塩と調理

塩の旨み 旨み成分と言えば、有名なグルタミン酸ナトリウム、イノシン酸、グアニル酸、コハク酸などがあリます。 しかしこれらの成分も適度な塩分が無ければ全く美味しく感じません。塩は食べ物の味の基本の基本なのです。
塩分濃度 人間の生存にとって塩は無くてはならないものですが、人間の体には塩を貯蔵する機構がありません。 だから塩分が不足してくると猛烈な塩の要求がおこり、逆に塩分をとり過ぎるとすぐにそれを排泄しようとします。 だから食べ物の塩分濃度については極めて敏感で、 例えば味噌汁や吸い物では0.8%〜1.2%のごく狭い範囲しか美味しいとは感じません。 これは人間の血液の塩分濃度とほぼ同じだということです。
汁物でなくても、一皿づつ食事が進む欧米型の食事では、その一皿の塩分濃度は1%以下になっている必要があります。 しかしご飯や複数の料理を交互につまむスタイルの和食では、塩辛いおかずがあってもご飯を食べて塩分濃度を薄めるので、 一皿の塩分濃度にずっと巾を持たせる事ができます。日本人の塩分のとり過ぎが問題になっていますが、この幅広さは和食の有利な点でもあると思います。
ニガリ成分の味 ニガリを多く含んだ塩は美味しいのでしょうか?
まず、微量のマグネシウムは甘味を感じさせます。 またマグネシウムは塩化ナトリウムの結晶の粒の周りについてこれを覆ってしまうので、 塩をそのままなめた時にはマグネシウムが多い塩の方が、塩化ナトリウムが直接舌に当たらない分、なめらかに感じます。 ただし、水に同量を溶かして飲み比べてみると、直接なめた時ほどの差は出ません。
ふり塩の効用 加熱調理等に先立って素材に塩をふる事をふり塩と言います。身肉のエキス分よりもタンパク質に旨みがある食材に対して(肉類、魚類)効果があります。
  • 浸透圧によって余分な水分が抜けて旨みが凝縮されます。
  • この時に生臭みも水分と一緒に抜けてくれます。
  • タンパク質が凝固して、粘性の高い状態になり、歯ごたえが良くなります。
  • 塩味によってアミノ酸や核酸などの旨み成分を強く感じるようになります。
加熱調理のどのくらい前にふり塩をするかは素材によって違ってきます。脂肪分の多いものほどふり塩後に時間をおきます。 脂肪分の少ないものは直前に、また、新鮮なものほど直前に行います。

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制作日:2003年11月16日
上田 泰久