうした心の表出を妨げてしまうことがたくさんあるように思うのです.
 何を大切にしていくのか,常識のようになっているけれど真の表現を妨げているものは何か,などまた,純粋に音楽的なものテクニック的なものと,歌い手の心を表現することとをどのように折り合わせていくか,など考えてみるべきことはたくさんあるように思います.そんな事を探っていきたいのです.おそらくいろいろな思いこみや,学校教育で植えつけられたゆがんだ音楽像(学校で扱う音楽は非常にかたよっているとしかいえません),普段聴こえているいろいろな音楽からの影響など,落とし穴となることはいろいろあると思われます.それを探って,音楽に対してより自由な精神を持ちたいと思います.

 合唱は,音楽的要素と文学的要素を理性と感情によって表現する芸術です.理性による部分は豊富な知識によってかなりの部分カバーできます.感情面にどのようにアプローチしていくかは,むずかしいですね.でもここをクリアーしないと本当の表現はできないでしょう.いろいろな知識から自分なりに工夫したり,他の人の体験を参考にしたり,あらゆる手段で合唱に取り組んでいく態度を身につけたいと思います.


 「研究室A」では,宗教音楽に関って基本的な宗教的知識や,取り上げられることの多いミサ曲やレクイエムに共通する宗教的背景などを取り上げて解説しています.また,ハーモニーや音律の問題・楽譜の読み方・リズムのことなど,合唱に役立つテクニックや知識を紹介していきます.
 「研究室B」では,日頃合唱団の皆さんとの練習の中で気づかされたこと,コンサート等を聴いて感じたこと考えたこと,講習会等で勉強したことなど,半ば言いたい放題的な内容で文章を載せていきます.ですが,読んでいただければ,何かしら合唱に役立つヒントがあるように工夫していくつもりです.また,お薦めや面白いCDの紹介もしていきます.
 「合唱団情報」では,私が関係している合唱団の情報を載せていきます.
 「書庫」や「リンク」では,同じようなことを問題にしていらっしゃる方や,より詳しく調べてみたい方の参考になるように,情報を提供していきます.

 このホームページが,一歩先を目指す合唱愛好家の皆さま方に,少しでもお役に立てばこれほどうれしいことはありません.よろしければメールでご感想等聞かせていただければ大変幸せです.




こんな部屋で研究しています.


葉・ひいらぎ
もどる






草模様