セージ

Sage   ヨモギに似た鋭くさわやかな香り。肉類、特に豚肉との相性が良く、ソーセージの語源になっています。 原産地の地中海沿岸の国々では、古代ローマ時代より万能薬として利用され、人々の生活から切り離せないほど深く浸透しています。 「庭にセージを植えている者は不老不死」「長生きをしたければ5月にセージを食べなさい」と、ことわざにも残っています。 また今では、アメリカの人々にも大変好まれています。

品種 シソ科サルビア属の多年草。観賞用のサルビアと近縁種です。 500以上の変種がありますが、普通に売られているのはコモンセージ(ガーデンセージ)です。
原産地 地中海北岸。
利用の歴史 古代ローマ時代から薬として幅広く使われてきました。殺菌、止血、うがい薬、胃のもたれに効果があると言われます。 日本には1890年頃に伝わり、薬用に栽培されていました。
現在の主産地 ユーゴスラビア、トルコ、アメリカなど多くの地域で栽培されていますが、ユーゴスラビアのダルマチア地方のものが最高品質だと言われています。
成分 香りの主成分はツヨンとシネオール。
利用方法 、羊、 サバなどの青身魚に良く使われます。肉の臭みを消す効果があり、レバーとの相性もよい。 肉のローストには、生ハーブか乾燥した葉・枝を突き刺して使い、調理後に取り除きます。 ひき肉料理には乾燥品の粉を練りこんで使います。 乾燥品は香りが強いので、生ハーブの半分の量を目安に使いましょう。
肉1kgに対する標準的な使用量 : 0.2〜0.3g
粉のセージ小さじ一杯で     : 0.6g
コメント 「香辛料貿易は東洋から西洋へ」というのが常識ですが、セージは逆に、オランダ商人によって中国に輸出されていました。 (17世紀頃)中国ではセージ1ポンドを中国産のお茶(当初はいわゆる中国茶、後に紅茶になっていく) 3ポンドと交換したそうです。当時ヨーロッパではお茶は一般的ではなく、セージを煎じたものが飲まれていました。 中国でお茶を大量に入手したオランダが、それをヨーロッパ諸国に売り、やがてヨーロッパにお茶(紅茶)ブームがまき起こってきます。


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作成日:2003年11月3日
更新日:2003年11月17日
上田 泰久