熱中症で109人死亡! 
                          2010年8月1日 寺岡克哉


 NHKのまとめによると・・・ 

 7月17日〜26日までの10日間で、

 熱中症とみられる症状で死亡した人が、

 全国で109人に上りました!




 また、消防庁によると、

 7月19日〜25日までの1週間で、

 熱中症とみられる症状で病院に運ばれた人は、

 全国で9436人となっています。




 このような異常事態の発生に、

 「地球温暖化の影響」も関係していることは、

 もはや、絶対に否定できません!




 近ごろ頻発している、「はげしい豪雨」による災害もそうですが、

 地球温暖化による気候変動の被害は、

 もうすでに、「身近で現実に起こっている」のです!



 私たちは、このことを常に、しっかりと心に刻んで置かなければ
なりません。

 なぜなら、そのような認識が社会に広まり、深く浸透して行くこと
こそが、

 まさに、「地球温暖化対策を進める原動力」となるからです。


           * * * * *


 ところで・・・

 アメリカ海洋大気庁(NOAA)が、7月15日に発表したところに
よると、

 今年の1月〜6月における、地球の平均気温は14.2℃であり、

 1880年に観測を開始して以来、「最高の値」になりました。

 この値は、

 おなじ時期における20世紀の平均気温を、およそ0.7℃も
上回っています。



 また、世界の9ヶ国で、気温の「最高記録」を更新し、

 とくにパキスタンでは、5月26日に53.5℃を記録しました!

 これは観測史上、アジアで最も高い気温だと言われています。



 さらには、最近の報道によると、

 モスクワで7月26日に、37.5℃を記録し、およそ130年前に観測
を開始して以来、「最高の値」になりました。

 しかしながら、

 その直後の7月29日には、38.2℃まで気温が上がり、すぐに記録
が更新されたのです。

 このような猛暑のため、

 モスクワ郊外では、森林や泥炭層の火災が続いており、スモッグに
よる健康被害が懸念されています。


            * * * * *


 このように世界中で、気温が異常に高くなった理由は、

 「地球温暖化の影響」と、海水温が上昇する「エルニーニョ現象」が、

 重なったためだと説明されています。



 しかしながら「エルニーニョ」というのは、ず〜っと前の昔から、

 数年〜10年おきくらいの間隔で、「周期的に発生している現象」
です。

 だから、とうぜん、

 50年くらい前とか、100年くらい前の昔にも、周期的にエルニー
ニョが発生していました。

 しかし、その当時はエルニーニョが発生しても、

 近年のような「異常高温」には、決してならなかったのです。



 だから近年において、

 異常高温の記録が、よく塗り替えられるようになったのは、

 エルニーニョ現象よりはむしろ、

 「地球温暖化の影響」が、より本質的な原因だといえます!



 つまり、

 「地球温暖化の影響」がまったく存在しなければ、

 いくらエルニーニョが発生しても、

 近年ほどの異常高温には、まず、ほとんど成り得ないわけです。


             * * * * *


 今から65年前の、1945年8月15日・・・

 「とても、とても暑い日であった!」と、語り継がれている、

 日本が終戦をむかえた日・・・



 しかしながら、この日の、東京における最高気温は

 32.3℃にしか、なっていませんでした。



 一方、それにくらべて近年は、

 最高気温が35℃を超える「猛暑日」が、

 日本の各地で、当たり前のように発生しています。



 そのため、

 32.3℃の最高気温など、べつに「特別に暑い日」だとは、

 ぜんぜん感じなくなってしまいました。



 それほどまでに、地球温暖化が進んでいるのです!



 この例で分かるように、

 地球温暖化は、人間の生活する「時間スケール」とくらべれば、

 とてもゆっくりと進行します。



 なので私たちは、

 感覚がマヒしてしまわないように、いつも気をつけていなければ

 なりません。



 「高い気温になるのは、当たり前なのだ。」

 「はげしい豪雨が降るのは、仕方がないのだ。」

 と、だんだんに慣れてしまう「感覚のマヒ」は、

 これから先、

 地球温暖化対策に取り組みつづけて行くにあたって、

 「大きな落とし穴」になるような気がします。



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