革新的生産スケジューリング入門

製造業を革新する<計画とマネジメント>の技術ノート

新しい仕組み作りにチャレンジする人、仕事のあり方をかえたいと願っている中堅エンジニアのために

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今回のノート Note this week

プロジェクト・コミュニケーションのベーシック 〜 情報のトレーサビリティを確立する

英語のCommunication と、日本語の「コミュニケーション」という言葉には、微妙なニュアンスの違いがある。わたし達が会話で「コミュニケーションが良くなった」などと語る場合、ふつうは双方向の意思疎通を意味している。「前の課長は向こうが一方的に命令してくるだけだったが、今度の課長はちゃんとコミュニケーションができるよな」という風に。もっと柔らかい言い方をすれば、『ふれあい』みたいな、感情面での同調というニュアンスを含む。

ところが英語のCommunicationは、原則として情報の伝達を意味している。それは、たとえ一方向でも成立する。だから、TV局が電波で大勢に向けて一方的に情報を発信する様な仕組みを、英語ではMass Communicationとよぶ。これは日本語でマス・コミュニケーションとなり、いつものように発音しやすい4文字言葉化して「マスコミ」になった(口頭では、コミュニケーションではなく「コミニュケーション」と発音する人がほとんどだ)。

PMBOK Guide(R)が、プロジェクトの10個のマネジメント知識エリアの一つとして、Communication Managementを入れたのはとても卓見だったと思う。だが、これを「コミュニケーション管理」と、ベタな日本語のニュアンスで捉えてしまうと、本質がずれてしまう。じゃあ赤提灯にいって酒でも飲んで、メンバー同士の「コミニュケーションを良くしよう」みたいな発想になりがちだ。だが、それではプロジェクト・コミュニケーションの半分も捉えていないことになる。

PMBOK Guide(R)は元々、大規模なプロジェクトのことを念頭に置いて作られた。だから、全員が顔見知りでない状態で、どのように知識・情報を確実に他者に伝達するか、ということが問題意識のベースにある。そこで「コミュニケーション計画」のような概念が出てくるのだ。そして実行段階は、「インフォメーションの配布」ということになる。英語のCommunicationは、一方向の配布がベースだからだ。どこにも“飲みニュケーション”みたいな話題の入る余地はない。この英語はむしろ、「情報伝達のマネジメント」と訳した方が、日本の読者にはピンときたと思う。

プロジェクトにおいてコミュニケーションが重要なことは、いまさら言うまでもないだろう。ただ、これほど我々にとって分かりにくく、つかみ所のない領域もない。PMBOK Guide(R)があげる10の知識エリアは、(全体を統合するProject Integration Managementを除くと)大きく二つのカテゴリーに分けられる。

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更新情報 Update information

プロジェクトマネジメント ワンポイント講義」に、「プロジェクト・コミュニケーションのベーシック 〜 情報のトレーサビリティを確立する」を追加しました(2016/09/26)

タイム・コンサルタントの日誌から」に、「B2B企業にイノベーティブなITは可能か」を追加しました(2016/09/19)

考えるヒント」に、「国際人として最低でも守るべきたった一つのルール」を追加しました(2016/09/12)

考えるヒント」に、「技術リーダーの出現をはばむもの」を追加しました(2016/09/05)

タイム・コンサルタントの日誌から」に、「英国史上、最も偉大な技術リーダーに学ぶべきこと」を追加しました(2016/08/29)

考えるヒント」に、「職人的であること、エンジニアであること」を追加しました(2016/08/21)

タイム・コンサルタントの日誌から」に、「マネジメントの仕事・地位・パワーを混同してはいけない」を追加しました(2016/08/16)

ワースペース白幡」の「気まぐれ批評集 書評」に、書評『 ★★ アルベマス』(フィリップ・K・ディック著)を追加しました(2016/08/07)

生産マネジメント ワンポイント講義」に『全体像を見るために 〜 インテグレートされた工場の作り方』を追加しました(2016/08/04)

生産マネジメント ワンポイント講義」に『最適解を組み合わせても、良い生産システムは作れない』を追加しました(2016/07/25)

わたしが幹事をつとめる中小企業診断士協会「生産革新フォーラム」で、『プロに学ぶ、上手な工場見学の見方・歩き方』と題する講演を行いました。大勢の方のご来聴感謝いたします(2016/07/20)

生産マネジメント ワンポイント講義」に『工場レイアウト設計の典型的問題と、そのエレガントな解決法』を追加しました(2016/07/18)

お知らせ:

新著『世界を動かすプロジェクトマネジメントの教科書』(佐藤知一・著)2015年9月に発刊しました!

“JIT生産”を卒業するための本 〜 トヨタの真似だけでは儲からない』(共著)、『リスク確率に基づくプロジェクト・マネジメントの研究』、『時間管理術』、『BOM/部品表入門』好評発売中です!

→2016年7月以前の更新履歴

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