原発事業で巨大損失 1
2017年1月8日 寺岡克哉
どうやら「東芝」が、
原子力発電所の建設事業で、「巨大な損失」を出したみたい
です。
ちなみに「東芝」というのは、日本の電気メーカーを代表する
ような大企業ですが、
原発事業による巨大損失は、そんな大企業の存在基盤を
揺るがしかねないほどの、
大きなものになりそうです・・・
* * * * *
ところで、
私が、いくつかの報道記事を見てみたところ、
巨大な損失が生じた原因には、アメリカにある東芝の子会社
や孫会社が関係しており、
なかなか複雑な話になっています。
しかも、いま現在のところ、
東芝自身でさえ、「損失の全体」が具体的にどれぐらいになる
のか、
「精査しなければ分からない」と、しているのです。
ただ、
東芝は、昨年(2016年)の12月27日の時点で、
損失が「数千億円規模にのぼる」とだけ、公表しています。
その後、
東芝の志賀会長が、1月5日に記者団の取材に応じており、
アメリカで事業コストを精査した結果、「当初思っていたより
費用はもっと見ないといけない」と、説明しています。
しかしながら、
「数字はまだ動いている」として、具体的な金額の明言を、
いま現在でも避けているのです。
* * * * *
ところで、ものすごく大ざっぱな話として、
巨大な損失が生じた主な原因は、原発を作るための「工事費」
や「人件費」などの追加費用が、
予想以上に脹らんだためと言うことです。
また、
2011年に「福島第1原発の事故」が起こり、その後の規制が
厳しくなって、
「安全対策費が増えている」という影響もあります。
ちなみに原発の建設事業は、
安全への意識が高まるなか、予定通りの費用で建設が進まな
いケースが増えており、
東芝だけでなく、フランスにある世界最大の原子力産業複合
企業である「アレバ社」も、
新型原子炉の建設費用が膨らんで、経営危機に陥っています。
* * * * *
それらの状況を見て、私は思うのですが・・・
おそらく、原発の建設事業というのは、
原発を作れば作るほど、どんどん損失が巨大になるように、
すでになっているのでしょう。
もしも、そうなら、
もはや原発の建設は、事業として成り立たない(つまり、商売に
ならない)と、いうことになります。
そんな、まったく儲かりもしない原発を、これからも新しく建設
して行くことなど、
ものすごく「ナンセンス」だと言わざるを得ません!
いわんや、福島第1原発の事故の甚大さや、使用済み核燃料
の問題も考えれば、なおさらです。
そのこと(つまり、原発を建設することのナンセンスさ)を、さらに
もっと明確にするために、
今後、東芝の原発事業について、もうすこし詳しく調べて行きたい
と、思っています。
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