誰でも目をつぶると味と香りを思い浮かべられるほど、 "ソースの味"のイメージは強固です。甘味、酸味、辛味の絶妙なバランスにインパクトのある香りが加わって、ソースの味を作っています。 特に日本のソースは甘味のある香りが特徴で、焼きそば、お好み焼き、トンカツなどに欠かせません。 このページでは日本で売られている、いわゆるウスターソース類について書きます。(写真左は濃厚ソース、右はウスターソース) |
歴 史 |
1800年頃にイギリスのウースターシャー州の主婦が、余った野菜を塩、酢、スパイス類と一緒に壷に入れておいた所、
これらが熟成して美味しい汁ができたのがウスターソース(ウースターシャイアーソース)誕生のきっかけだという話です。(本当かな?)
その後、インド総督だったマーカス・サンデー卿がインドのソースの調合法をもとにウスター州の化学者ジョン・リーとウイリアム・ぺリンスにソースの試作を依頼。
美味しいソースができたので、「ウスター・ソース」として販売(リー・アンド・ぺリンス社)これが市販のウスターソースの最初です。1845年の事です。 日本で最初のソースについては諸説ありますが、ヤマサの7代目・8代目浜口儀兵衛や阪神ソースの安井敬七郎が欧米のソースをまねて作った(1884年頃) のが最初と言われています。最初はあまり売れなかったようですが、じょじょに各地の醤油メーカーでソースが作られるようになり、 やがて洋食ブームにのって爆発的にヒットしていき、ついにはデパートの食堂のメニューに「ソースライス」なんていうものまで現れます。 戦後は甘いものが好まれたため、ソースも甘くてコクのある物が開発されてきました。近年の甘いものが敬遠される風潮の中でもソースだけは例外で、 お好みソース、焼きそばソースなどのコッテリ甘いソースがダントツに売上を伸ばしています。 |
種 類 | 広い意味の"ソース"には、塩を含んだ液体の調味料が総て含まれます。この意味では、
醤油やマヨネーズもソースの一種といえます。フランス料理で使われる"ソース"という言葉は、
料理の主材料を引き立たせるために調理人が腕によりをかけて作る"液体"を指しますよね。
日本のソースは広い意味のウスター・ソース類と言われるもので、この中には狭い意味のウスターソース、中濃ソース、 濃厚ソース、 (JASの定義では粘度の差でこれらを区分)濃厚ソースのうちさらに甘味の強い"お好み焼き用"や"焼きそば用"のソースなどがあります。 なお、とんかつソースは商品名です。 欧米のウスターソースに比べて日本のソースは独特で、1)甘味が強い2)シナモンとナツメグが多い 3)タイム、セージ、マジョラム、オレガノなどが効果的に使われ香りが複雑 4)粘度が高い。の4点が特徴です。 |
作り方 | ウスターソースは野菜スープに酢、砂糖、塩と香辛料を加えて作ります。 家庭でも簡単にオリジナルのソースを作る事ができます。材料次第で味や香りが変わってくるので、色々作って楽しみましょう。 <ウスターソースの作り方> |
成 分 | ソースは濃厚な味でトロミもついていますが油分はほとんど含まれていません。一方、炭水化物はソースの重量の30%もあり、マヨネーズの4.5%、 フレンチドレッシングの6%に比べてはるかに多くなっています。カロリーは100gあたり120〜130kcalで、マヨネーズの6分の1、 フレンチドレッシングの3分の1程度です。(あまりたくさん採るものではないので重要ではありませんが)。 |
市 場 |
現在日本には約130社のソース・メーカーがあります。ウスターソース類全体の生産量は年間約17万キロリットル(KL)程度で微増傾向。
1997年の内訳は以下のとおりです。お好みソース・焼きそばソースの伸びが著しいですね。
|