温室効果ガスについて 2006年3月26日 寺岡克哉
私たちの住む地球は、太陽の光をうけて「暖められて」います。しかし一方で、
その暖められた熱を宇宙に放出し、地球は「冷えて」います。
この、「暖められる量」と「冷える量」がうまくつりあって、地球が一定の温度に
保たれているのでした。
そして今、世界で問題になっている地球の温暖化は、「温室効果ガス」という
ものが、地球の熱の放出を「じゃますること」によって起こるのでした。
今回は、この「温室効果ガス」について、すこし考えてみたいと思います。
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「温室効果ガス」は、実はとても大切なものです。というのは、もしも温室効果ガス
がまったく無かったら、地球の平均気温は−18度ぐらいになってしまうからです。
地球の気温が、ちょうど生物の住みよい環境になっているのは、まったくもって
「温室効果ガス」のおかげなのです。
しかし今、温室効果ガスの一つである「二酸化炭素」が、急激なスピードで
増えてたいへんな問題になっています。
最新の研究では、このままだと100年後に、地球の平均気温が4度ぐらい上がる
そうです。
「たった4度の上昇なんて、大したことないじゃないか!」と思うかも知れませんが、
そんなことは全くありません。それがどんなに大変なことなのかは、追々にお話して
行きたいと思います。
ところで、温室効果の80パーセントから90パーセントぐらいを占めているのは、
じつは「水蒸気」だと言われています。
しかし水蒸気は、海から蒸発するのが圧倒的に多く、それに比べれば人間の出す
量など、無視できるほどに少ないのです。
そしてまた、温暖化を防ぐために「海水の蒸発を食い止めること」など、人間の力
ではとうてい不可能です。
だから地球温暖化の問題は、水蒸気以外の、ほかの温室効果ガスを何とか
するしかないのです。
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水蒸気以外の「温室効果ガス」には、次のようなものがあります。
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ガスの種類 温暖化に及ぼす影響 地球温暖化係数
二酸化炭素(CO2) 60パーセント 1
メタン(CH4) 20パーセント 23
亜酸化窒素(N2O) 6パーセント 296
オゾン層を破壊するフロン類 14パーセント 数1000〜10000
オゾン層を破壊しない代替フロン類 0.5パーセント以下 数100〜10000
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真ん中の数字は、それぞれのガスが温暖化に及ぼす「影響の割合」です。(ガス
の「量の割合」でないことに、ちょっと注意してください。)
そしてこれは、「水蒸気による影響」を数えに入れてません。つまり、水蒸気による
温暖化を別にした残りの部分について、それぞれのガスが影響を及ぼしている割合
です。
いちばん右の「地球温暖化係数」とは、おなじ量のガス(たとえば1リットルなどの
同じ体積)で比べたときの、温暖化に対する影響力です。そしてこれは、二酸化炭
素の影響力を「基準」にしています。
たとえばメタンの場合、おなじ量で比べたならば、二酸化炭素の23倍の温室効果
があるということです。
上の表で、真ん中の「温暖化に及ぼす影響」をみると、やはり「二酸化炭素」が
いちばんの問題になっているのが分かります。
メタンガスは、今のところ2番目です。しかしメタンは、二酸化炭素の23倍もの
温室効果があるので、今後さらにメタンが増えると、二酸化炭素よりも深刻な問題
になるのは明らかです。
フロンは、「オゾン層」を破壊することで悪名高いですが、じつは地球温暖化にも
かなり影響を及ぼしています。
また、オゾン層を破壊するフロンも、あるいはオゾン層を破壊しない「代替フロン」
であっても、二酸化炭素の10000倍もの温室効果を持つものがあるので、それら
には厳重な注意が必要です。
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ところで、日本の場合に限って見ると、以下のようになっています。
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ガスの種類 温暖化に及ぼす影響
二酸化炭素 94.4パーセント
メタン 2.2パーセント
亜酸化窒素 1.3パーセント
オゾン層を破壊しない代替フロン 2.1パーセント
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このように、こと日本の場合においては、圧倒的に「二酸化炭素」が問題に
なっているのが分かります。
以上から、世界(とくに日本)では、「二酸化炭素」がいちばん悪く言われている
のです。
このように見てきますと、二酸化炭素が増えている原因や、二酸化炭素を減ら
す方法などについて、とても気になるところです。
しかしそれは、もうすこし後にお話することにして、次回は「地球が温暖化する
となぜ悪いのか?」について、すこし考えてみたいと思います。
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