2013年を振り返って
                           2013年12月29日 寺岡克哉


 今回は、2013年を振り返ってみたいと思います。


           * * * * *


 まず、この年は、

 100年に一度という、とても珍しい年でした。

 というのは、「ロシアに巨大隕石が落下した」からです。



 NASA(アメリカ航空宇宙局)の分析によれば、

 大気圏に突入する前の隕石の大きさは、直径がおよそ17メートル、
重さがおよそ10000トンと推定されており、

 イトカワと同様の「地球近傍小惑星」だったと見られています。



 また、NASAによると、

 これと同じ規模の小惑星が、地球に衝突するのは、「100年に1回
の出来事」だとしています。

 それで2013年は、100年に一度の珍しい年となったのです。



 しかし、

 隕石の落下により、ロシアのチェリャビンスク市で被害が出たのは、
とても残念でした。

 しかしながら、「死者」が出なかったのは不幸中の幸いです。



 そしてまた、この出来事によって、

 「巨大隕石の落下による災害」というのが、SFの世界ではなく、

 「現実に起こりえること」であるのが、生まれて初めて実感できました。


              * * * * *


 ところで、

 2013年もまた、「異常気象による大災害」が発生しました。

 猛烈な台風30号が、11月8日にフィリピンを直撃したのです。



 気象庁によると、この台風は一時、

 中心気圧が895ヘクトパスカル、最大瞬間風速が90メートルに
まで発達しました。



 あまりにも大きな被害のため、復興がなかなか進まず、

 12月25日の最新状況では、死者が6100人以上、行方不明が
1800人となっています。

 この日、家を失った400万人以上の人々が、テントや避難所で
クリスマスを祝ったといいます。


              * * * * *


 近年において、上のような異常気象が頻発していることにたいし、

 「地球温暖化」も影響していることは、もはや否定できなくなって
きました。



 2013年は、この地球温暖化について、

 IPCCの第1作業部会が、「第5次報告書」を発表した年でもあり
ます。

 これは、2007年の第4次報告書から、6年ぶりの改定となります。



 このたびの第5次報告書で、いちばん注目されるのは、

 「20世紀半ば以降に観測された温暖化の主な原因は、(化石燃料
の使用など)人類の活動である可能性が極めて高い(95%を超え
る確率)


 と、前回の第4次報告書よりも、さらに踏み込んだ表現で警告して
いることです。



 すでに世界各地で、「異常気象」が多発していることを考え合わせ
ると、

 二酸化炭素の「大幅な排出削減」にたいする世界的な取り組みは、

 もはや、一刻の猶予もなくなっています。


             * * * * *


 また2013年は、中国や北朝鮮の「脅威」が増した年でもありました。



 まず北朝鮮は、

 2月12日に「核実験」を行い、世界各国や国連から、つよい非難を
受けました。

 そして最近では、権力の中枢にいる者が次々と処刑されており、粛清
の嵐が吹き荒れています。

 この先、北朝鮮がどうなって行くのか、とても目が離せない状況です。



 また中国は、

 尖閣諸島の周辺海域で、領海侵犯を断続的に行なっていますが、

 この年になると、新たに「防空識別圏」というのを一方的に設定して、

 日本や韓国に新たな脅威を与えています。



 一方、これら中国や北朝鮮の脅威を背景にして、

 安倍政権が、「右翼化」というか「軍国主義化」というか、

 そのような方向へ、日本を誘導しているように感じてなりません。



 たとえば、

 特定秘密保護法の成立・・・ 

 国家安全保障局の設立・・・ 

 武器輸出三原則の見直し・・・ 

 防衛産業の育成・・・ 

 愛国心の普及・・・ 

 韓国軍への弾薬供与・・・ 

 さらには、首相として靖国神社を参拝するなど、

 そのような「右翼化への流れ」が、どんどんエスカレートしているように
思えてならないのです。


             * * * * *


 ところで2013年は、明るいニュースもありました。


 まず、

 2020年の夏季オリンピック大会の開催都市が、「東京」に決まった
ことです。

 東京五輪に対しては、いろいろな問題点も指摘されていますが、とり
あえず素直に喜ぶべきでしょう。



 そして次に、

 小笠原諸島の西之島付近に、「新しい島」が誕生したことです。

 この「新島」は、成長を続けて大きくなり、12月26日には西之島と
接続しました。

 ただでも国土の狭い日本において、「新しい国土の誕生」というのは、

 ものすごく喜ばしいことです。



 そういえば・・・ 

 私が子供のころ(1973年)にも、「西之島新島」というのが誕生して、
マスコミでずいぶん騒がれました。

 当時の私もテレビに「クギ付け」になって、変色した海から「新島」が
いつ出現するのかを、待ち遠しく思っていたことを覚えています。

 一生の間に、二度も「新しい島の誕生」を目にするのは、とても珍しい
経験ではないでしょうか。


             * * * * *


 ところで、これは2013年に限ったことではありませんが・・・ 


 この年も、福島第1原発の事故現場では、さまざまなトラブルが発生
しました。

 いま現在も、放射能に汚染された水が漏れつづけており、とても事故
が収束しているとは思えません。



 これから先、何年、このような状態が続いていくのでしょう?

 この問題に対しては、

 毎年毎年つねに、「国民による監視の目」を光らせていなければ
なりません。



      目次へ        トップページへ