日本はギャンブル依存症大国
                             2016年12月11日 寺岡克哉


 いま現在、けっこうマスコミで騒がれていますが、

 「カジノ法案」というのが、12月14日までに国会で可決され、

 成立してしまいそうです。



 ちなみに、この法案の正式名称は、

 「カジノを中心とする複合型リゾート施設(IR:Integrated Resort)
整備推進法案」と言い、

 事実上、日本でカジノを解禁しようとするものです。



 しかしながら、実際にカジノを解禁するには、

 刑法における賭博(とばく)罪の対象から、カジノを除外するという
「特例」を作らなければならず、

 さらには、カジノを運営するためのルールを「法制化」する必要も
あり、

 政府は、カジノ法の施行(しこう)後、1年以内をめどにして、必要
な法整備を行う予定です。


            * * * * *


 ところで、

 「カジノ法案」のことを、調べているうちに分かったのですが、

 すでに日本は、「ギャンブル依存症大国」になっています!



 厚生労働省の発表によると、

 日本国内において、ギャンブル依存症が疑われる患者の数は
536万人に上り、

 なんと、成人の4.8%にも達しているのです。



 この数字を、諸外国と比較すると、

 オーストラリアが2%、ギャンブルで有名なラスベガスがあるアメ
リカは1.6%、

 香港1.3%、フランス1.2%、そして韓国、カナダ、スイス、ニュー
ジーランドなどが1%未満となっており、

 日本は、ギャンブル依存症になる人の割合が、ダントツに高い国と
なっています。


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 なぜ日本は、ギャンブル依存症になる人の割合が、こんなに高い
のでしょう?


 じつは日本は、国内の各地に、

 競馬(けいば)場、競輪(けいりん)場、競艇(きょうてい)場、オート
レース場などの、「公営ギャンブル場」が多数存在しており、

 さらには場外の、馬券売り場、車券売り場、舟券売り場などが存在
していて、

 ギャンブルをしようと思えば、あまり苦労することなく、簡単にできる
ような環境になっています。



 さらに、

 パチンコやパチスロなどは「事実上のギャンブル」ですが、

 そのような店が、駅前や繁華街、街道沿いなどに溢(あふ)れて
います。



 ちなみに、

 競馬、競輪、競艇、オートレースを合わせた、公営ギャンブル
全体の売り上げが5兆円なのに対して、

 パチンコとパチスロを合わせた売り上げは、19兆円にも上って
います。



 なので、

 日本国内で「ギャンブル依存症」になってしまう場合、

 おそらく、その多くが、

 「パチンコ依存症」や「パチスロ依存症」ではないかと、思われ
ます。


          * * * * *


 ところで、テレビなどのマスコミ報道では、

 カジノ解禁による「ギャンブル依存症」の危惧(きぐ)が、

 よく取り上げられています。



 しかしながら、いまの日本の現状を見てみると・・・・ 



 こと、「ギャンブル依存症」の問題に関するならば、

 カジノというよりは、すでに存在しているギャンブル、

 とくに、「パチンコ依存症」や「パチスロ依存症」の方が、

 ずっと深刻な問題のように思えます。



 ちなみに私は、「カジノ法案」の成立に、賛成する者ではありま
せん。

 しかし、どうせ法案が可決されてしまうなら、むしろ、それを機会
にして、

 「パチンコ依存症」や「パチスロ依存症」などの問題にも、

 国として、早急(さっきゅう)に取り組むべきだと思っています。



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