あんこう(鮟鱇)

「東の鮟鱇、西の河豚」と言われる関東の冬の味覚の代表。鍋料理が恋しい真冬に旬を迎えます。 グロテスクな外見にもかかわらず、内臓、エラ、ヒレまでも食べ尽くしてしまいます。

品 種 アンコウ目アンコウ科アンコウ属 きあんこう本あんこう)。 日本近海では北海道から東シナ海にかけての水深100〜300mの砂泥底に生息し、底曳網、刺網で漁獲されます。 体長1.5m、35kgに達しますが、7kg〜10kg前後の中型のものが美味。アンコウの雄は雌に比べて非常に小さく、市場で売られて食べられるのは全て雌です。
俗にくつあんこうと呼ばれるあんこうは同属の近縁種でやや小型。市場ではキアンコウと同等に扱われます。
産地 と旬 12月から2月が旬。名産地として有名なのは久慈、平潟など茨城ですが、最近では青森、福島をはじめ、東北各地から集められます。 もともと北日本ではどこでも取れる魚なのですが、上手に調理して珍重してきたのが北関東というわけです。
成分 アンコウの肝は、あらゆる食べ物の中で最もビタミンDを多く含んでいます。(100gあたり110μg)ちなみにの肝臓にはビタミンDはほとんど含まれていません。
調理方法 キモ(肝臓)、水袋(胃)、エラ、皮、柳(肉)、ヌノ(卵巣)、トモ(尾のひれ) をアンコウの7つ道具と言い、ヌルヌル、プリプリなどそれぞれ違った味わい、歯ごたえを楽しみます。

どぶ汁の作り方:まず肝をあらくほぐして鍋でから炒りします。それに少量の味噌を加えてさらにから炒り。身肉と大根を加えて、身肉と大根から出た水分だけで煮ていきます。 煮えたら味噌で味付けします。(これを出し汁で割って作るのがアンコウ鍋です。)どぶ汁、アンコウ鍋とも、十分に煮立てて野菜に味をしみ込ませて食べるのがコツです。

あん肝の調理法:肝全体に薄く塩をふり、1時間ほど置きます。酒に浸して洗い、アルミホイルで包んで筒状に成型。蒸し器にいれて30〜40分蒸せばできあがり。

目利き 切り身で買う時は身肉が薄いピンクで透明感がありプリプリしているものが新鮮です。
市場 漁獲量は年による変動が激しいのですが、1,000トン程度です。
雑学 江戸時代の江戸で、最も美味しい珍味ベスト5という意味で"三鳥ニ魚"という言葉がありました。鳥からは鶴、雲雀(ひばり)、鷭(ばん)(現在は鳥獣保護法で狩猟禁止)、 魚からはとアンコウが選ばれています。つい最近まで、関東以外ではアンコウはあまり高く評価される魚ではありませんでしたが、 江戸ではアンコウが鯛と並んで美味しい魚の最高峰に位置付けられていたのです。


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制作日:2005年2月26日
上田 泰久