シナモン − カシア − ニッキ

ニッキ飴や八つ橋など、日本で古くから親しまれていたニッキとシナモン・ティーでおなじみのシナモンとは近縁の香辛料です。 ちょっと辛味のある刺激的な香りのニッキ。それに対してシナモンはあくまでもさわやかで上品な香り。 香りの主成分は2つとも同じなのですが、香りの微妙な違いが香辛料の奥深さを教えてくれます。 (写真はカシア・シナモン) Cinnamon

品種 クスノキ科。シナモン、カシア、ニッキともクスノキの一種の樹皮をはぎ取って乾燥させた物です。日本名は桂皮または肉桂。 樹皮を丸めて棒状にしたものと、粉にしたものが売られています。 厳密にはシナモンと呼べるのはスリランカ産だけです。
種類 シナモン、カシア、ニッキともクスノキ科の近縁種ですが、植物としての種類が違います。 また、産地によって製品の仕上げ方が違い、香りも微妙に異なっています。
  • シナモン−樹皮の表側のコルク層を取ってから何枚か重ねて丸めます。手間がかかりますが、 最もさわやかな香りで辛味はほとんどありません。
  • カシア−コルク層を付けたまま丸めて乾燥させるので厚くなります。シナモンに比べると香りが強い。 日本で一番多く売られています。
  • ニッキ−日本肉桂。日本肉桂の中にも2〜3の種類があります。栽培は少なく、現在では和歌山、高知、 九州の一部でわずかに栽培されているだけです。樹皮の香りはあまり無く、根の皮に強い香りがあります。香り、辛味とも強い。
原産地 中国南部からベトナムにかけて。
利用の歴史 シナモン(カシア)は紀元前4000年頃からエジプトでミイラの防腐剤として使われ出しました。 また、儀礼にも頻繁に使われていたようです。日本には8世紀前半に伝来しています。
現在の主産地 中国、タイ、ベトナム、カンボジア、スリランカ等。
成分 シナモン、カシア、ニッキとも香りの主成分は桂皮アルデヒド。 40度前後でもっとも香りを発散します。
利用方法 砂糖と特に相性が良く、甘味を引き立てます。アップル・パイ、ピーチパイ、プリンなどの菓子類に使われる他、 カレー粉やソースにも欠かせない香辛料です。
肉1kgに対する標準的な使用量 : 0.3g
粉のシナモン小さじ一杯で    : 1.0g


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制作日:2003年9月11日
更新日:2005年10月8日
上田 泰久