鱈場蟹(たらばがに)

Taraba_Gani   寒海性のおいしい蟹。鱈の漁場で捕れるので"鱈場蟹"と言われます。最高級の蟹缶の原料ですが、 最近では活き、生、冷凍で出まわるようになりました。(写真は卵を持ったメス)

品 種 甲殻綱十脚目異尾類タラバガニ科。
蟹と言われますがヤドカリの仲間で、足とハサミを合わせて4対(8本)しかありません。 しかし実は小さな5対めの脚が甲羅の中に隠れています。 日本海、オホーツク海、ベーリング海など北太平洋に分布し、水温10度以下の冷たい海を好みます。太平洋側では襟裳岬、 日本海側では隠岐島が分布の南限。 普段は水深150〜300mの深海にいますが、産卵期には水深30m程度の浅い海に集まってきます。 卵が孵る(かえる)まで1年、成熟するまでに10年かかるそうです。 甲羅の中よりも脚の肉を主に食べるので、身の充実した冬場のオスが最も高く評価されます。
種類 タラバガニの近縁種で、アブラガニ、イバラガニが出回っています。
  • Toge タラバガニ−最近では、アブラガニがタラバガニの偽物として出まわる事があるので、 こちらは本タラバガニと呼ばれることもあります。甲羅の真ん中にトゲが6本あります。 旬は11月から2月。年末年始は値が上がるのでその時期を避けた方が無難です。
  • アブラガニ−タラバガニと良く似ていて、"タラバガニ"として売られている事もあるようです。 やや大味と言われますが、けっこう美味。アブラガニと分かって買う分には割安だと言えるでしょう。 タラバガニとの見分け方は、甲羅の真ん中のトゲが4本である事、生の時に全体に青みがかっている事、 脚をゆでた時に色がやや薄い事などですが、脚だけになってしまうと見分けるのは難しいです。
  • イバラガニ−タラバガニより深海に棲み、駿河湾以北に分布。生の時は薄茶色、ゆでるときれいなオレンジ色になります。 トゲが多い。味は濃厚で焼き蟹に向くと言われています。旬は2月から4月。
調理方法 タラバガニの蟹味噌(肝臓)は加熱しても固まらず美味しくないので、ゆでる前に取り除いてしまうのが普通です。 メスが抱いている卵は外子、内子(甲羅の内側に付いている紫色)とも美味。  
目利き 甲羅の固いもの、サイズの割にずっしりと重いものが身が詰まっていて美味。  
市場 国内産は1992年には2,000トン程度ありましたが、その後激減し、2000年には100トン以下になってしまいました。 ほとんどがロシア、カナダからの輸入です。  
雑学 プロレタリア文学の小林多喜二の代表作「蟹工船」は北洋でタラバ蟹を捕って船上で加工する船での悲惨な生活を描いています。  


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制作日:2003年10月27日
上田 泰久