第4回 ラテン語発音の基本
     <子音 2>



<状況によって発音が変化する子音の規則>
 "C G H S T X" がこれにあたります.一般的な発音と,どのような場合に発音が変化するかを覚えましょう.
 また2つの文字で1つの子音を表わすものがありますので,最後にそれについて確認します.

  一般的には [] の発音です.明母音("E I")の前に来た時のみ変化します.その時は, [] です.

  一般的には [] の発音です.明母音の前に来た時のみ変化し, [] です.

  一般的には [] の発音です.母音にはさまれた時のみ軟化され [] となります.

  一般的には [] の発音です. "E" と母音にはさまれた時のみ軟化され [] となります.なお, EXH+母音 EXS+母音 も同様に [] となり, "H" や "S" は発音されません.
 

  一般的には [] の発音です. "TI" に母音が続く場合に [] となります.ただし, "TI" の前に "S X T" がある場合は一般的な発音です.

  一般的にはこの文字は発音しません.つまり [サイレント] です.ただし, "mihi" "nihil" の2つの単語のみ "H" を [] と発音します.

 続いて,2文字で1つの発音を表わす文字です.

SC  一般的には [] の発音です.明母音の前で [] になります.

XC  一般的には [] の発音です.明母音の前で [] になります.

CC  一般的には [] の発音です.明母音の前で []になります.

TH  [] の発音です.英語のように [] にはなりません. [] という発音はラテン語にはありません.
RH  [] の発音です.
PH  [] の発音です. [] とはなりません.ラテン語にないギリシャ文字を表わすために考案された表記法です.
GN  [] になります. [] とはなりません.


<新出の発音の留意点>

SC  [] で,シャシュショの子音とほぼ同じです.舌の両側が上の歯の裏面に触れており,舌先は尖らせず脱力して縮まっている状態で,強く息を吹き込んで発音します.この子音に対応する有声音は,ラテン語にはありません.

  一般的な発音は [] [] で "K" の項で説明した発音とその有声子音です.
 明母音の前での発音は [] [] で,チャチュチョ(無声音)及びヂャヂュヂョ(有声音)の子音とほぼ同じになります.舌の両側が上の歯の裏面に触れており,舌先は上の歯茎に触れた状態で,息を強く吹き込みただちに舌先を歯茎から離して脱力させます.

  [] は,上下の前歯の間を息が強く通って発せられる摩擦音のように日本人は考えやすいのですが(事実日本語では舌が奥へ引っ込んで歯だけで発音されます),ヨーロッパの言語では舌の状態が大事です.舌の両側が上の歯の裏面に触れており,舌先は上の歯の中央に向け歯に接近させます.その上で息を細めて上の前歯に向けて吹き出します.舌の状態が悪いと,シャシュショの子音になったり息が軽く抜けて摩擦音として聞えなくなったりしますので,注意が必要です.日本語のように舌先が下前歯につかないようにしましょう.また,舌の中央が盛り上がって発音するのもよくありません.舌の中央に溝ができるような具合に,脱力することも大切です.
 軟化された "S [] " の発音は,日本人には難しいといわれます.この発音は通常の日本語には出てこないので,注意深く [] を有声化する必要があります.決して [] とならないように.また, [] の時ほど息を強く吹き込む感じにしないで,舌が摩擦の抵抗にきちんと耐え動いてしまわないように気をつけながら有声化しましょう.

TI+母音  [] は "Z []" の有声音です.発音器官の形については "Z" の項を参考にしてください.

GN  [] の発音は,舌の先端は下の前歯につき,また下の前方は盛り上がって硬口蓋の前の方に押しつけられます.息は鼻を通って流れ,鼻腔共鳴をおこします.
 日本語のニャニュニョの子音とほぼ同じと考えてよいと思いますが,舌の後方を硬口蓋に押しつけて発音すると,舌が硬直し言葉が前に飛ばなくなりますので注意が必要です.





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