地球温暖化による影響    2007年4月1日 寺岡克哉


 いま現在、地球温暖化の影響は、本当はどれぐらい現れているので
しょう?

 この先、地球温暖化による影響は、一体どれぐらいのものになるので
しょう?


 それについては、元アメリカ副大統領のアル・ゴアさんが「不都合な真実」という
映画や本で、とてもビジュアルで実感のこもったアピールをしました。

 私は「不都合な真実」の書籍版を見ましたが、とても分かりやすく、良くできて
いる内容だと思いました。

 それを見たからという訳ではないのですが、このサイトでも地球温暖化の問題
を扱っている以上、

 いま現在、何が起こっているのか?
 これから先、何が起ころうとしているのか?

を、一通り見て行くことが必要のように思いました。


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 ところで、
 現在、すでに起こっている地球温暖化の影響。
 これから将来、起こるであろう影響。

 それらを主に調べているのは、「地球温暖化の影響・リスク評価」という研究
分野です。

 その研究によって、
 海水面の上昇、高潮、豪雨、洪水、干ばつ、熱波などによる、
 経済的な被害、人的な被害、そして農業への影響
などが見積もられる訳です。

 わが国でも、内閣総理大臣の直接のイニシャチブのもと、各省庁の縦割りを排し
た研究がなされています。
 それが、総合科学技術会議のもとに設置された、「地球温暖化イニシャチブ」と
いう研究組織です。

 つまりこの国は、結構マジになって、「地球温暖化の影響・リスク評価」の研究
をやっている訳です。

 それはこの先、何百兆円、何千兆円という被害や、対策費用がかかるかも
知れない話なので、当然といえば当然なのでしょう。

 これからしばらくは、そちらの方面の話を紹介して行きたいと考えています。


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 今回は、その最初として、「地球温暖化の影響・リスク評価」の研究全体におよ
ぶ項目を、大まかに挙げてみたいと思います。

 つまり、これからお話して行きたいと思っている目次のようなものですが、それ
は次のようになります。


1.氷河の縮小、海氷の縮小、永久凍土の融解。

2.海面の上昇、高潮。

3.海水温の上昇、台風の巨大化、激しい豪雨、洪水、土砂崩れ。

4・砂漠化、干ばつ、水不足、水質の悪化。

5.熱波、熱中症、マラリアなどの流行。

6.海洋の大循環の衰退。

7.植物、昆虫、動物など生態系への影響。

8.農林水産業への影響。


 ザッと挙げただけでも、かなり広い内容です。

 「地球温暖化の影響・リスク評価」の研究では、これらのリスクに対してどれぐら
いの被害が予想され、それを避けるためにどれぐらいの対策をしなければならない
のかを見積もるわけです。

 しかもそれは、国策を決めるのに役立つほど、かなり具体的にです。

 ところで「国策」などといえば、なにか自分たちから縁遠い話のように感じるかも
知れません。
 が、しかし、私たちの住む家や町が、そして私たちの生活が、どれぐらいのリスク
にさらされているのかという問題なので、決して私たちと無縁な話ではないのです。


 順序は上で挙げた通りに行かないかもしれませんが、これからしばらくは、以上の
ようなことについてお話して行きたいと思っています。



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