かずのこ(数の子)

Kazunoko   鰊(にしん)の子なのに”数の子”と言います。 江戸時代までは鰊の事を”カドイワシ(通称カド)”と言ったので、”カドの子”がなまって”数の子”になったという話。 おせち料理に欠かせない子孫繁栄の象徴。パリパリとした歯ごたえと微妙な苦味が鰹出汁によく合います。

品 種 ニシンの卵巣。かつては春先になるとニシンは北海道・北陸沿岸に大量に押し寄せていましたが(1897年の北海道の漁獲高は97万トン) その後は漁獲が激減。1955年以後はほとんど採れなくなってしまいました。今では世界各地からの輸入に頼っています。
ニシンには日本で採れる(採れた)太平洋ニシンと近縁の大西洋ニシンがあり、 太平洋ニシンの数の子の方が歯ごたえあって美味しいと言われています。

一時期は黄色いダイヤモンドと呼ばれるほど高価でしたが、最近は低価格化が進み、特に2000年以後は過去最低水準の価格になっています。 (下記のグラフ参照)
普及の歴史

室町時代には数の子が京都で売られ食べられたという記録があります("山科家礼記"1463年・1491年。カドノコと表記)。 江戸時代に西回り航路が開発される200年も前の事ですので、陸路かあるいは小型の船によって北陸・北海道から運ばれてきたのでしょう。 軽くて輸送しやすい干し数の子だったと思われます。

江戸時代中期には数の子がおせち料理の定番となります。一般的に食べられるようになっていた事を伺わせますが、 値段の方もおせち料理でなければ食べられないほどの高値だったようです。

"塩"数の子が普及したのは意外にも新しく、戦後になってから。(それまでは干し数の子)しかも最初は年末の一時期にしか出回らなかったそうです。 暮れの忙しい時に一週間もかけて干し数の子を戻すのは手間がかかるので、消費者の便宜のために塩数の子が開発されました。

産地 と旬 日本産の数の子(ニシン)は、今日では石狩湾、厚岸湖、風蓮湖などの限られた場所でしか採れません。
世界的には太平洋ニシンはサンフランシスコ近海からカナダ、アラスカにかけて、大西洋ニシンはヨーロッパ各国、及びアメリカの東海岸で漁獲されます。
調理方法 塩数の子は塩がきついので、真水よりは「迎え塩」と言って2%程度の薄い塩水で戻した方が早く塩が抜けます。途中で2〜3回水を代えながら、 一晩水に浸けて戻します。干し数の子はお米のとぎ汁に浸けて冷蔵庫に入れて一週間かけて戻します。その後、 薄皮をていねいにとってから鰹ダシ醤油に浸けて食べるのが一般的です。
焼いたり煮たりしては食べませんね。そういう意味では数の子は食べ方の非常に限られた食材です。
市場 年間20,000トン程度が輸入(一部はニシンで輸入され国内で腹出)されます。減少傾向です。 なお、世界的にはニシン資源は安定していると言われ、近年不漁になったのは日本だけの現象です。

数の子の価格の推移(カナダ産現卵降値。kgあたり円)
Kazunoko_kakaku


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制作日:2005年2月11日
上田 泰久