生命など滅んでしまえば・・・
2007年3月4日 寺岡克哉
最近また、教育改革に関連して、いじめや自殺の問題がよく取り上げられる
ようになりました。
ところで私は、そのような報道を見るたびに、「生命尊重の問題」と「地球環境
問題」は、とても深いところで密接につながっているのではないか? と、考えて
しまうのです。
なぜなら・・・
自分なんか死んだってかまわない!
他人の命など、どうなってもいい!
こんなにうっとうしい、「生命」などと言うものなんか、この地球上から消滅
してしまえば良いのだ!
と、このように思ってしまったら、環境問題など考えられる訳がないからです。とい
うのは、自分や他人の生命、さらには他の動物や植物の生命を尊重する気持ちが
なければ、「地球環境を守りたい!」という気持ちも起こるはずがないからです。
* * * * *
生きることは素晴らしい!
人類の存在は素晴らしい!
この地球に、「生命」の存在することは素晴らしい!
と、このように心から思うことができて初めて、大自然の大切さや、かけがえの
無さ、あるいは大自然への感謝と畏敬の念が、心の底から湧いてくるのです。
そして、地球環境や地球の生態系を、「守らなければならない!」という気持ちも
起こってくるのです。
* * * * *
しかしながら・・・
なぜ生きることが、こんなにも辛いのでしょう?
なぜ他人の存在が、こんなにもムカツクのでしょう?
たぶん、「生き辛さ」を感じている多くの人にとって、あまり明確な理由は思い当た
らないのではないかと思います。
ただ何となく訳もわからず、とても生きるのが辛く感じるし、すごく世の中に
ムカツク・・・
自分にも他人にも、なぜか無性にイラツク・・・
そんなふうに感じている人が、けっこう多いのではないでしょうか。
そして明確な理由がない分、返って「やりきれなさ」をつよく感じて、とても耐え
がたくなるのではないでしょうか。
それで、
自分の体に傷をつけてしまったり、
「死にたい!」とつよく思ってしまったり。
あるいは、
ひどい「いじめ」をしてしまったり、
突然にキレて暴力を振るってしまったり。
そんなことを、してしまうのではないでしょうか。
何だか理由はよく分からないけれど、とても自分の存在がうっとうしいし、
すごく他人の存在もうっとうしい!
そのような「感情」が、現代社会にけっこう蔓延しているのではないでしょうか?
* * * * *
世の中が生き辛い・・・
自分の存在がうっとうしいし、他人の存在もうっとうしい・・・
なぜ、そのように感じてしまうのでしょう?
私も昔は、そのような感情によく悩まされました。だからその原因について、ずい
ぶん長いこと考えてきました。
そして至った結論は、「社会的な閉塞感」とか「精神的な閉塞感」というのが、
その根本的な原因ではないかと言うことです。
つまり、物質的な発展や経済的な発展が、頭打ちになったことによる「社会的な
閉塞感」。
また、今までのように物質的な豊かさや経済的な豊かさを追求することが、だん
だん許されなくなって来たことによる「精神的な閉塞感」。
そしてさらには、物質的な豊かさ(つまり物や金)の追求による「人生の誤魔化し」
が効かなくなり、心の貧困や、精神的な貧しさが暴露されてきたこと。
あるいは、頭打ちになった「物質的な豊かさ(物や金)」を奪うための、騙し合い
や不正、そして足の引っ張り合いの横行。
それらのことが、世の中を生き辛くし、人間の存在をうっとうしいものにしている
のではないかと思うのです。
つまり自分を含めた多くの人々が、物質的な価値感や経済的な価値観(物や金)
にあまりにも囚われ、縛られているから、生きることが辛いし、自分も他人もうっと
うしいのです。
そして自分を含めた多くの人々の、心や精神があまりにも貧しくなったので(愛情
の豊かさや、人格的な豊かさが欠如しているので)、生きることが辛いし、自分も
他人もうっとうしいのです。
* * * * *
物質的、経済的な価値観(物や金の追求)から脱却して、心や精神を豊か
にすること。
たぶんこの方向性は、これからの人類の、全体的な流れになっていくのは間違い
ありません。
なぜなら、いまや地球温暖化の事実が明らかになり、これまでのように資源や
エネルギーを無制限につかうことが出来なくなったからです。
そしてまた、過去に実際に存在した「事実」として、物質的に頭打ちになって
いた中世の時代には、精神的な価値に重きが置かれ、精神世界(スピリチュアリ
ズム)が発展したからです。
「物質」には限界があって頭打ちになりますが、「精神世界」には限界がなく無限
です。
物や金を追い求める生活をやめ、「精神的な生活」に無限の広がりと開放感を
見い出せば、生きることが楽しくなるし、地球温暖化も改善されて行くでしょう。
* * * * *
どうせ地球温暖化なんか、止まる訳がない!
だから今のうちに、すき放題にやって、人類も地球の生命も滅んでしまえば良い
のだ!
このように考えてしまう気持ちも、分からなくはありません。
しかし、そういう刹那的で自暴自棄に走る人間が、もしも人類の大多数を占めて
しまったら、ほんとうに地球を滅ぼしてしまうでしょう。だから、それを認める訳には
行きません。
自分や他人の生命、さらには他の動物や植物の生命にたいする、思いやりや
慈しみの心・・・ そのような心を育てて豊かにすること。
そして大自然の偉大さや、美しさ、かけがえの無さを知り、大自然にたいして
畏敬や感謝の念をもつこと。
今こそ、それが人類の存続にとって、いちばん大切になって来たのです!
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