原発は大丈夫なのか?
                              2017年4月30日 寺岡克哉


 政府は4月21日。

 北朝鮮の弾道ミサイルが日本国内に着弾する事態に備えて、

 都道府県の防災担当者を対象にした説明会を、東京都内で
開催しました。



 この説明会の中で、内閣官房の担当者は、

 弾道ミサイルが落下した際の住民がとるべき行動として、

 「屋外」にいる場合は、頑丈な建物や地下街などに避難するか、
物陰に身を隠すこと。

 また「屋内」にいる場合は、窓から離れるか、窓のない部屋に
移動することなどを説明しています。



 さらには、

 このような内容を、内閣官房の「国民保護ポータルサイト」に
掲載していること(下記の太字部分を参照)なども紹介して、

 住民への周知や、国民への迅速な情報伝達を、各自治体に
求めました。



 また、総務省・消防庁の担当者は、

 弾道ミサイルが日本に飛来するおそれがある場合には、

 Jアラート(全国瞬時警報システム)を通じて、直ちに情報を
伝達するとしたうえで、

 弾道ミサイルの飛来を想定した住民の避難訓練を、政府と
協力して早期に行うよう要請しています。


             * * * * *


 ところで以下は、

 「内閣官房 国民保護ポータルサイト」に、4月21日付で掲載
されている、

 「弾道ミサイル落下時の行動について(その1)」という記事の
内容です。



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         弾道ミサイル落下時の行動について


○弾道ミサイルは、発射から極めて短時間で着弾します。

○ミサイルが日本に落下する可能性がある場合は、Jアラートを活用
 して、防災無線で特別なサイレン音とともにメッセージを流すほか、
 緊急メール等により緊急情報をお知らせします。




  メッセージが流れたら、直ちに以下の行動をとってください。

【屋外にいる場合】
○近くのできるだけ頑丈な建物や地下街などに避難する。
○近くに適当な建物がない場合は、物陰に身を隠すほか、地面に
 伏せ頭部を守る。


【屋内にいる場合】
○できるだけ窓から離れ、できれば窓のない部屋へ移動する。



  ~行政からの指示に従って、落ち着いて行動してください~

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              * * * * *


 以上、ここまで見てきましたが、

 北朝鮮からの弾道ミサイル飛来を想定した避難訓練を、

 政府が国民にたいして、早期に行うように要請するなんて・・・ 



 これは、過去に例がないほど、

 ものすごく危機感が高まっているとしか、私には思えてなりま
せん。



 しかし、それにしても、「原発」は大丈夫なのでしょうか?



 たしかに、

 日本を標的にしている北朝鮮ミサイルの、いちばんの攻撃目標は、

 「在日アメリカ軍基地」だと言われています。



 しかしながら、

 日本の「原発」が攻撃目標になっていない保証など、どこにもあり
ません。



 そして、とくに

 福島第1原発の事故によって、「原発の破壊」は甚大な被害をもたら
すことが明らかとなり、

 敵対国やテロリストにとって「原発は有効な攻撃目標」であることが、
世界中に周知される事態となってしまいました。



 そのような背景のなか、

 弾道ミサイルの飛来を想定した避難訓練を、早期に行なわなけれ
ばならないほど危機感が高まっている状況で、

 原発(とくに稼働中のもの)は、ほんとうに大丈夫なのでしょうか?



 Jアラート(全国瞬時警報システム)が発動したときの、住民のとる
べき行動を公表して、危機意識をものすごく煽(あお)っておきながら、

 「原発へのミサイル攻撃」について、まったく触れていないという
のは、

 一体どうゆう訳でしょう?



 少なくても、

 現在稼働している原発は、直ちに停止し、

 冷却中の使用済み核燃料は、すべて地下に保管する。



 数100年に1度あるか無いかという、大地震や大津波のリスクをも
警戒している日本にとって、

 いま現在の地政学的リスクの状況下では、最低でも、これぐらいの
原発対策は、絶対に必要ではないでしょうか。


 どうも私には、そのように思えてなりません。



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