革新的生産スケジューリング入門

製造業を革新する<計画とマネジメント>の技術ノート

新しい仕組み作りにチャレンジする人、仕事のあり方をかえたいと願っている中堅エンジニアのために

お知らせ:来る3月11日に、NPO法人浜松ソフト産業協会が主催する「プロジェクトマネージャー育成研修」で「モダンPM論への誘い - プロジェクトをマネジメントする『技術』とは何か」と題する講義を行います(→詳しい参加案内)。大勢の方のご来聴をお待ちしております

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今回のノート Note this week

Pushで教育し、Pullで成長する

子どもがまだ小さかった頃、よく「きかんしゃトーマス」を一緒に見た。このイギリス製の人形劇は、どうやら英国社会を引き写しているらしく、階級制になっている。機関車はおおむね真面目で勤勉だが、彼らに引かれて走る客車はいつも適当な連中で、機会があればサボることを考え、しょっちゅう脱線事故などの面倒を引き起こす。つまり機関車(Engine)は、技術者(Engineer)のような中産階級を連想させ、客車はすぐにストやサボタージュをする労働者階級を思わせる、という具合だ。

あるとき主人公のトーマスが、例によって客車にトラブルを起こされ、手を焼いていた。すると、となりの線路をゴードンという機関車がちらとトーマスを横目で見て、「人生は勉強だな」といって通り過ぎるシーンがあった。きかんしゃゴードンは中年男を思わせる横柄なキャラなのだが、この台詞はなぜかぴったりと役にはまっており、見ていたわたしと連れ合いはその後しばしば、小さなトラブルに遭遇するたびに「人生は勉強だな」と言い合って笑ったりした。

人はいくつになっても成長できる。逆に言えば、人は一生、学び続けなければならない。ゴードンの名台詞はこのことを表している。ところで、英国のコンサルタントであるMarcus Buckinghamの説によると、人間の学習スタイルには、「分析型」、「行動型」、「観察型」の三つのタイプがあるのだそうだ。それによると、
・分析型は事前の学習時間を十分とる
・行動型は早く未経験の環境に置く
・観察型は手本になるベテランの傍らで、仕事を俯瞰的に見ながら模倣させる
というのが、それぞれOJTのやり方としてふさわしいらしい。このことは、稲山文孝氏の「アプリ開発チームのためのプロジェクトマネジメント」 という本で読んだ。

なるほど、とは思ったものの、上記の3タイプはあくまで英米人の類型かな、とも感じる。わたし達の社会なら、このほかに「感情型」だとか「競争型」とかを付け加えたくなる。感情型は好きな人を手本にして感性や情に訴えて学ばせる、「競争型」は試験を課して成績で競わせる、と言う具合だ。

まあ人間の類型論は医学・心理学から社会学まで、いろいろなバリエーションがある。だが、学びという点で見ると、大きく「受動型」と「能動型」に二分できるのではないかと、よく感じる。というのは、この区分は、育成・訓練におけるマニュアル整備の是非の論議に、しばしば登場するからだ。マニュアル論議といういうのは、仕事について伝えるべき一切合切、なるべくすべてをマニュアル化すべきか、という論争である。

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更新情報 Update information

タイム・コンサルタントの日誌から」に、「Pushで教育し、Pullで成長する」を追加しました(2017/02/22)

プロジェクトマネジメント ワンポイント講義」に、「契約音痴は、まだ続いている」を追加しました(2017/02/15)

タイム・コンサルタントの日誌から」に、「意外性に動じない心を持つために」を追加しました(2017/02/09)

ワースペース白幡」の「気まぐれ批評集 書評」に、「(書評)2016年のベスト3」として『★★★ トマス・アクィナス 肯定の哲学』(山本芳久著)・『★★★ 教皇フランシスコ』(オースティン・アイヴァリー著)・『★★★ ジャングル・クルーズにうってつけの日』(生井英考著)を追加しました(2017/02/03)

プロジェクトマネジメント ワンポイント講義」に、「結果オーライのマネジメントでいいのか? − 成果の予見可能性を高めるために」を追加しました(2017/01/26)

プロジェクトマネジメント ワンポイント講義」に、「結果オーライのマネジメントでいいのか?」を追加しました(2017/01/21)

わたしが幹事をつとめる「プロジェクト&プログラム・アナリシス研究部会」で、本間峰一氏による『システムトラブル相談センターの概要と開設の背景』との講演をいただきました。大勢の方のご来聴に感謝します(2017/01/17)

考えるヒント」に、「好きな事・上手にできる事・稼げる事・世の役に立つ事」を追加しました(2017/01/14)

タイム・コンサルタントの日誌から」に、「クリスマス・メッセージ:見えるコストと見えない価値」を追加しました(2016/12/25)

ワースペース白幡」の「気まぐれ批評集 書評」に、書評『★★ AさせたいならBと言え』(岩下修著)を追加しました(2016/12/15)

生産マネジメント ワンポイント講義」に『ムリ・ムラ・ムダ:どれが一番いけないか?』を追加しました(2016/12/10)

生産計画とスケジューリングの用語集」に、「ムリ・ムラ・ムダ」を追加しました(2016/12/05)

タイム・コンサルタントの日誌から」に、「なぜ、製造業のIT化が進まないのか? 〜お金をちゃんと投資しよう」を追加しました(2016/11/28)

お知らせ:

新著『世界を動かすプロジェクトマネジメントの教科書』(佐藤知一・著)2015年9月に発刊しました!

“JIT生産”を卒業するための本 〜 トヨタの真似だけでは儲からない』(共著)、『リスク確率に基づくプロジェクト・マネジメントの研究』、『時間管理術』、『BOM/部品表入門』好評発売中です!

→2016年11月以前の更新履歴

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