韓国に対して思うこと 2
                               2019年8月25日 寺岡克哉


 いま現在、

 韓国側が日本とのGSOMIA(軍事情報包括保護協定 注1)
破棄したことにより、

 日本と韓国の関係が、さらに悪化の一途をたどっています。

 この先どうなって行くのか、ほんとうに目が離せない状況が続いて
います。

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注1 GSOMIA(ジーソミア):

 秘密軍事情報を提供し合う際、第三国への漏洩を防止するために
締結する軍事情報包括保護協定。
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 さて前回では、

 主にマスコミ報道などから受けた、韓国に対する私の印象について
書いてみました。

 今回は、

 私と韓国人との「個人的な付き合い」から得られた、韓国に対する
印象について、書いてみたいと思います。


             * * * * *


 私が、名古屋大学の院生だったころ・・・ 

 私の所属していた研究室では、アメリカ、イタリア、ドイツ、ベルギー、
ロシア、トルコなど、さまざまな国々と共同研究をしていましたが、

 韓国の大学とも共同研究をやっていたので、

 数ヵ月~1年ぐらいの期間で入れ代わり立ち代わり、常時2人~3人
ぐらいの韓国人留学生が滞在していたのです。



 そのため、

 研究室のコンパのときなどに、韓国の人たちと、お酒を飲みながら、

 忌憚(きたん)のない話をする機会が、少なからずあったわけです。



 そのようなときの会話で、

 今でも記憶に残っている印象深い話を、以下に紹介してみたいと
思います。


             * * * * *


 ところで、

 私が韓国の人たちに自己紹介をするときは、世界地図と定規を
持ってきます。

 そして、

 名古屋から札幌までの直線距離を定規で測り、それと同じ距離を、
名古屋からソウルに向けて延(の)ばします。

 そうすると、

 ソウルを超えて、さらには38度線も越えて、北朝鮮領に入ってしま
うのです。

 それを地図上で見せてから、

 「私の実家は、あなた方の実家よりも遠くにあります」と自己紹介を
すると、韓国の人たちは少し驚いた様子を見せますが、その後は、
簡単に親しくなることが出来ました。

 それで、

 研究とは関係のない色々な話も、けっこう聞くことが出来たわけ
です。



 まず、私が韓国の人たちから言われたことで印象に残っているの
は、

 「怒らないでくださいよ」と前置きして彼らが話したのですが、私は
韓国人にとても良く似ているのだそうです。

 もしも、韓国の街中(まちなか)で私が歩いていれば、すれ違う人は
みんな、私のことを韓国人だとしか思わないそうです。

 もしかしたら、

 私が韓国人に似ていたので、けっこう何でも良く話してくれたのかも
知れません。


             * * * * *


 ちょっと「面白いな」と思って、私の記憶に残っていた話ですが、

 「日本の ”焼きそば” が美味しく感じるようになったら、そろそろ韓国
に帰らなければならない」

 と、日本に来ている韓国の人たちの間では、言われているそうです。



 韓国から日本に来て、最初のうちは、

 日本の「焼きそば」をたべると、「なんだこの変な味は!」と感じるの
だそうです。

 しかし、日本に数ヶ月から半年ぐらい滞在すると、

 変な味だった「焼きそば」が、ものすごく美味しく感じるように、なる
のだそうです。



 それは、どうやら、

 「焼きそば」をよく食べることで、舌が焼きそばの味に慣れたからでは
なく、

 さまざまな日本の食事を食べることで、舌の感覚が、日本人に近く
なるからみたいです。



 そのため、

 頻繁(ひんぱん)に「焼きそば」を食べている訳ではないのに、

 たまに「焼きそば」を食べてみると、いつの間にか、ものすごく美味し
く感じるように、なっているのだそうです。

 それで、

 「故郷(韓国)の味を忘れてしまわないように、焼きそばが美味しく
感じるようになったら、そろそろ韓国に帰らなければならない」

 と、日本に来ている韓国の人たちの間では、言われているみたい
です。



 私は料理が好きな方で、一時期は「調理師見習い」をやっていた
ほどですから、

 このような「味の話」が、けっこう印象に残っていたのかも知れま
せん。


             * * * * *


 ところで、韓国人留学生の中には、

 すでに結婚していて、奥さんや子供と一緒に、日本に来ている人
もいました。



 その人の子供は、当時まだ小さくて、日本の幼稚園に通わせて
いたのですが、

 「子供が韓国語よりも日本語の方をよく話す」と、お父さんは少し
寂(さみ)しそうな感じでした。



 もちろん家の中では、韓国語で会話をするように、心がけている
そうですが、

 幼稚園の友達が、みんな日本語を話すので、

 韓国語よりも日本語の方を、どんどん覚えてしまうみたいです。



 その子が、いちど研究室に来たことがあるのですが、4~5才
ぐらいの、とてもかわいい女の子でした。

 しかしそれは、今から20年以上も前の話なので、今では20代
半ばか、30才近くになっていると思います。

 そのような、

 日本に滞在経験のある人たちが、日本と韓国の橋渡し的な
存在になってくれると、とても有難いのですが・・・ 


            * * * * *


 ところで韓国では、

 いわゆる「上下関係」がとても厳しく、自分より目上の者に
たいして逆らうことができないのは、

 今では日本においても、一般的に知られているでしょう。



 このことを、私が初めて知ったのは、

 やはり、韓国人留学生から聞いた話によってでした。



 その話によると、

 韓国の大学や研究室では、例えば教授がタバコを吸っていると、

 准教授以下の教官や、大学院生たちは、同じ部屋でタバコを吸っ
てはいけないそうです。

 また例えば、

 博士課程の大学院生がタバコを吸っていたら、修士課程の大学
院生や学部学生は、同じ部屋でタバコを吸ってはいけないそうです。

 このような上下関係が、厳しく成り立っていて、

 もし目下の者がタバコを吸いたくなったならば、別の部屋で吸わな
ければならないそうです。



 私は、この話を聞いたとき、「ふむ、そんなものなのか」と思った
だけでしたが、

 しかしその後、私が研究室を去ってしばらくして、ナッツ姫の事件
(注2)
が起こったときに、

 「なるほど、そうだったのか!」と、この話を思い出した次第です。


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注2 大韓航空ナッツリターン事件:

 2014年12月5日。ジョン・F・ケネディ国際空港で、離陸のため
滑走路に向かい始めた大韓航空86便で、
 ファーストクラスの乗客として乗っていた大韓航空の副社長だった
趙顕娥(チョ・ヒョナ)が、
 「マカダミアナッツの出し方が悪い」として、客室乗務員に対して
激怒し、
 旅客機を搭乗ゲートに引き返させたうえで、チーフパーサー(機内
サービス責任者)を86便から降ろし、運航を遅らせた事件。

 ちなみに韓国の航空法では、「航空機の乗務員に対する指揮・監督
は機長が行う」と規定されているため、
 自社の航空機に搭乗していた趙顕娥(チョ・ヒョナ)が、機長に指示を
与えたことは、「越権行為」にあたるのではないかとの批判が起こり、
 「ナッツ姫」と揶揄(やゆ)される対象となりました。
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 この事件のように、

 「目上の者ならば、目下の者にたいしてムチャクチャを言って
も当然だ」

 と、いうような韓国人の感覚には、ものすごく注意する必要が
あると感じます。



 というのは、たとえば日本と韓国の外交においても、

 これまで日本側が譲歩し続けてきたことにより、韓国側から
「日本は目下の国」だと見られてしまったら、

 韓国側は、何の疑問を感じることなく、当たり前のように、

 際限のないムチャクチャな要求を、日本側に突き付けてくること
になるでしょう。



 だから今後、

 韓国に対して日本側は、毅然(きぜん)とした強い態度で臨んで
行かないと、

 慰安婦問題や徴用工問題などのさまざまな問題が、いつまで
経っても解決されないどころか、

 韓国側は問題を拡大化して、さらに大きな要求を日本側に突き
付けてくるような気がしてならないのです。


             * * * * *


 申し訳ありませんが、この続きは次回でやりたいと思います。



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