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トニーラマ解体レポート

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ブーツを解体してみました。

ウエスタンブーツ特有のウッドペグとか、鋼のシャンクなど、知ってるつもりでも実際にどのようにしてウエスタンブーツは作り込まれているのか? 

そこで前から見たかったブーツの中身をのぞいてみました

サンプルはトニーラマの黒タグ、リザードのチップがトウについたタイプ。

はじめはヒールキャップと呼ばれる黒いゴムをめくる。プロはいとも簡単にめくっていくが、なれないのでけっこうたいへん。

積み革を一枚づつはずしてきます。

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かなり釘が打たれている。どうやらこのトニーラマのヒールは一枚革を積み重ねたものではなく、再生革を使用したものらしい。

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めくった部分がコーンビーフみたいに見える。

(ちょうど再生革と一枚革の違いはコーンビーフやハンバーグとステーキの違いのようなものです。)

ソリッドな革を使用したヒールはもう少しきちんと一枚ずつはずれるし、釘の食いつきもいいので、釘の数がもっと少ない。

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この釘は機械で打ち込んだものだと思われる。

断面が四角で釘の頭もない。おそらくロール状に巻かれた鉄線を機械で打ち込んだのだろう。

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ヒールをはずすした後はアウトソールをはずす。ウエルトとアウトソールの境目にカッターの歯を入れて中の糸を切っていく。

かなり履きこんだトニーラマなので手間取るが、刃先に糸が当たって切れていくのがわかる。

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アウトソールをはずすと中からシャンクが出てくる。

これは鋼のシャンクを単体で打ち込んだものではなく、シャンクカバーと言われる既製品が使用されている。鋼部分とそれをカバーする革があらかじめセットされたパーツです。

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中から出てきたシャンク。かなり汚れてました。

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ウッドペグを見る。

本来ウッドペグはアウトソールを貫いてインソールに食い込んでいるはずだが、このブーツはインソールにはとどいていなかった。ウッドペグが食い込んだ形跡がない。

ウッドペグの脇に打たれている金属製のペグによってのみ接合されているのがわかる。

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インソールの足が直接あたる部分。

ここのコンディションがかなり重要です!!

このインソールパーツが再使用不能であれば日本国内では修理不可能だと思われます。

ユーズドを購入する時は要チェック!!

インソールを裏から見たところ。       

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ウエルトとアウトソールをつないでいる糸を見ています。

これも肝心で基本的にウエルト(コバ)のダメージがひどいと修理が出来ません。

ウエルトの重要さは解体してみるとよくわかります。

  SamuraiBoots Co.