切替型連続生産におけるスケジューリング問題の特性
(日揮株式会社)○(正)佐藤知一*
1.生産計画からみた製造業の分類学
製造業には種々の業種業態が存在する。これを生産計画とスケジューリングの観点からみると、次の3つの機軸によって分類することが出来る。
化学工学の対象となるプロセス産業の殆どは連続型に属する。ちなみにディスクリート型と連続型では次表に示すような点で大きな差があり、スケジューリングについて同列に論じることはむずかしい。
2.「切替型連続生産」とはなにか
実際には連続生産といえども、製品の最終的荷姿はなんらかの固体形状(たとえば容器やロールなど)をとる訳であり、どこかでディスクリート型の生産形態に切り替わる必要がある。
生産工程の上流側が連続型、下流側がディスクリート型で、中核(ボトルネック)の工程がロット切替え型であるような業種を、「切替型連続生産」と呼ぶことを筆者は提案している(野々口・佐藤:
3.切替型連続生産におけるスケジューリングの特性
この業種のスケジューリングにおいて中心となる問題はロットサイジングと順序づけである。
多品種の受注生産とはいえ、頻繁な品種切替はボトルネック工程におけるロスタイムと不良率の増加につながる。品種の順序によってロスタイムがかわる事も多い。また上流側は連続生産のため、工程の能力計画や山崩しの手法はあまり機能しない。
さらに、材料と型の組合せで製品が決まるため、製品仕様の他に「製造仕様」を考慮する必要がある。そのためには、切替工程でもちいる「型というリソース」のアロケーションが重要な意味を持ってくる。
4.問題へのアプローチ
このような特性の問題では、生産数量の計画(ロット・サイジング)とスケジューリング問題(切り替えの順序)の二段階のステップで解決すべきである。
第一ステップの生産数量計画では、予測された需要をもとに、正味所要量計算を行い、ロット・サイジングをして製造オーダーを作成する。
第二ステップのスケジューリングでは、製造オーダーをもとに、必要資材・工順・工程ライン・「型リソース」・および製造仕様に展開し、ラインへの割り当てと切替順序を決める。
すなわち、第一ステップではDRP/MRP的な手法を用いて最適化の視点で問題を整理し、第二ステップで実行可能性を検証するのである。ただし、ステップ間の手戻りをへらすための工夫も必要とされる。
スケジューリング問題は一般に、制約条件がきつく解空間がせまいかどうかに応じて、戦略を選ぶ必要がある。需要が旺盛で生産能力に余裕がないときには、すべての制約をみたす実行可能解の探索が大事になる。逆に生産能力に余剰がある場合は解空間が広いため、コスト因子を加味した最適化問題に近づいていく。両者を同時に考えようとせず、最適化問題の側面と解の探索は別ステップで分担するべきと筆者は考える。
5.むすび
切替型連続生産という概念を提案し、そのスケジューリング問題の特性を分析した。また、「生産数量計画→順序づけ」の2ステップによるアプローチを示した。
参考文献
1)佐藤知一:革新的生産スケジューリング入門、日本能率協会マネジメントセンター(2000)
2)野々口和男・佐藤知一:ガラス壜生産計画システムの開発、化学工学会第27回秋季大会予稿集(1994)
3) E. Goldratt & J. Cox : “The Goal” 2nd revised edition, North River Press (1992)
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