革新的生産スケジューリング入門

製造業を革新する<計画とマネジメント>の技術ノート

新しい仕組み作りにチャレンジする人、仕事のあり方をかえたいと願っている中堅エンジニアのために

お知らせ:来る7月20日(水)18時30分より、わたしが幹事をつとめる中小企業診断士協会「生産革新フォーラム」で、『プロに学ぶ、上手な工場見学の見方・歩き方』と題する講演を行います(日本橋堀留町公民館)。工場を「生産システム」ととらえることで、目に見えにくい仕組みを見抜くとともに、工場の未来の姿についても考えます。診断士でなくても自由に参加できますので、工場作りに関心のある大勢の方のご来聴をお待ちしております

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今回のノート Note this week

工場レイアウト設計の典型的問題と、そのエレガントな解決法

工場見学ほど面白いものはない。なぜなら、工場はそれ自体が大きくて複雑なシステムそのものであり、そのシステム作りに各社独自の工夫も盲点も現れてくるからだ。−−そういう意味のことを、これまで何度も書いてきた。また、すでにお知らせしたとおり、来る7月20日(水)に「生産革新フォーラム」(通称「MIF研」)で『上手な工場見学の見方・歩き方 〜エンジニアリング会社の視点から〜』というタイトルでお話ししたいのも、その点だ。だが、もう少し具体的に、わたしがよその工場を訪問したら、最初にどこを見るかについて書いてみたい。

ものづくりの方式やプロセスにはいろいろバリエーションがあるが、機械組立加工系を例にとると、だいたい次のような工順(工程順序)をふんでいる:

 材料受入 → 部品加工 → 組立 → 検査 → 梱包出荷

この途中に通常、「在庫保管」も入るが、どこに入るかは工場の方針次第のため、ここでは省略しておく。

効率的で作業しやすい工場設計・レイアウトを考える場合、上記の5つの作業を行うワークセンターを、どこにどう配置するべきかが問われる。普通、工場は建屋の中に入っているから、建築面における空間設計と、生産技術面での機械配置の折り合いが必要になる訳だ。これは日本国内の既存の工場の場合も、海外に新工場を作る場合も同じである。

とくに土地代の高い日本や、一部のアジア都市近郊部では、敷地面積が限られるため、どうしても工場は2階建て以上の多層階構造になる。すると、どの階にどの工程を配置するかで、頭を悩ませることになる。

このレイアウトを考える際、制約条件が一つある。あまり重い機械・装置は、上の階に乗せたくない、という制約だ。建築には、床の「耐荷重」という概念があり、m2あたり500kgとか1 tonとかいった数字で表す。これが大きくなればなるほど、当然ながら構造に剛性を持たせなければならない。柱や梁は太くなり、床・スラブは厚くなり、斜めにブレース補強なども必要になるだろう(慣れた人になると、柱・梁の太さや配置を見ただけで、耐荷重がどれくらいの値か見当をつけることができる)。つまり、「耐荷重=建設コスト」なのである。だから、あまり重たいモノは、2階以上には配置したくない。

ところで多くの場合、「部品加工」の段階はかなり加工機械・装置を使うことになる。プレスマシンだとかマシニングセンターだとかFMSだとかいった大型の機械装置である。そして重い。他方、組立作業とか検査作業は人間の手作業が中心だ。だからそれほど大がかりな機械はいらない(せいぜい搬送用コンベヤ程度だ)。

こう考えると、自然、部品加工のワークセンターは1階に置き、組立・検査工程は2階以上に配置しよう、という方針が出てくる。実際、わたしが見た日本の多くの機械系工場は、こういう発想でレイアウトされている。

ところが、ここに問題が一つ生じるのだ。それは「モノの流れ=動線」の問題だ。

→続きを読む:「工場レイアウト設計の典型的問題と、そのエレガントな解決法

更新情報 Update information

生産マネジメント ワンポイント講義」に『工場レイアウト設計の典型的問題と、そのエレガントな解決法』を追加しました(2016/07/18)

生産マネジメント ワンポイント講義」に『トラブルには技術的原因と、マネジメント的原因がある』を追加しました(2016/07/12)

ワースペース白幡」の「気まぐれ批評集 映画」に、映画評『★★★ スティーブ・ジョブズ』を追加しました(2016/07/06)

生産マネジメント ワンポイント講義」に『経験から学びすぎることの危険 〜ゆらぎある事象の原因分析について』を追加しました(2016/06/26)

生産マネジメント ワンポイント講義」に『熱気球の浮上、または原因分析のシステムズ・アプローチについて』を追加しました(2016/06/18)

OR学会サプライチェーン戦略研究部会に招かれて「海外プロジェクトへのシステムズ・アプローチ ー 理論・技法・展望」と題する講演を行いました。大勢の方のご来聴に感謝します(2016/06/16)

新著『世界を動かすプロジェクトマネジメントの教科書』発刊を記念し、日本テクノセンターで「プロジェクトを成功させるための実践的マネジメント技法とそのノウハウ 〜演習付〜」 と題する1日研修を行いました。大勢の方のご参加に感謝いたします(2016/06/16)

In "Project management one point lecture", an article "Calculating real values of activities - an introduction to the risk-based project value"has been added(2016/06/12)

ワースペース白幡」の「気まぐれ批評集 書評」に、書評『★★★ アナバシス 〜敵中横断6000キロ〜』(クセノフォン著)を追加しました(2016/06/03)

プロジェクトマネジメント ワンポイント講義」に、「プロジェクト・マネジメントの目的とは何か」を追加しました(2016/05/25)

生産マネジメント ワンポイント講義」に『生産システムとは、どういう仕組みだろうか』を追加しました(2016/05/18)

生産マネジメント ワンポイント講義」に『生産管理という仕事の目的は何か』を追加しました(2016/05/12)

お知らせ:

新著『世界を動かすプロジェクトマネジメントの教科書』(佐藤知一・著)9月に発刊しました!

“JIT生産”を卒業するための本 〜 トヨタの真似だけでは儲からない』(共著)、『リスク確率に基づくプロジェクト・マネジメントの研究』、『時間管理術』、『BOM/部品表入門』好評発売中です!

→2016年5月以前の更新履歴

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