もずく(藻付)

 まるで海を食べているよう。なめらかな食感と海の香りが何とも言えずに さわやかです。 一年中売られていますが、本来は春の味覚です。(写真はモズク)   Mozuku

品 種 一般にモズクと言われるものには次のような種類があります。

●モズク(通称糸モズク)−ナガマツモ目モズク科(Spermatochnaceae)モズク(Nemacystus decipiens)。 関東、北陸以南の各地の沿岸に分布する褐藻類の海藻で、ホンダワラ類に付着して生活するところから"藻に付く"という意味で「もずく」と呼ばれます。 1.5〜2.0mmと細く、不規則に枝分かれしながら25〜35cmの長さに育ちます。 ヘアブラシ を竹の先に付けた物でモズクを巻き取って収穫する大村湾(長崎県)の漁は有名。生の状態ではにぶい褐色ですが熱を通すと鮮やかな緑色になります。旬は地域によって異なります。沖縄で3月、京都で5月。

通称太モズク−ナガマツモ目ナガマツモ科(Chordariaceae)のオキナワモズクフトモズクなどの総称。どれも糸モズクよりやや太めで、海藻には付かずに海底の石などに付きます。

  • オキナワモズク(Cladosiphon okamuranus)は、1970年代以後、沖縄で盛んに養殖されて全国のスーパーでモズク酢として最も普通に売られているものです。 奄美大島、沖縄沿岸の特産品。柔らかくヌルヌルが強い。旬は4月〜6月で、養殖ものもこの頃が収穫のピークです。掃除機のようなもの吸い取って収穫します。
  • フトモズク(Tinocladia crassa)はよく見ると幹と枝が区別できます。 関東、北陸以南の静かな浅瀬の岩に付いて生育する。
●イシモズク−ナガマツモ目ナガマツモ科イシモズク(Sphaerotrichia divaricata)は太平洋側南部を除く日本各地の沿岸に分布します。オキナワモズクより歯ごたえがあって大変おいしい。夏になると固くなるので、4月〜6月にのみ採取される季節の味。
成分 オキナワモズクのヌルヌルの主成分はフコイダン。硫酸基を持った多糖類です。抗がん作用、抗菌作用があるのではないかと話題になり、盛んに研究されています。
調理方法 塩蔵品を戻す時はざるに入れて流水で洗うようにします。つけ置きをすると味がぼけます。
味付けをしていないモズクが手に入ったら、ぜひ天ぷら、味噌汁、卵焼きなどに挑戦してみてください。もずく酢だけではもったいない。
もずく雑炊は東京築地の料亭の名物料理。雑炊に、モズク、ダシあん(鰹ダシを醤油で味付けして片栗粉でトロミと付けている)、ワサビ、イクラを添えて供されます。心にしみ入る味。
市場 オキナワモズクの生産量は年間約20,000トン程度。ほとんどが養殖で90%が沖縄県産です。モズク(糸モズク)の漁獲量は年により変動が多く、500〜2,500トン程度です。


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制作日:2005年2月1日
上田 泰久